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ゆきっち |
2006/05/16 10:48:02 |
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類「やっと人間らしい顔になってきた。さっきはすごい不細工だった。」 つくし「花沢類!黙って聞いてたらいい気になって!」 類「それだけ元気があれば大丈夫だな。」類はつくしの頭をくしゃくしゃっと撫でた。 つくし「ありがとう。またみんなに迷惑掛けちゃったね。」 類「友達に遠慮するな。今日は、何も考えずにぐっすり眠ったほうがいい。僕は帰るよ。」 つくし「ありがとう。」つくしはもう一度類にお礼を言った。
美作「司・・・」電話をきった司の肩にそっと手を置いた。 司「これで牧野も少し肩の荷が下りたかな。」 美作「ちょっと間違えてたけど、さっきのことわざといい、今の言葉といい、司、成長したな。おまえの口からそんな言葉を聞けるとは思ってなかったよ。」 司「あきら!人のこと、バカにするな。」 美作「悪い。ついつい本音が。」そう言って、つかさにギロっと睨まれた。 司「あきら、おまえからそうじろうに言っといてくれ。牧野は大丈夫だって。」 美作「ああ、分かった。電話しとく。司、飲みに行くか?」 司「いいな。」こうして、二人はニューヨークの雑踏へと消えていった。
★★ 滋の告白 ★★
滋「珍しいわね。西門から誘ってくれるなんて。どうしたの?」 ここはいつものバー。来客中の滋を無理に呼び出した西門だった。 西門「ちょっと話があるんだ。」 滋「話し?」真剣な西門の顔を見て、滋は少しどきどきしていた。 もしかして・・・と期待を膨らませている滋の心は無残にも打ち砕かれた。 西門「牧野のことだ。ちょっと無理してるんじゃないのかと思って。」 滋「つくしのこと?つくしなら大丈夫だよ。だってあの雑草パワーのつくしだよ。」 西門「雑草でも水がなけりゃ枯れるだろ。おまえ、もうちょっと牧野のこと、分かってるって思ってたよ。」 滋「どういうこと?私がつくしのこと、分かってないっていうの?」 滋の目から涙がこぼれた。 まさか滋が泣くとは思ってもいなかった西門は動揺した。 西門「滋、泣くな。おまえを責めてるわけじゃないんだ。ただちょっと牧野が疲れてるみたいだから、心配になって。」 滋「やっぱり西門はまだつくしのことが好き |
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ゆきっち |
2006/05/16 10:48:46 |
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滋「やっぱり西門はまだつくしのことが好きなんだね。」 西門「誰もそんなこと言ってないだろ。さっき軽いめまいをおこして倒れたから、心配してるんだ。」 滋「私のことは心配してくれないんだ。頑張ってるのに何も言ってくれないんだ。」 つくしの様子が気になるのに、口から出た言葉は違うものだった。 大好きなつくしに嫉妬している自分を滋は許せなかったが、あふれ出る西門への思いはどうしようもなかった。 滋「私とつくしが溺れてたら、真っ先につくしを助けるんでしょ!」 西門「おまえ、何わけのわかんないこと言ってるんだ。」 滋「だって、私、西門のことが好きなんだもん!」 ついに、滋は告白をしてしまった。 あの大胆だった滋はどこへやら、耳まで真っ赤に染まった。 西門も滋の気持ちは知っていたがこの場面で面と向かって告白されるとは思っていなかったので、正直焦ってしまった。 西門「急に、な・何言ってんだ。」百戦錬磨の西門らしからぬ態度だった。 滋「ごめん。今のことは忘れて。それじゃ。」 顔を真っ赤にした滋は、西門を見ることなく足早に店を出て行った。 西門は、グラスのビールを一気に飲み干した。
一晩ゆっくり眠ったつくしは、いくぶん元気を取り戻したようだった。 久しぶりに聞いた司の声で、気持ちは晴れ晴れとしていた。 お店にいくと、つくしとはうって変わって、元気のない滋が待っていた。 つくし「滋さん、おはよう。」 滋「おはよう・・・」小さな声で言った。 つくし「滋さん、どうしたの?具合でも悪い?熱は?」 滋「ごめん。つくし。」そう言って、急につくしに抱きつき、滋は泣き始めた。 つくし「ど・どうしたの?」 滋「仕事が面白くって、つくしが疲れてるのにも気が付かなくってごめん。友達失格だね。ごめんね。」 つくし「私の方こそ、ごめん。友達ならちゃんと言うべきだったのに・・・」 滋「ううん。私が悪いの。ごめんね。」 つくし「もうやめよ。きりがないから。どっちも悪かったことで手うたない?」 滋「手うつ。」ぐすんぐすんと鼻をすすりながら、滋は返事をした。 つくし「私ね、弁当屋やめようと思うの。」 滋「いけないよ、そんな |
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ゆきっち |
2006/05/16 10:50:26 |
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滋「いけないよ、そんなの!私がやめるよ。」 つくし「ううん。せっかくいっぱい頑張ったんだから、滋さんは続けなきゃ。店は道明寺が戻ったら、あいつに頑張ってもらってまた始める。そう決めたの。」 滋「つくし・・・」 類「もう終わった?」 つくし「類!急に出てこないでよ。びっくりするじゃない。いつからそこにいたの?」 類「ちょっと前から。あ~眠い。こんな朝早く起きたの久しぶりだよ。」 つくし「で、こんな朝早く何のご用ですか?」 類「ん?そうだった。店のことなんだけど、無理に止めなくてもいいんじゃないかなって。」 つくし「昨日と言ってること違うじゃない。」 類「牧野はやめるんだ。」 つくし「言ってることが分かんないんだけど。」 類「牧野はケータリングに専念してお店の方は、この人たちに任せたらどうかなと思って。」 そう言って類がつれてきたのは・・・
★★ 適材適所? ★★
類がつれてきたのは、つくしのママとパパだった。 ママ「つくし、水臭いじゃない。そんなに困ってたのに、どうしてママに相談してくれなかったの!」 どちらかというと、いつも相談を持ちかけていたのは、ママのような気が・・・とつくしは思ったが、何も言わなかった。 パパ「そうだぞ。つくし!おまえにはパパとママがついてるじゃないか。」 類はパパとママに連絡をとって、弁当屋のことを話したようだった。 タイミングよくといってはいけないが、パパは豪華客船のあとついた仕事も首になり、今は失業中だった。 つくし「でもママ、料理の方は大丈夫なの?」 ママ「任せてちょうだい。今までは節約節約で、料理の腕を振るうことが出来なかったけど、実はプロ級なのよ。」後ろに倒れそうなくらいふんぞり返ってママは言った。 つくし「ほんとに?」 パパ「ほんとだぞ。船の厨房でも作ってたんだぞ。」 二人の話は眉唾ものだったが、今は信じてみようと思った。 少々不安は残るものの、類の提案で、弁当屋はつくしのパパとママが引き継ぐこととなった。
年も開け、弁当屋もケータリングも順調にいっていた。 ママの話はまんざら嘘ではなかったようで、弁当屋は予想以上に繁盛していた。 |
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ゆきっち |
2006/05/16 10:51:09 |
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パパもよく働き、一家の主として、少し威厳が出てきたような気がする。 ケータリングもつくしの発案で、飾り付けや、テーブルのセッティングなどパーティ全てをコーディネートするようになった。 これが台湾の人にうけたのか、台北以外のところからも依頼が舞い込むようになっていた。 前にも増して忙しくなったが、滋が従業員やアルバイトを増やしてくれたので、つくしの負担は軽くなった。 その代わり、副社長の肩書きをつけられた。 つくしはあまり気はすすまなかったが、肩書きだけと割り切って、他の従業員と何の変わりなく働いた。 季節は司の誕生日も過ぎ、春が訪れようとしていた。
春になっても、司が帰ってくる気配はなかった。 つくしの周りは、司がいない以外、すべて順調にいっていた。 和也とミミは、この春帰国の予定だったが、もう一年留学を延長すると、つくしは手紙をもらった。 二人とも元気なようで一安心だった。 美作はシノが長期の演奏旅行に出かけたようで、少し寂しい思いをしているようだ。 滋さんは、告白したことにより何かが吹っ切れたのか、前のように悩むことはなくなった。 今は仕事が一番よと笑って言っていた。 西門はそんな滋とは反対に、告白されてから滋を少しずつ意識し始めていた。 プレーボーイの西門は、ゆうきといい滋といい、一途に思いをぶつける子に弱いようである。なんとも恋のタイミングは難しい。 類は、つくしのパパとママを連れてきた少し後に日本に行ったきり、帰ってきていない。 メールを送っても手紙を書いても、返事がこない。 電話をしても、忙しいのか、すぐに切ってしまう。 ほんと失礼なやつとつくしは少し怒っていた。 春も終わり、暑い台湾の夏がやってきた。
つづく |
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あい |
2006/05/16 18:40:17 |
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流星雨の野口さんの気持ちせつないわ・ 類のことも好きだったのね。類といい関係になるのかな~? 類はつくしを少しは,忘れられるかしら・・
ゆきっちさん 流星雨も3もどっちとも,気になるわ~
今日の流星3はこれから時間つくって読みたい~ 夕飯つくらねば~読みたい~つくらな~・・・ |
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あい |
2006/05/16 18:44:07 |
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(メッセージは削除されました) |
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よっしー |
2006/05/16 22:17:38 |
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ゆきっちーー!!!! 更新ありがとう!!!!!
楽しみにしとるよぉぉぉぉぉぉん♪ |
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ゆきっち |
2006/05/17 09:09:39 |
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あいちゃん おはようございます。 切なさ伝わりました? 頭の中で妄想が交差して、話がうまくつながってるか心配しております。
どっちとも楽しみにしてくれて、ありがとう!!! |
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ゆきっち |
2006/05/17 09:10:08 |
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よっしー隊長!!! 読んでくれて、ありがとう!!! |
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ゆきっち |
2006/05/17 10:07:07 |
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出来立てホヤホヤの流星雨、更新いたします。
それでは早速、 勝手に妄想小説 『 流星雨 花沢類篇 』No.41
★ 覆水の行方は?
あれやこれや考えていて、類が目覚めたのは、次の日のお昼近くだった。 急いで身支度を整え、家を出たが、総二郎の誕生日パーティーには、見事に遅れてしまった。 みんなの冷たい目の中、総二郎の誕生日パーティーは始まった。 類の暗い気持ちとは裏腹に、パーティーは楽しく進行していった。 滋のいう重大発表は、総二郎と滋のばればれの交際宣言だった。 滋はみんなの反応にがっかりしているようだったが、類は滋のがっかりした顔やあわててフォローしているつくしの顔を見ていると妙にホッとした。 パーティーも中盤にさしかかったころ、類はつくしがいつもと違うのに気がついた。 どこがどう違うといわれれば難しいが、ずっと見つめてきた類だけが、つくしの異変に気がついたのだ。 類「牧野、何かあったか?」つくしに言った。 つくし「何?突然。何にもないよ。飲み物足りないね。取って来るね。」 つくしは驚いたように、類から顔を背け、部屋から出て行った。 類がつくしの後を追いかけようとした時、美作がそれを止めた。 美作「類、牧野をそっとしといてやってくれ。後で全部話すから。」 類「あきら。おまえ何か知ってるのか?」 美作「パーティーが終わってから話すよ。だから、今は牧野に何も聞かないでやってくれ。」 類は釈然としなかったが、美作の真剣な顔を見て、それ以上何も聞こうとしなかった。
その夜、あきらから渡された新聞記事には、司の婚約をほのめかす記事が載っていた。 このせいで、つくしの様子がおかしかったのだ。 離れていてまでも、つくしのことを苦しめる司に少し怒りを覚えたが、顔にはいっさい出さなかった。 この夜飲んだお酒は、味もなく苦いお酒になった。 おそらく他の二人もきっと同じだったことだろう・・・
次の日のお昼過ぎ、類は事務所を訪ねた。 類「滋。牧野ちょっと借りる。」そう言って、つくしを連れ出した。 つくし「どこ行くの?」 類「・・・」類はつくしの問い |
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ゆきっち |
2006/05/17 10:07:55 |
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切れちゃいました。続きです。
類「・・・」類はつくしの問いかけには答えなかった。 つくし「ここは・・・」 類がつくしをつれてきたのは、英徳の屋上だった。 類「おもいっきり叫べば?」 つくし「類・・・」 類「すっきりすると思うけど。」 つくしは少し戸惑ったが、心を決めたようにうなずくと、大きく息を吸った。 そうして大きな声で叫んだ。 つくし「道明寺のバカヤロー!何やってんのー!早く帰ってこい!このタコ!」 類「すっきりしたか?」 つくし「まだまだ。あんなきれいな人と噂になるなんて、このすけこましー!でも信じてるから、早く帰ってこーい!会いたいよー!」 最後の言葉がつくしの今の素直な気持ちだったのだろう、つくしの目から涙があふれでた。 類「いくらかすっきりした?」 つくし「花沢類・・・」 泣いているつくしに類は黙って肩をかした。
類「どう元気出た?」 つくし「うん、ありがとう。類も叫んだら?」 類「ぼくが?」つくしの問いかけに幾分びっくりした。 つくし「類も少し元気がないみたいに見える。叫んだらすっきりするよ。」 類「そうか・・・でもやめとくよ。ぼくには羞恥心ってものがあるからな。それに牧野みたいにそんな大声が出ないから。」 つくし「何?私には羞恥心がないっていうの!ひどいこというのね。」 つくしは怒ったように類をにらみつけたが、目は笑っていた。 つくし「行こうか。」屋上から出ようとしたつくしに、類が話しかけた。 類「なあ、牧野。日本には『覆水盆に返らず』ってことわざがあるんだ。」 つくし「『覆水盆に返らず』? 何、それ?」 類「入れ物からこぼれてしまった水は元には戻すことはできないって意味なんだ。」 つくし「日本のことわざって難しいのね。さっぱり分かんない。」 類「大事なものは手放してしまったら、元には戻らないって意味らしいんだけどな。」 つくし「私ならこぼれた水がそんなに大事なものだったら、雑巾で吸い取ってまた入れ物に戻しちゃう。」 類「牧野、おまえってつくづく貧乏性だな。」 つくし「失礼ね~。だってもったいないじゃない。それに大事なものをすぐ |
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ゆきっち |
2006/05/17 10:09:07 |
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またまた切れちゃいました。続きです。
つくし「失礼ね~。だってもったいないじゃない。それに大事なものをすぐにあきらめちゃうなんて、私できない。」 類「おまえらしいよ。」 つくし「それって誉められてるのかな。」 類「最後にもうひとつ。昔の彼氏って忘れられないもの?」 つくし「それって私に対する嫌味?」つくしは類の顔をギロっと見た。 類「そういうわけじゃないよ。一般論を聞いてるんだ。」あわてて類は言った。 つくし「一般論ね~。そういう人もいるかもしれないわね。前の彼氏がよっぽど素敵な人とか、嫌いで別れたんじゃないとか。」 類「そうか・・・」 つくし「類だって、静さんのこと、忘れられないというか嫌いにはなれないでしょ?」 類「ああ。」牧野のこともなと類は心の中で思った。 類「だったら、新しい恋なんてできないんじゃ?」 つくし「私に聞くより、西門とか美作に聞いたほうがいいんじゃないの?」 類「牧野の意見がききたいんだ。」 つくし「私の意見ね。まあ、参考にはなんないと思うけど。無理に昔のことを忘れることはないと思うの、それ以上に愛せる人が出てくるんじゃないのかな。恋って理屈じゃないから。」 類「牧野の口からそんな言葉が聞けるなんて思わなかったよ。」 つくし「人に意見求めといてなんでそんなこと言うのよ!」 類「ごめんごめん。」 つくし「花沢類、何かあったんなら話して。何でも聞くから。」 類「何でもないよ。一般論だって言ったろ。」 つくし「でも・・・」 類「さあ、送るよ。仕事があるんだろ。」類はつくしに何も言わなかった。 つくし「そうだ!急いで戻らなきゃ。滋さんが心配してる。」 二人は屋上を後にした。 類のこぼれ出た想いは、いったいどうなってしまうのだろうか・・・
つづく |
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ゆきっち |
2006/05/17 10:11:26 |
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続きまして、流星3でございます。
それでは早速、勝手に妄想『 流星花園3 』はじまりはじまり~
★★ 空のかなたに ★★
「おめでとう!!」 つくし・滋「ありがとう。」 つくしと滋が始めたケータリングのお店はぐんぐん売上を伸ばし、事務所も手狭になったので、台北の中心に事務所をかまえた。 今日はその事務所の初日、仕事が終わってから、ささやかなパーティーをやっていた。 みんながお祝いに駆けつけてくれた。 つくし「こうしてみんなが集まるのって久しぶりだね。」 滋「そうだね。そうだね。なんだか楽しいね。」滋ははしゃいでいた。 美作「類も生きてるって分かってほっとしたよ。」 類もこの日にあわせて、帰国してくれていた。 類「ちゃんと生きてるよ。」 西門「だったら、電話の一本でも掛けろよ。あ、滋、あれとってくれ。」 類「おまえたち、何か雰囲気変わったな。」 西門「何、言ってんだよ。」 鋭い類は、西門と滋の関係を感じ取っていた。 二人は少し前から、正式に付き合っていた。 しかし、道明寺家までとはいかないまでも、西門も滋の家も台湾の名家にはかわりはない。 騒ぎになっては困るので、付き合っていることは内緒にしていた。 つくし「私もおかしいと思うんだけど、何にもないって言い張ってるの。ぜったい怪しいよね。」つくしもまた、自分のこと以外には敏感である。 滋「私たちのことはいいから。飲もう。ね。」 美作「ごまかすところが怪しいな。」 西門「あきら!」美作は西門ににらまれ、口を閉じた。 ひさしぶりの再会にみんな時間も忘れて、楽しい時を過ごした。 つくしは自分の携帯電話がなっていることに気がつかなかった。
トントン。つくしはドアをノックした。 「どうぞ。」中から返事が返ってきた。 つくし「お久しぶりです。お加減いかがですか?」 誠「急に呼び出したりしてすまないね。」 少しやせてはいたが、誠は血色もよく元気そうに見えた。 つくし「いいえ。お元気そうでなによりです。いつ、台北に?」 誠「一週間ほど前に静養とリハビリを兼ねてね。」 つくしの携帯電話に誠から電話がか |
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ゆきっち |
2006/05/17 10:12:01 |
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つくしの携帯電話に誠から電話がかかってきたのは昨日のことだった。 誠「私のために、司と君を引き離すようなことになってしまって、すまなかったね。一度、謝っておきたくってね。」 つくし「謝るだなんてとんでもない。私は何もしてません。頑張ってる道明寺じゃなくって司さんをおおいに誉めてあげてください。」そう言って、つくしは笑ってみせた。 誠「君と話してると元気が出てくるよ。」 つくし「よく言われます。」つくしは真剣な顔をして言った。 二人は顔を見合わせて、同時にふきだした。 誠「久しぶりに笑ったような気がするよ。」 つくし「病気のほうは?」 誠「移植手術をして一年が来るからね。体力のほうもずいぶん戻ってきたよ。」 つくし「そうですか。よかった。」つくしは心からそう思った。 誠「来年の春までには仕事に復帰できるんじゃないかな。その前に、君に聞いておきたいことがあるんだ。」 つくし「私に?」 誠「司のことだ。司も男だ、仕事をしていく上で、野望も欲も出てきただろう。もし、私が復帰した時、道明寺を捨てられなかったら、君の元に戻ってこなかったら・・・君はどうする?」 誠の質問は残酷なものだったが、つくしもそのことは考えていた。 誠「仕事のうえで成功すればするほど、のめりこんでしまう。一種の中毒のようなものだ。かつての私がそうだったように・・・そうやって私は愛する人も家族も失っていった。」 誠はつくしに言うというより、独り言のようにつぶやいた。 誠「私のせいで、もし君や司が愛するものを失ってしまったら・・・」 つくし「おじ様、司さんがもし戻ってこなかったとしても、それはおじ様のせいではありません。」 誠「けれど・・・」 つくし「司さんが仕事を選ぶのなら、それは仕方がないことです。仕事の楽しみは私も知ってますから。まだ中毒にはなってませんけど!」 誠「君って子は・・・」 つくし「おじ様、つくしって知ってますか?雑草でどんなに踏まれても春には芽を出すんです。しぶといんですよ。だからしつこく司さんを追っかけちゃうかもしれません。たとえ別れるようなことになっても私は大丈夫ですから、心配しないでください。」つくしはそう言って胸をぽんっと叩いた。 誠「つく |
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ゆきっち |
2006/05/17 10:13:34 |
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誠「つくしちゃん・・・」 つくし「初めて名前で呼んでくださいましたね。おじ様は自分のことだけ考えて、病気を治すことが一番ですから。」 つくしは病院からの帰り道、空を見上げて、司のことを想った。
★★ 幸せな二人 ★★
滋「待った?」 西門「俺もさっき来たところだ。」 二人はいつものバーに来ていた。 滋「仕事のほうは?もういいの?」 西門は大きなプロジェクトをかかえていて、ここ最近は会社に泊まることもあった。 西門「ああ。やっと終わったよ。お前の方は?」 滋「いたって順調!仕事と私はね。」 西門「仕事と私は?何だそれ?牧野に何かあったのか?」 滋「まだつくしのことが心配?」 西門「バカか。」 滋「冗談冗談。そんなに怒んないで。最近、元気がないんだ。疲れてるってとかじゃなくて、ぼーっとしてることがあるんだよね。」 西門「どうしたのかな。何かあったのかな。後で類とあきらに電話してみるよ。」 西門は滋といるときは、極力つくしのことを話さないようにしていた。 西門「じゃそろそろ行くか?」 滋「どこに?」 西門「この前、映画が見たいっていってただろ?」 滋「覚えててくれたんだ!」 昔の西門とは大違いで、滋との交際は、美作の言うところのお子ちゃまの付き合いだった。 それが少し物足りない滋ではあったが、今はこの関係を楽しむことにした。 西門は紳士らしく、助手席のドアを開け、滋をエスコートした。 車に乗り込むと、西門は静かに車を発進させた。 西門「なあ、滋?」西門は前を見たまま滋に話し掛けた。 滋「何?」 西門「そろそろみんなに俺たちのこと、話そうと思うんだ。」 滋「え!」 西門「牧野や類やあきらには話しておいたほうがいいと思うんだけど、おまえはどうしたい?」 滋「ほんと、みんなに言っていいの?」 西門「ああ。ほとんどばれてるけどな。あ、そこ開けて、CD替えてくれ。」 滋が車のダッシュボードを開けると、そこにはCDではなく、ひとつの箱が入っていた。 滋「CDないよ。箱は入ってるけど。」 西門「おまえ、牧野の鈍感病がうつったんじ |
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ゆきっち |
2006/05/17 10:14:10 |
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西門「おまえ、牧野の鈍感病がうつったんじゃないのか~」 西門は大きなため息をひとつついた。 西門「その箱、開けてみろよ。」 滋は西門に言われるまま、箱を開けた。 滋「!」中には、ダイヤの指輪が入っていた。 滋「もらっていいの?」 西門「要らないんならいいけど。」 滋「心臓が止まるかと思った。びっくりした~。付き合おうかって言ってくれたときもびっくりしたけど、それ以上にびっくりした。」びっくりを連発しているところをみると、よっぽど驚いたのだろう。 西門「まだ約束は出来ないけど、おまえのことは真剣に考えてるから。」 滋はその言葉を聞いて、運転中の西門に抱きついた。 西門「このばか、止めろ!危ないだろ!」 車はしばらく蛇行運転が続いた。
つづく |
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あい |
2006/05/17 14:41:16 |
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ゆきっちさん こんにちは 雨ですね~明日は晴れるのかしら? なんとプロポーズ(ちがうかしら?)滋と西門が くっついちゃったのね~ 明日は孝天、とエルサ(ミッシェル?)くるのか~ それにしても、関東は遠いぃね~ |
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Rabbit |
2006/05/17 22:57:43 |
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ゆきっち~!! 今日、3読んでたんだよ!! 類編が、やっと3と繋がった湾!! でも、このまま奏と類は、終わっちゃわないよね!!??? うまく行って欲しいわ~ε=ε=(ノ≧∇≦)ノ |
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moto |
2006/05/18 13:57:38 |
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ゆきっちさん おひさしぶりです~!!! しばらく、更新がなかったので、心配しておりました~。お元気になったようでよかった♪
・・・で、結局、司とつくしは×××なのね~!呪われてる?! でも、ホッとしたような、寂しいような~デス。
滋と西門も大きく進展してて、なんか「いいぞ~!!!」って感じですね。みんな幸せになってるから、西門にも類にも幸せになってほしいなぁ。つくしは・・・後に幸せが必ず来る!と信じてマス。 類・・・奏・・・加油~!!! 今日もおなかいっぱいに・・・ありがとうございましたー。続きを楽しみにしてますね~(^0^)/~ |
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ゆきっち |
2006/05/23 10:48:08 |
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皆さん、お久しぶりでございます。 私、不覚にもまたまた風邪をひいてしまいました。 最近よく風邪ひくんですよね。年かしら? 皆さんもお気をつけ遊ばせ~。 |
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ゆきっち |
2006/05/23 10:49:55 |
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★あいちゃん 雨ですね~。小学校までちょっと遠いので、お仔がかわいそうです。 あいちゃん家はどう? 西門と滋のハッピーエンドはまだちょっと先のことかな? |
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ゆきっち |
2006/05/23 10:50:54 |
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★ラビさん 昨日はどうもありがとでした。楽しかったよん。 類と奏の恋の行方はいずこへ~。 |
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ゆきっち |
2006/05/23 10:52:59 |
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★motoさん お久しぶりで~す。 ごちそうさまなんて、こちらこそおそまつさまでした。 またまた体調が悪くて、あまり更新できませんが、気長に読んでくださいね。 |
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ゆきっち |
2006/05/23 10:54:27 |
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本日も妄想劇場のはじまりはじまりです。
それでは早速、 勝手に妄想小説 『 流星雨 花沢類篇 』No.42
★ やっぱりやる男?
司「牧野!見てるか?もうすぐ戻るからな。首洗って待ってろ!」 美作「司・・・首洗ってじゃないだろ。牧野は敵か?」 美作は電光掲示板の司に軽い突っ込みを入れた。 西門「うれしそうな顔して。公共の電波使って愛の告白か?」 西門と美作はつくしを見た。 つくし「私のほう見ないでよ。私が言ったんじゃないんだから。」 西門「相手の名前まで間違うくらいだ。ただの噂だったってわけだ。」 美作「司があんな演技できるとも思わないし。良かったな。牧野。」 つくし「だから言ったでしょ。あいつにそんなことできるわけないって。」 類「司らしいいよ。首洗って待ってろって。」 類はそう言うと笑い始めた。どうやら司の言葉がつぼにはまったらしい。 今の類には司の言葉は、つくし以上に安心させられた。 どんない時がたったって、司の変わらない愛情が類はうらやましかった。 その夜、類は司にひさしぶりに電話を掛けた。 司「類か?元気か?」 類「ああ、元気だ。司も元気そうで良かったよ。」 司「テレビ、見たか?」 類「見た。あきらも総二郎もいっしょだったよ。ついでに牧野も。」 司「喜んでたか?」電話の向こうから、司のうれしそうな声が分かった。 類「牧野か?」 司「当たり前だ。他に誰がいるんだ。で、俺のこと、何か言ってたか?」 類「喜んでたというか、あきれてたかな。」 司「あきれてた!俺が愛の告白してやったのに。」 類「愛の告白?あれが?司、自分が名に言ったか分かってる?」 司「別に普通に・・・」急に司がしどろもどろになった。 類「あの場合、首洗って待ってろじゃなくて、首を長くして待ってろじゃないかな?」 司「!」どうやら自分の言ったことに気がついていなかったようだ。 類「やっぱり気がついていなかったんだ。」 司「ジョ、ジョークだよ。ワハハ。当たり前じゃないか。」どうもぎこちない。 類「司の気持ちは牧野に十分届いてるよ。」 司「あ |
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ゆきっち |
2006/05/23 10:55:24 |
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切れちゃいました。続きです。
司「ああ。まだもう少し時間がかかるけど、牧野のこと、頼んだぞ。」 類「ああ、分かってるよ。僕も首を洗って待ってるから。」 司「類!」 類「なあ、司。」 司「なんだ。」 類「日本には『覆水盆に返らず』ってことわざがあるんだ。」 司「『吹く水盆に帰らず』? 何だ、それ?」 類「『覆水盆に返らず』だ。入れ物からこぼれてしまった水は元には戻すことはできないって意味なんだ。」 司「変なことわざだな。」 類「大事なものは手放してしまったら、元には戻らないって意味らしいんだけどな。司だったらどうする?」類はつくしに聞いたことを司にも聞いてみた。 司「俺だったら?」 類「そう、もし司が入れ物から水がこぼれてしまったとき、どうする?」 司「難しいこというなあ。俺だったら、水がこぼれるような入れ物、ぶっ壊して、新しいのにかえる。」 類「そうじゃなくって、たとえ話だ。気持ちの問題。もし大事なものを手放してしまったら?」 司「大事なものは絶対手放さねぇ。そんなことはありえない。」 類「司らしいや。」 司「大事なものをすぐにあきらめるなんて、俺にはできないからな。」 類「なんだかんだ言ったって、牧野と同じこと言ってる。」 司「牧野といっしょ?俺といっしょのこと言ったのか?」またまたうれしそうな声が聞こえてきた。 類「はいはい。」 司「おまえの言うこと、よく分かんねーけど、何かあったらいつでも言えよ。たまには何も考えずに行動してみろ。」何も分からないといいつつ、的を得た答えを言うとは、やはりこの男やる男である。 類「そうだな、たまには司みたいにまず行動っていうのもいいかもな。」 司「類!」 類「必ず、牧野のところに戻ってこいよ。」 司「ああ、分かってる。あいつが嫌だって言ったって戻ってやるよ。」 類「じゃあ。」 司「ああ。」 類は静かに電話を切った。 もうすぐ慎吾が亡くなって二年の月日が流れようとしていた。
つづく |
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ゆきっち |
2006/05/23 11:02:43 |
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なぜか長文が送れなくなってしまった。 流星3が~、更新できないよ~。 また調子が戻ったら更新しますね。 すいません。。。 |
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ひさりん |
2006/05/23 16:01:10 |
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ゆきっちさん ゆっくり休んで 体調整えてくださいね。
首を洗って まってます。爆 |
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あい |
2006/05/23 18:32:58 |
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こんにちは、更新ありがとう~ ふふ、司ならではの,愛の告白ですね。。
雨でお子ちゃん大変だったね。。遠いと母は心配だね。 うちは、学校は家の裏だからいいけど、 幼稚園の方が離れてて~きょうは,路線バス30分待ったよ~ひい~ だいぶバスが遅れてたみたい。 なんだか,雨が最近多いね。 |
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teramama |
2006/05/25 07:35:48 |
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ゆきっちさん おはよ~ お久しゅうございます。 ず~っと、静かに読んでました。 そんでもって、昨日から流星Ⅲ続けて読んでしまいました。 いかったです~ 最高です~ 体調に気をつけて、ぼちぼちやってくださいね~
類編もちゃんと読んでますよ。 でも、ジェリ~~~ |
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moto |
2006/05/25 23:01:38 |
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更新ありがとうございま~ス~! 風邪ですか~。このところ、暑かったり、涼しかったりなんで、体調気をつけてくださいね。 我ん家も学校から1kmほどあるので、子供がフラフラと帰ってくると30分はかかります。これから梅雨・・・。靴はビチャビチャですよね(T.T) |
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ゆきっち |
2006/05/30 12:28:07 |
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皆さん、こんにちは~。 コメントいただきながら、なかなかお返事できなくてすいません。 風邪が思った以上にひどくなり、その上、内職などを始めてしまったので、それと重なりパニックになっておりました。 ここを覗く間もないほど。。。 今日は内職もなく、体調もだいぶ良くなったので、ゆっくり執筆活動です。 けれど、このPCの調子もあまりよくなく、長文が送れないんですよね。 今日はどうかな? 送れること祈ってってくださいね~。 |
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ゆきっち |
2006/05/30 12:31:11 |
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それでは早速、 勝手に妄想小説 『 流星雨 花沢類篇 』No.43
★ 過去への扉
類は日本に戻った。 奏のことは気になってはいたが、昔の恋人を忘れられない彼女を追いかけるほどの気持ちは今の類にはなかった。 なんとなく日常が過ぎていき、明日は慎吾の命日という日、類の元を一人の女性が尋ねてきた。
阿川「部長、お客様がおみえですが、いかがいたしますか?」 類「客?」 阿川「看護士長の森本様とおっしゃる方なんですが」 類「ああ、その方なら知ってるよ。ここに案内して。」 程なくして、看護師長の森本が阿川に連れられて類のところにやってきた。 類「オヒサシブリデス。」 森本「お久しぶりです。突然押しかけてしまってすいません。」 類「イイエ。キョウハ、ナニカゴヨウデショウカ?」 森本「あなたに聞きたいことがあってまいりました。」 類「キキタイコト?」 森本「はい。野口さんの居場所をご存じないかと思って。」 類「ボクガ?ノグチサンヲ?」 森本「はい。」 類「ノグチサンニナニカアッタンデスカ?」 森本「少し前までは連絡を取り合っていたんですが、最近連絡が取れなくなって。お家の方にも連絡したんですが、帰っていないって・・・ 電話か何かもなかったですか?」 類「イイエ。ボクニハナニモ。」 森本「そうですか・・・ いったいどこに行ってしまったのかしら・・・」 不安そうな森本の顔が気になり、類は台北で会ったことを話した。 森本「かつて愛した人!会いに行くって!」 森本は驚き、その顔は見る見る青ざめていった。 類「ドウシタンデスカ?キブンガワルインデスカ?」 森本は類の声が耳に入っていないのか、返事をしなかった。 類「モリモトサン?」 森本「ごめんなさい。どうしたらいいか分からなくって。」 類「ダイジョウブデスカ?」 森本「ええ。野口さんは確かにかつて愛した人のところに会いに行くと言ったんですね?」 類「ハイ。」 森本「会うことはできないんです。野口さんの恋人はすでに亡くなっているんです。」 類「!」今度は類が驚く番だった。 |
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ゆきっち |
2006/05/30 12:32:36 |
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ちょこっと切れちゃいました。
類「ソレハドウイウコトデスカ?」 森本「お話するつもりはなかったんですが、あなたにはお話しておいたほうがいいかもしれませんね。」 そう言って、森本は奏の過去を話し始めた。
つづく |
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ゆきっち |
2006/05/30 12:38:49 |
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(メッセージは削除されました) |
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ゆきっち |
2006/05/30 12:43:09 |
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やっぱり流星3が送れないどうしてだろう? いいところなのに・・・ 流星3ファンの皆様~、すいません。。。 |
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ゆきっち |
2006/05/30 12:50:18 |
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(メッセージは削除されました) |
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のりこ |
2006/05/30 20:10:03 |
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ゆきっちさーん 頑張って~! 流星3も楽しみだから・・・
もしかしたら使用できない字とか言葉があるのかもよ。 以前私も何で?何で?っていうことあったから読み直して見てね。 |
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あい |
2006/05/31 00:18:34 |
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ゆきっちさん 更新ありがとう!! 風邪と仕事で忙しいね。 また調子よくなったら、楽しみにしてますね^^ |
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Rabbit |
2006/05/31 08:32:35 |
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ゆきっち おはよ~~!! 無理しないようにね!!
いよいよ奏の過去が、・・・・・U。-ェ-。U。oO(想像) 気になる~~~!!! |
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ゆきっち |
2006/06/05 09:37:45 |
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のりこさん アドバイス、ありがとうございます。 いろいろやってみてるんですが、どうしてでしょう? ルビとかもとって、とりあえず、だめっぽい言葉はないような気がするんですが、もう少しよく見てチャレンジしてみますね。 |
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ゆきっち |
2006/06/05 09:38:51 |
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あいさん やっと復活です。 お仕事のほうは、慣れてないので、まだ大変ですが、ぼちぼちがんばります。 ご心配掛けました。 |
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ゆきっち |
2006/06/05 09:40:17 |
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ラビさん おはようございます。 風邪はなんとか治りました。仕事のほうはまだ慣れてないので手に豆ができて大変です。 流星雨の方は何とか送れるかな? このあとチャレンジしてみます。 |
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ゆきっち |
2006/06/05 09:46:38 |
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皆さん、おはようございます。 流星雨はちゃんと更新できるかしら?
それでは早速、 勝手に妄想小説 『 流星雨 花沢類篇 』No.44
★ パンドラの箱
森本「野口さんが看護師になってまもなくの頃だったかしら、あの頃は私も野口さんも内科にいたの。内科に一人の青年が入院してきたの。名前は確か・・・金城 心さんだった金城さんは台湾の方で、日本の親戚の方を頼ってこちらにこられて、働きながら音楽の勉強をしてるって言ってらっしゃたかしら。あなたも病室にヴァイオリンを置いてらっしゃたでしょ?彼も古ぼけたヴァイオリンを大事そうにいつもベッドの横に置いていたわ。ずいぶん前から心臓が弱っていたようなんですが、無理をされて、入院されたときは病状はかなり悪化されていました。ちょうどあなたと仲の良かった宮沢慎吾くんのように後は移植手術をすりしか回復の見込みはありませんでした。そんな病状とは裏腹に彼はとても明るい人で、野口さんともすぐ仲良くなったようです。初めは恋愛感情などなかったようですが、年も近かったのもあったのかしら、いつしか二人は愛し合うようになりました。本当は一人の患者に特別の感情はもってはいけないんですが・・・ 二人の一生懸命な姿を見ていたら、私は何も言えませんでした。彼は日に日に弱っていきましたが、金銭的な問題で移植手術を受けることはできませんでした。そんな時、日本にいた親戚の方やお友達の方が発起人となり、募金運動が始まりました。音楽の勉強をしていた頃の仲間やファンの方などの募金で渡米資金はあっという間に集まりました。彼の人徳かしらね。いよいよ来週渡米という時、突然そのお金が消えてしまったんです。」 類「キエタ?」 森本「はい。突然に。どうやら日本にいた親戚の方が持ち逃げしたようで・・・ 本当は罪になるところを彼はその人をかばって、お金は貸したのだと言い張りました。金城さんとお金を持ち逃げした人はとても仲が良かったらしくて、親戚という以上に大親友だったみたい。だから警察にも連絡しなかったようです。」 類「ソンナ・・・」 そういえば以前、奏が患者さんの話だと言って話したのは、彼のことだったのだ。 森本「彼はその後、病状が悪化し亡くなってしまいました。亡くなるまで、恨み言ひとつ言わずに、最後まで明るく |
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ゆきっち |
2006/06/05 09:47:28 |
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切れちゃいました。続きです。
森本「彼はその後、病状が悪化し亡くなってしまいました。亡くなるまで、恨み言ひとつ言わずに、最後まで明るく、とてもいい青年でした。どうしてあんないい子が・・・不幸な中の死でしたが、唯一の救いだったのは野口さんに見守られて亡くなったことかしらね。その後、野口さんは来る日も来る日も泣いて、彼の後を追って亡くなってしまうんじゃないかと思うくらい落ち込んでしまって。それがある日突然泣かなくなったの。それと同時に笑顔も見せなくなった。よく笑うとても明るい子だったのに、その日から感情を表に出さなくなった。彼女の精一杯の防衛反応だったのかもしれないわね。」 類は思った。康子の時のように、自分も誰かを恨むことによって悲しみを忘れようとしたのではないだろうか?渡辺に言った、「自分もそうだったからという」言葉はこのときのことを言っていたのではないのだろうかと・・・ 森本「あなたに会ってから、彼女も少しずつ変わっていくように思えたんですが・・・神様も酷なことをするものね。小児科にお金を持ち逃げした人の子供が入院してきたの。野口さん、始めは必死に感情を抑えようとしていたけど、どうにもならなくなってしまって。」 類「ダカラ、ビョウインヲヤメタンデスネ。」 森本「そうです。看護師は辞めないようにといって、病院を辞めるのは許したんです。必ず、戻ってきてくれると信じて。なのに・・・ 彼に会いに行くというのはそういうことなんでしょうか?まさか!」 類「ボクガアッタカノジョハ、トテモイキイキシテイマシタ。ダカラ、アナタガカンガエテイルヨウナコトハナイトオモイマス。」 森本「そうでしょうか?彼女がどうしても彼のことを忘れられないということは最悪の事態も考えなくてはいけないのでは?どうか、私といっしょに彼女を、野口さんを探してください。お願いします。あなたなら彼女のことを救えるかもしれません。」 類「スイマセン。ボクニハデキマセン。カノジョヲスクウコトハデキマセン。」 森本「花沢さん・・・」 類「ノグチサンノコトハ、サガシマス。カノジョノイバショガワカッタラ、シラセマス。」 何か言いたげな森本を帰すと、類は窓から外の風景を眺めた。 類には、奏を受け止める自信がなかった。奏の過去を聞いた今、自分 |
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ゆきっち |
2006/06/05 09:48:08 |
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ちょこっと切れちゃいました。続きです。
類には、奏を受け止める自信がなかった。奏の過去を聞いた今、自分がそのすべてを知って、その上で彼女を包み込むことができるのだろうか? 自分は、それほど彼女を愛しているといえるだろうか? やはりこぼれ出た想いは、どこかに消えてしまい、もう戻ることはないのだろうか・・・
つづく |
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ゆきっち |
2006/06/05 09:52:43 |
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(メッセージは削除されました) |
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ゆきっち |
2006/06/05 09:59:52 |
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美作「いきなりよりショックが少ないかと思ってな。」 つくし「そう、ありがとう。このこと、みんなは?」 美作「いいや。まだだ。司には電話してるけど、ぜんぜんつながらない。」 つくし「そっか・・・今日は西門の誕生パーティーだから、みんなには心配掛けたくない。 このことは黙ってて。」 美作「でも・・・」 つくし「せっかく、滋さんが張り切ってるんだもん。明日になったらどうせ分かることだし、今日は内緒にしてて。お願い。」 美作「分かったよ。おまえがそうしろっていうんなら。」 美作は納得いかないようだったが、つくしの言う通りにした。 つくしはしばらくの間、その新聞記事を見ていたが、それをバックにしまうと急いで仕事に向かった。 今日は何も考えないようにしよう・・・ つくしはそう思った。 |
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ゆきっち |
2006/06/05 10:03:46 |
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パーティーは予定より、一時間遅れで始まった。 つくし「さあ、始めましょう。誰かさんが寝坊してこんな時間になっちゃった。」 類はそれが聞こえているのか聞こえてないのか、まだ少し寝ぼけた顔をしていた。 つくし「みんな、グラスをもって。乾杯の挨拶は、えーっと美作あきらさん、どうぞ。」 美作「それでは、西門そうじろうくん、誕生日おめでとう!乾杯!」 グラスの触れ合う音が、心地よく響いた。 「おめでとう!」みんなが西門に声をかえた。 西門「ありがとう、みんな。」 滋が西門に目で合図を送っている。 つくし「どうしたの滋さん?目にゴミでもはいった?」 西門はそんな光景を見て、少々呆れながらも口を開いた。 西門「みんな、ちょっと聞いてくれるか?あの俺と滋なんだけど、今付き合ってるんだ。」 滋「キャー。ついに言っちゃった。」 滋の反応とは裏腹に、みんなの態度は変わらなかった。 西門は予想していたのか、いつものポーカーフェイスを崩すことはなかった。 美作「で。」 滋「でって。みんな驚かないの?」 つくし「美作!何言ってるの。滋さん、そうだったんだ。おめでとう。よかったね。」 西門「牧野、下手な芝居はよせよ。」西門は表情を変えずに言った。 滋「つくしまで~」 つくし「ごめん。滋さんって嘘つけないでしょ・・・」 滋「みんなをびっくりさせようと思って今日まで黙ってたのに・・・」 類「ばればれだったな。」 つくし「類!」 美作「滋に重大発表があるって聞いてたから、婚約でもしたのかと思ってたよ。」 西門「いずれはな。」 美作「おまえもついに覚悟を決めるか。まあ、飲め。先輩として、俺がいろいろアドバイスしてやるからな。」 美作は西門にグラスのなみなみとビールを注いだ。 西門「結構!」 つくし「滋さん、本当によかったね。」 滋「私の魅力にやっと気付いたのよ。」この自信はいったいどこからやってくるのだろう。 つくし「そうだね・・・」 滋「司なら驚いてくれるかも。残念。ここに司がいたらよかったのに。ごめん、つくし。」 つくし「いいのいいの。あのバカなら、びっくりして腰抜かしちゃうかも。 |
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ゆきっち |
2006/06/05 10:04:58 |
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つくし「いいのいいの。あのバカなら、びっくりして腰抜かしちゃうかも。」 そんなみんなのやり取りを類は眺めていた。 滋とは対照的に冷静な顔をして座っている西門につくしは話し掛けた。 つくし「西門、あんたがこんなにまじめに交際宣言したの初めて見た。あんたも人並みに恋をするようになったんだ。」 西門「人を鬼畜みたいに言うな。」 つくし「私、誉めてんだよ。前のあんたはどこか人と距離をおいてて、恋愛も遊びとしか考えてなかったでしょ。最初なんて私を見る目、どこか冷たかった。まあ、あんたらみたいなお金持ちはしかたがないことかもしれないけど。でも、今はとっても人間くさくなった。やさしくなったっていうか・・・前もやさしかったんだけど、あったかくなったって言うのかな?」 西門「お褒めに預かり光栄です。」 つくし「まじめに言ってるんだよ。」 西門「親父とお袋のことがあったから、本気で恋愛するなんてばかげてると思ってたけど、おまえ見てたら、それもありかななんて思ってな。」 つくし「西門・・・これで仕事にも張り合いが出てきたでしょ。滋さんのためにも頑張んなきゃね。」 西門「ああ。」 西門は思った。つくしを好きな気持ちは決して消えない。形が変わり、愛とはいえなくなっても、友情に変わったとしても、つくしへの思いは消えない。 滋「西門!」 西門「なんだ?」 滋「なんだはないでしょ。さっきからずっと呼んでるのに。私、結構やきもち焼きだから、相手がつくしでも許さないからね。」 つくしの部分は西門だけに聞こえるような小さな声で言った。 西門「分かってるよ。」西門も司同様、尻に敷かれてしまいそうである。 類「牧野、何かあったか?」 つくし「何?突然。何にもないよ。飲み物足りないね。取って来るね。」 つくしは驚いていた。自分では何もなかったようにふるまっているつもりだったのに、類には気付かれてしまった。 類がつくしの後を追いかけようとした時、美作がそれを止めた。 美作「類、牧野をそっとしといてやってくれ。後で全部話すから。」 類「あきら。おまえ何か知ってるのか?」 美作「パーティーが終わってから話すよ。だから、今は牧野に何も聞かないでやってくれ。」 類は釈然としなか |
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ゆきっち |
2006/06/05 10:06:36 |
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類は釈然としなかったが、美作の真剣な顔を見て、それ以上何も聞こうとしなかった。
★★ 女帝の罠? ★★
西門「なんだよこれ!」 パーティーが終わった後、いつものバーにF3が集まっていた。 美作「俺にもさっぱり分からない。司とも連絡取れないし。」 西門「どうして早く言わなかったんだ。」 美作「おまえらには言うなって。牧野が。」 西門「俺たちに気つかってどうすんだ。」 美作「自分のことより人のことだからな牧野は。おまえと滋のことを思ってのことだろ。」 西門「変な気つかって・・・」そうはいっても西門にもつくしの気持ちは分かっていた。 類「この記事が事実かどうかだ。」 今まで黙って記事を読んでいた類が言った。 西門「司に限ってこんなことないだろ。」 美作「分からないぜ。一年以上、牧野に会ってないからな。さびしくなって・・・いや、司に限ってないな。それにこの子美人だし、あいつの好みじゃないな。あいつの好みはあの牧野だからな。」 美作はそう言って、類と西門の顔を見た。 西門「あきら・・・言いたいことがあるならはっきり言え。」 美作「何でもありません。俺には理解不可能。」 類「この記事が真実か、仕組まれたものか・・・」 もう一度、類が言った。 西門「おば様か・・・」 美作「やりかねないな。おじ様も退院して自宅療養中だって言ってたから、司を牧野から遠ざける為に。おば様のやりそうなことだ。」 西門「司、いったい何やってるんだ!」 類「司の連絡を待つしかないな。」 それから三人は押し黙ってしまった。
椿「お母様、これはどういうことですか!」 楓「何ですかいきなり。」 椿「とぼけないでください。お母様はどこまで二人を苦しめたら気がすむんですか?」 椿の手に握られていたのは、司の記事が書かれた新聞だった。 楓「記事のことをいっているの?あれは私ではないわ。」 椿「では、なぜあんな記事が?」 楓「私にも分からないわ。でも火のないところに煙はたたないっていうわ。司がその気なら私は反対しないわ。」 椿「お母様・・・あなたって人は・・・。」 楓「誤解しないで。司が誰を |
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ゆきっち |
2006/06/05 10:07:12 |
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楓「誤解しないで。司が誰を選ぼうと私はもう何も言わないわ。司ももう子供ではないし・・・」 椿「誰を選んでもとおっしゃいましたね。それはつくしちゃんを選んでも何もいわないということですか?」 楓「もういいでしょ?仕事があるから出て行ってちょうだい。」 楓は肯定はしなかったが、否定もしなかった・・・
★★ みんなの優しさ ★★
その日がやってきた。 朝からテレビでは、道明寺財閥の熱愛報道にわいていた。 つくしはその日も何事もなかったように身支度を整え、家をでた。 つくし「どうしたの?」 心配した西門と美作が来ていた。 美作「どうしたのはないだろ。心配して来てやったのに。」 つくし「それはそれは、ありがとうございます。」 西門「相変わらずかわいくないな。」 つくし「悪かったわね。」 美作「大丈夫か?」 つくし「大丈夫。あいつのこと、信じてるから。」 西門「司、今日の夜の便で台北に帰ってくるらしい。さっき姉ちゃんから電話もらったんだ。会って直接確かめろ。」 つくし「やめとく。」 美作「こんな時に、約束破れないなんて言うなよ。」 つくし「そんなんじゃない。不器用なあいつが好きな人できたら黙ってると思う?一番に私にいいに来ると思う。だから、あれは単なるうわさ。わたしはそう信じてる。」 美作「牧野!」 西門「牧野、おまえの言う通りかもしれないな。あきら、帰るぞ。」 美作「そうじろうまで!おまえらどうかしてるよ。司に会って確かめればいいだろ。」 西門「牧野がいいっていってるんだから、俺たちには口出しする権利はない。」 美作「だけど・・・分かったよ。どいつもこいつも。」 西門「牧野、気が変わったら、俺でもあきらでもいいから連絡しろ。」 つくし「うん、分かった。ありがとう。」 美作はちょっと怒った様子で、西門は相変わらずのポーカーフェイスで帰っていった。
滋「つくし!大丈夫?司に限ってこんなことないよ。きっと、そうだよ。」 滋は記事を読んだらしく、つくしの顔を見るなりそう言った。 つくし「ありがとう。滋さん。」 滋「今日は休んでもいいよ。」 つ |
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ゆきっち |
2006/06/05 10:08:10 |
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つくし「大丈夫。仕事は仕事。ちゃんとしなきゃ気持ち悪い。」 そう言って、つくしはいつもどおり仕事を始めた。 お昼過ぎ、類が事務所にやってきた。 類「滋。牧野ちょっと借りる。」そう言って、つくしを連れ出した。 つくし「どこ行くの?」 類「・・・」類はつくしの問いかけには答えなかった。 つくし「ここは・・・」 類がつくしをつれてきたのは、英徳の屋上だった。 類「おもいっきり叫べば?」 つくし「類・・・」 類「すっきりすると思うけど。」 つくしは少し戸惑ったが、心を決めたようにうなずくと、大きく息を吸った。 そうして大きな声で叫んだ。 つくし「道明寺のバカヤロー!何やってんのー!早く帰ってこい!このタコ!」 類「すっきりしたか?」 つくし「まだまだ。あんなきれいな人と噂になるなんて、このすけこましー!でも信じてるから、早く帰ってこーい!会いたいよー!」 最後の言葉がつくしの今の素直な気持ちだった。 つくしの目から涙があふれた。 類「いくらかすっきりした?」 つくし「花沢類・・・」 泣いているつくしに類は黙って肩をかした。
仕事が終わり、家に帰るのも何だか嫌で、つくしは夜の町へと出た。 電光掲示板をつくしは懐かしい気持ちで眺めていた。 あの時も今もつくしの横には司はいない・・・ 西門「勤労処女、何ぼけっとしてんだ。」 美作「水臭いな。飲みに行くなら誘ってくれたらいいとこ連れて行ってやるのに。」 つくし「みんな・・・」 西門「やけ酒なら付き合うぞ。」 つくし「だれが。」 類「どうでもいいから、どこかに入ろう。ここ寒い。」 みんなが歩き出そうとしていると、電光掲示板に見慣れた顔が大きく映し出された。 |
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ゆきっち |
2006/06/05 10:09:15 |
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★★ やる男 ★★
レポーター「道明寺さん、この記事は本当ですか?」 空港には司をインタビューしようと大勢の報道陣がつめかけていた。 レポーター「今回の帰国は、やはり本郷さんとの婚約の為ですか?」 出国ゲートから出てきた司に一斉にフラッシュがたかれた。 レポーター「本郷さんのどんなところに惹かれたんですか?」 司はSPと東谷に守られ、レポーターたちの質問には答えず、足早に歩いていた。 レポーター「道明寺さん、婚約報道は大河原滋さん、ブータンの王女様に続き、今回で3回目ですが、本当に婚約されるんですか?ニューヨークに発たれる前に付き合われていた方、いらっしゃいましたよね?あの方とはどうなったんですかあ?」 どうやらつくしのことをいっているようだ。 司の動きが止まった。
西門「まずいな。」 その光景を電光掲示板はすべて映し出していた。 美作「あのレポーター、業界でも嫌われてるんだ。」 類「いつもの司ならとっくに切れてるな。よく絶えてるよ。」 つくしは何も言わず、電光掲示板を見守った。
レポーター「どうなんですか?ちゃんと答えてください。その方とは駆け落ち同然だとお聞きしましたが、ちゃんと別れたんですか?それとも、どちらとも婚約されるんですか?」 そのレポーターは笑いながら言った。 司がゆっくり、そのレポーターの方を振り向いた。
美作「殴られるな。」 西門「司が一番嫌いなジョークだ。ぼこぼこだな。」 しかし、二人の予想は以外にもはずれた。
司はレポーターのマイクを取り上げると、カメラに向かってしゃべり始めた。 司「牧野!見てるか?もうすぐ戻るからな。首洗って待ってろ!」 レポーター「牧野?それはどなたのことですか?本郷愛利さんとの婚約は?」 司「婚約?ホンゴウアイサ?だれそれ。俺、そんな奴知らない。」 司は笑顔でそれだけいうとマイクを返し、あっけにとられているレポーターたちをおいてさっさと歩いていってしまった。
美作「司・・・首洗ってじゃないだろ。牧野は敵か?」 美作は電光掲示板の司に軽い突っ込みを入れた。 西門「うれしそうな顔して。公 |
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ゆきっち |
2006/06/05 10:10:07 |
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西門「うれしそうな顔して。公共の電波使って愛の告白か?」 西門と美作はつくしを見た。 つくし「私のほう見ないでよ。私が言ったんじゃないんだから。」 西門「相手の名前まで間違うくらいだ。ただの噂だったってわけだ。」 美作「司があんな演技できるとも思わないし。良かったな。牧野。」 つくし「だから言ったでしょ。あいつにそんなことできるわけないって。」 類「司らしいいよ。首洗って待ってろって。」 類はそう言うと笑い始めた。どうやら司の言葉がつぼにはまったらしい。 笑い上戸の類はしばらく笑いつづけていた。 後日談として、本郷愛利は日本でのモデルデビューにあたり話題性が欲しくて、噂を流したらしかった。 司とは実際、ホテルのパーティーで会っていたようだったが、司の方は全然覚えていなかった。 司が相手の名前も覚えていないと分かると、噂もいつのまにか消えてしまった。
クリスマスも終わり、新しい年がやってきた。 あの電光掲示板の衝撃告白の後、ついに司がつくしの元に戻ってきた!と思いきや、台北には仕事で戻っただけで、すぐまたニューヨークに行ってしまった。 期待させといて、何とも司らしいというか、何というか・・・ 西門は「あいつの行動は理解できない。」と首をかしげていた。 美作は「首洗って待ってろじゃなくて、首長くして待ってろの間違いだったんだろうな。」と他人事のように言っていた。 類は「首洗って待ってろ・・・」とまた思い出して笑っていた。 つくしとしてはもう笑うしかなかった。 そんなある日、つくしの元にかわいい訪問者が現れた。 |
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ゆきっち |
2006/06/05 10:20:56 |
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『流星3』ちゃんと更新できなくてすいません。 頭の部分がどうしても送れなくて、送れる部分から更新しました。 更新できなかった部分は、さほど話には影響はないと思いますが、あらすじとしては、西門の誕生日パーティーの朝、司の新聞記事を持った美作が現れる。 それを読んだ後のつくしと美作の会話から始まっています。 どうもすいませんでした。 |
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ゆきっち |
2006/06/06 09:50:29 |
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皆さん、おはようございます。っていっても、本日は誰もいらっしゃらなかったのね。 ひとり、更新して、今日も内職生活だ~。
それでは早速、 勝手に妄想小説 『 流星雨 花沢類篇 』No.45
★ 生きる勇気
次の日、類は慎吾の墓参りに訪れた。 そこには、康子の姿があった。 康子「類・・・ 来てくれたのね。ありがとう。慎吾もきっと喜んでるわ。」 類「ヤスコ・・・」 康子「どうしたの。情けない顔して、元気がないわよ。」 類「ヤスコ、キミハ、シンゴノシヲノリコエルコトハデキタ?」 康子「どうしたの?急に?」 類「オネガイダ。コタエテクレナイカ?」 康子「きっと慎吾の死を忘れることはできないわ。慎吾のことももちろん忘れることはできない。でも乗り越えることはできる。だって私は生きてるんだもん。いつまでもウジウジしてたら、慎吾に叱られちゃう。」 類「モウスコシ、トベイヲスルノガハヤカッタラッテ、カンガエタコトワ、ナイ?」 康子「それは考えたけど・・・」 類「トベイヒヨウヲダシタノハボクダ。モシボクガモットハヤクコウドウシテイタラ・・・シンゴハタスカッタカモシレナイ。」 康子「あの時、類が助けてくれたのね。ありがとう。自分を責めないで、あなたが悪いわけじゃない。慎吾は幸せだったと思う。ちょっと急ぎ足で駆け抜けてしまったけど、お母さんや私を追い越して先に逝ってしまったけど、彼は幸せだったと思う。ね、慎吾。」 康子は慎吾の墓に目をやり、自分に言い聞かせるように言った。 康子「だから、誰が悪いわけじゃない。だから、あなたも慎吾のことをそんなふうに思わないでね。」 類は、康子の胸に飛び込みたい衝動にかられた。 かつて、静との別れの後、寂しくてつくしに抱きしめてもらったあの海のように、康子の姿がつくしと重なった。 しかし、何とか思いとどまった。 その場しのぎの感情は、人を傷つけるということを痛いほど知っていたから。 康子「類、何かあったの? 野口さんのこと?」 類「ドウシテソンナコトヲ?」 康子「なんとなく。この花、たぶん野口さんだと思う。去年も命日の日に供えてあった。」 慎吾のお墓にはきれいな花が供えて |
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ゆきっち |
2006/06/06 09:51:25 |
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切れちゃいました。続きです。
慎吾のお墓にはきれいな花が供えてあった。 康子「類には黙っていたけど、野口さん、何度か家に来ては、私や母さんを元気付けてくれた。さっきの言葉も野口さんに言われたの。慎吾君のことは忘れられなくても死を受け入れ、乗り越えることはできるって。生きてる私たちがしっかりしなくっちゃ、慎吾君に叱られちゃいますよって。あなたが野口さんのことを好きなのを知っていたから、どうしても言えなかった。」 類「ノグチサンガソンナコトヲ・・・」 はたして彼女は愛した人の死を受け入れたのだろうか・・・ 康子「追いかけなくてもいいの?そう遠くには言ってないと思うけど。」 類「ゴメン。」 康子「謝らないでよ。かっこよく別れようと思ってるのに。」 やはり康子は牧野に似ている。 どうしてもつくしと重ね合わせて愛することはできなかったけれど、僕にとって君は大事な女性だったよと心の中でつぶやいた。 康子「さあ、早く、がんばって。」 類は康子に背中を向けた。 背中になんだか暖かいものを感じた。 『お兄ちゃん、がんばれよ。』まるで慎吾が類の背中を押してくれたようなそんな気がした。
どこを探しても奏のことを見つけることはできなかった。 類と奏は、結ばれる運命ではないのだろうか? こんな中途半端の気持ちのまま、会うべきではないのだろうかと思っていたとき、思いがけない人物から電話がかかってきた。
つづき |
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ゆきっち |
2006/06/06 09:54:36 |
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続きまして、流星3でございます。
それでは早速、勝手に妄想『 流星花園3 』はじまりはじまり~
★★ 幸せの足音 ★★
つくしが仕事を終え、家に帰ってくると、急に誰かが抱きついてきた。 つくし「きゃ!」 子供「つくしだ。つくしだ。」 それは二歳ぐらいの男の子と女の子だった。 つくし「どこかで見たような?ねえ、どこからきたの?お父さんとお母さんは?」 女の子「あそこ。」女の子の指差す方向を見てみるとそこには椿とタマが立っていた。 椿がつくしの元に歩いてきて、子供達と同じように抱きついた。 つくし「お姉さん?じゃあ子の子達は・・・樹くんと颯ちゃん?」 子供たちが大きく返事をした。 つくし「写真でしか見たことがなかったから全然わかりませんでした。二人とも大きくなりましたね。」つくしが二人にお茶を出しながら言った。 椿「もうすぐ二歳よ。早いものね。」 つくし「いきなりつくしって言われたときはさすがの私もびっくりしました。」 タマ「あんたでもびっくりすることがあるんだね。」 つくし「タマさん!」 椿「つくしちゃん、元気そうで良かったわ。あのバカがあんなこと言うから帰ってこないと分かってがっかりしてるんじゃないかと思って。」 つくし「慣れてますから。お姉さんもタマさんもお元気でしたか?」 椿「子育てに追われて病気なんてできないわ。」 つくし「大変そうですね。」部屋中を駆け回る子供たちを見て言った。 椿「この子達にはのびのび育って欲しいの。だから危ないこと意外、自由にさせてやろうと思って。」 タマ「司坊ちゃんも時々、子守りをしてくださるんだよ。」 つくし「あの道明寺が子守り!?似合わない。」 つくしは子守りをする司を思い浮かべ、笑った。 タマ「似合わないと思うだろ、でも案外これが上手くてね。よく面倒見てくださるんだよ。」 椿「司の場合、精神年齢が低いのよ。いっしょになって遊んでる。あの子が小さい時は自由なんてなかったから、やり直してるのかも・・・」 タマ「あんたのことを子供達に教えたのは、司坊ちゃんなんだよ。」 椿「そうなの。つくしちゃんの写真を見せてはあなたの話ば |
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ゆきっち |
2006/06/06 09:55:18 |
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椿「そうなの。つくしちゃんの写真を見せてはあなたの話ばかり。おすわりも出来ないころから。だから、初めてしゃべった言葉がつくし。親としては少々複雑だったわ。」 つくし「ごめんなさい。」 椿「こっちこそごめんなさい。そんなつもりで言ったんじゃないのよ。」 樹「つくし、遊ぼう。」 颯「遊ぼう遊ぼう。」 椿「二人ともちょっと待ってちょうだい。お母さん、つくしちゃんに大事なお話があるから。」 つくし「大事な話?」 椿「お父様が近々仕事に復帰するの。仕事の引継ぎとかあるから、すぐではないと思うけど、もう少ししたら、司、戻ってこられるわ。あの時もお父様の仕事復帰が決まってうれしくてあんな突拍子もない行動に出たんだと思うの。ほんとバカな弟でごめんなさい。」 つくし「お姉さん・・・」 椿「それをつくしちゃんに直接伝えたくて、帰ってきたの。」 タマ「もう少し頑張りな。司坊ちゃんはずっとあんたのことを思って頑張ってこられた。二人とも良く頑張ったよ。」タマはそう言って目頭をおさえた。 つくし「タマさん、年取って涙もろくなったんじゃ。」 つくしは自分が泣きそうなので、冗談を言ってごまかした。 タマ「年より扱いするんじゃないよ。私はあんたと司坊ちゃんの赤ちゃんの顔を見るまで死んでも死にきれないからね。」 つくし「タマさん・・・」 運命の日は確実に近づいていた。
★★ 突然! ★★
司がニューヨークに発って、二年の月日がながれようとしていた。 もうすぐ司の誕生日というある日のこと、つくしは朝からパニックになっていた。 部屋の中をお腹をすかせた熊のようにあっちへうろうろこっちへうろうろ。 そしてベッドの上には、洋服が散乱していた。 つくしは、鏡の前に立って、洋服をあててみては、これでもないあれでもないと首をかしげていた。 いつものつくしからは思ってもみない光景だった。 こんなことなら新しい洋服を買っておけばよかった。 そうこの前バーゲンでみつけたあのスカート、けちけちしないで買っておけばよかった。 美容院にもいっておけばよかった。 後悔先にたたずってこのことなんだと妙に冷静につくしは思った。 どうしてつく |
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ゆきっち |
2006/06/06 09:55:57 |
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どうしてつくしがこんなに悩んでいるかというと、話しは昨日の夜までさかのぼる。
その日は急に滋に言われ、新しい取引相手と食事に行くことになった。 つくしと滋は、事業を拡張し、一般家庭向きだったケータリングを今では会社のパーティーや学校の式典などにもケータリングするようになっていた。 滋は新しい会社を獲得するべく、営業活動に力を入れていた。 この日も滋一人で営業に行っていたが、向こうの意向でつくしもいっしょに食事に行くこととなった。 このようなことは最近では珍しいことではなかった。 つくしは「食事は楽しく!」がモットーなので、こういう堅苦しいのは苦手だった。 これも仕事と割り切ってはいたが、笑顔は終始引きつっていた。 それに引き換え、滋のほうは生まれながらのお嬢様、食事のマナーもそつのないおしゃべりや笑顔も、いつもつくしを感心させた。 つくしも食事のマナーだけは上手くなった。 つくしはふと司のことを思い出した。 何か予感のようなものがあったのかもしれない。 司の「おまえ、本当に何でも上手そうに食べるな」という声が聞こえてきそうだった。 食事も終わり、お互いが深々と頭を下げ、この日の仕事は終わった。 家に帰り着くと、つくしは気遣いでどっと疲れ、そんなに遅い時間ではなかったが、シャワーも浴びず、そのままベッドに横になった。 ちょっとのつもりがそのまま眠ってしまったらしい。 つくしは携帯電話の音で目を覚ました。 始めは無視していたが、あまりにもしつこくなるので、しかたなく電話に出た。 つくし「もしもし?」 司「早く出ろよ。このバカ!明日の朝にそっちに帰る。空港まで迎えにこいよ。じゃあな。」 それだけ言って、電話は切れた。 つくし「何?」寝ぼけていたせいで、すぐには頭が働かなかった。 つくし「道明寺?今の声は道明寺だよね?」 誰がいるわけではないが、つい声に出して言っていた。 つくし「あのバカって言う声は確かにあいつだ。うん、そうだ。」 つくしはいっぺんに目が覚めた。 つくし「え、ちょっと待って。明日帰るって言ったよね。えー!」 その後のつくしは急いでシャワーを浴び、悪戦苦闘だった |
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ゆきっち |
2006/06/06 09:56:40 |
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その後のつくしは急いでシャワーを浴び、悪戦苦闘だった。 そして、あっちへうろうろこっちへうろうろすることとなった。
西門や美作のところにも同じような電話がかかってきていた。 美作「やっぱあいつは勝手だよ。もっと早く連絡すればいいのによ。」 西門「あいつに計画性って文字は似合わない。」 到着時刻も言わない司に二人は少々呆れ気味だったが、そこは長年の付き合いである、ちゃんと時間を調べ、王様のお出迎えをすることとなった。 類は日本にいるため、二人はつくしを迎えに行き、空港に行くことにした。
二人は、空港に行く為、つくしの家を訪れた。 いつもは時間にうるさいつくしが、今朝はいっこうにでてこない。 西門「ちゃんと時間伝えたんだろ。」 美作「ああ、電話もしたし、念のため、メールもおくった。」 西門「チャイム鳴らしてみるか?」 西門がチャイムを鳴らしてみたが、出てくる気配がない。 二人は門を開け、中に入った。 そのころつくしは、チャイムの音も耳に入らないくらいまだ頭を悩ましていた。 やっと準備をし、玄関を出たが、バックを忘れたことに気付き、また家の中に、今度はバックを持ったが、靴が汚れていることに気付き、またまた中へ。 スカートにしわが、髪がはねてる、つくしは玄関を出たり入ったりを何度も繰り返していた。 いつものつくしなら気にならないようなことが今日のつくしは気になってしょうがない。 そんな様子を門のところで、西門と美作は見つめていた。 美作「あいつ、何やってるんだ?」 西門「牧野もやっぱり女だったんだな。司に会えるのですっかり舞い上がってる。」 類「そんなんだ。」二人の後ろで類の声がした。 美作・西門「類!」 美作「日本にいたんじゃないのか?」 類「司から連絡もらって、ヘリで戻ってきた。ああ、眠い。」 西門「びっくりさせるなよ。」 類「牧野も女の子らしいところがあったんだ。」 美作「あんなところ司が見たら、大喜びだな。」 西門「到着時刻にはまだ時間があるけど、道混んでたらいけないから、そろそろ行くか。牧野!そろそろ行かないと間に合わないぞ!」 まだ出たり入ったりつくし |
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ゆきっち |
2006/06/06 09:57:45 |
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まだ出たり入ったりつくしに声をかけた。 つくし「!」声を掛けられ、初めてみんなの存在に気が付いた。 つくし「いつからそこにいたの?」 美作「何度も出たり入ったりしてるところなんて、俺達は見てないから。心配するな。」 美作は必死で笑いをこらえながら言った。 類「牧野、今日はすごくかわいいよ。そのスカートも良く似合ってる。」 つくしは恥ずかしくて穴があったら入りたい気分だった。 西門「車で待ってるから、早くこいよ。」 三人は真っ赤な顔のつくしを残し、車へと向かった。 つくし「すぐ行く!」といいながら、ふたたび家の中に入っていった。 類に言われて、女の子らしい格好をしている自分が急に恥ずかしくなって、Tシャツにジーンズに着替えてしまった。 つくしは鏡に映った自分を見て、『つくし、やっぱりあんたはこの格好が一番似合ってる!』と心の中でつぶやいた。 つくしがいつもの落ち着きを戻したころ、外の三人は驚きのあまり、言葉をなくしていた。 |
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のりこ |
2006/06/06 14:51:08 |
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ゆきっちさん 更新ありがと!!!
なんかどっちもドキドキ~ はやく続きが・・・ 気になって仕事が手につきません |
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ジョジョニ |
2006/06/06 15:53:28 |
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ゆきっちさん
お久しぶりー。いつも楽しみに読ませてもらってます。 続きがーーー、気になる。気になる。
体調悪かったんだねー。あまり無理せずにね!! |
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Rabbit |
2006/06/06 23:04:16 |
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ゆきっち~ 更新ありがとう!! とうとうパンドラの箱が空いちゃったね!!! そんな過去が・・・!!!ちょっと切ない気持ちになってしまったよ!!
まだまだ、続きが楽しみ!!! 類頑張れ~~~~!!! |
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Rabbit |
2006/06/15 15:15:12 |
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ゆきっち~~~~ 元気か~~~~い???? またダウンしてない???? |
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ひさりん |
2006/06/19 13:23:43 |
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ちょっと心配になって 来ちゃいました
ゆきっちさん どうしました? |
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momota |
2006/06/19 20:01:32 |
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ゆきっち~~~~~!!!!
元気にしてる?? 心配してるよ!!
更新はぼちぼちでもいいから元気な声聞かせておくれ☆彡 |
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ゆきっち |
2006/06/23 10:00:39 |
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おお、皆様から、励ましのお言葉が。。。 うれしいかぎりでございます。 ご心配掛けてすいません。 またまたダウンしておりました。 先週は、39度6分まで、熱が上がり、病院にいっても原因が分からず、ダウンしておりました。 元気になって、今度は産婦人科に定期健診に行くと、乳がん検診で触診で引っかかり、マンモグラフィーを受け、気分はブルー。幸い、こちらは異常なしで一件落着。 体調があまりよくないのも、去年の夏に受けた卵巣脳腫の手術の影響らしく、見た目が元気でも、体の中では何が起こってるのかわかんないなあと感じる今日この頃です。 皆さんも気をつけてくださいね。 体調があまりよくないのもあるんですが、先月の中ごろから始めた内職のお仕事がなかなかどうして大変で、それに振り回されて、執筆活動もままならない状況です。 今日は、久しぶりに時間が取れたのでやってまいりました。 ながながと自分のことばかり書いてしまってすいません。 ぼちぼちと執筆の方もやっていきたいと思いますので、皆さんも時間があったら覗いて見てやってくださいね~。 |
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Rabbit |
2006/06/23 10:09:42 |
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ゆきっち おはよう~!! 久しぶりに出てきたね!心配してたんだよ(^^)/ 体調のほう、無理しない程度でやらないとダメだよ!!! |
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ゆきっち |
2006/06/23 10:12:08 |
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お久しぶりの更新でございます。 話し忘れてしまった方は、ちょっとさかのぼって読んでやってくださいね。
それでは早速、 勝手に妄想小説 『 流星雨 花沢類篇 』No.45
★ 生きる勇気
次の日、類は慎吾の墓参りに訪れた。 そこには、康子の姿があった。 康子「類・・・ 来てくれたのね。ありがとう。慎吾もきっと喜んでるわ。」 類「ヤスコ・・・」 康子「どうしたの。情けない顔して、元気がないわよ。」 類「ヤスコ、キミハ、シンゴノシヲノリコエルコトハデキタ?」 康子「どうしたの?急に?」 類「オネガイダ。コタエテクレナイカ?」 康子「きっと慎吾の死を忘れることはできないわ。慎吾のことももちろん忘れることはできない。でも乗り越えることはできる。だって私は生きてるんだもん。いつまでもウジウジしてたら、慎吾に叱られちゃう。」 類「モウスコシ、トベイヲスルノガハヤカッタラッテ、カンガエタコトワ、ナイ?」 康子「それは考えたけど・・・」 類「トベイヒヨウヲダシタノハボクダ。モシボクガモットハヤクコウドウシテイタラ・・・シンゴハタスカッタカモシレナイ。」 康子「あの時、類が助けてくれたのね。ありがとう。自分を責めないで、あなたが悪いわけじゃない。慎吾は幸せだったと思う。ちょっと急ぎ足で駆け抜けてしまったけど、お母さんや私を追い越して先に逝ってしまったけど、彼は幸せだったと思う。ね、慎吾。」 康子は慎吾の墓に目をやり、自分に言い聞かせるように言った。 康子「だから、誰が悪いわけじゃない。だから、あなたも慎吾のことをそんなふうに思わないでね。」 類は、康子の胸に飛び込みたい衝動にかられた。 かつて、静との別れの後、寂しくてつくしに抱きしめてもらったあの海のように、康子の姿がつくしと重なった。 しかし、何とか思いとどまった。 その場しのぎの感情は、人を傷つけるということを痛いほど知っていたから。 康子「類、何かあったの? 野口さんのこと?」 類「ドウシテソンナコトヲ?」 康子「なんとなく。この花、たぶん野口さんだと思う。去年も命日の日に供えてあった。」 慎吾のお墓にはきれいな花が供えてあった。 康子「類 |
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ゆきっち |
2006/06/23 10:13:01 |
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(メッセージは削除されました) |
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ゆきっち |
2006/06/23 10:13:43 |
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切れちゃいました。続きです。
康子「類には黙っていたけど、野口さん、何度か家に来ては、私や母さんを元気付けてくれた。さっきの言葉も野口さんに言われたの。慎吾君のことは忘れられなくても死を受け入れ、乗り越えることはできるって。生きてる私たちがしっかりしなくっちゃ、慎吾君に叱られちゃいますよって。あなたが野口さんに惹かれていたことを知っていたから、どうしても言えなかった。」 類「ノグチサンガソンナコトヲ・・・」 はたして彼女は愛した人の死を受け入れたのだろうか・・・ 康子「追いかけなくてもいいの?そう遠くには言ってないと思うけど。」 類「ゴメン。」 康子「謝らないでよ。かっこよく別れようと思ってるのに。」 やはり康子は牧野に似ている。 どうしてもつくしと重ね合わせて愛することはできなかったけれど、僕にとって君は大事な女性だったよと心の中でつぶやいた。 康子「さあ、早く、がんばって。」 類は康子に背中を向けた。 背中になんだか暖かいものを感じた。 『お兄ちゃん、がんばれよ。』まるで慎吾が類の背中を押してくれたようなそんな気がした。 類は走った。 しかし、どこを探しても奏のことを見つけることはできなかった。 類と奏は、やはり結ばれる運命ではないのだろうか?
つづく |
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ゆきっち |
2006/06/23 10:18:01 |
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続きまして、流星3でございます。
それでは早速、勝手に妄想 『 流星花園3 』はじまりはじまり~
★★ 変わらない二人 ★★
つくしが急いで玄関の鍵をかけていると、急に後ろから誰かが抱き付いてきた。 つくし「キャー!あんた誰よ。何するのよ!」こぶしを固め、相手を思いっきり殴り、おまけにキックまでお見舞いした。 「いて!何すんだよ。」お腹を押えながら、男は言った。 その声はつくしがずいぶん待ち望んでいた懐かしい人の声だった。 つくし「道明寺!」 司「痛てえなー。二年も会えなかった恋人にいきなり殴るけるの暴行か?」 つくし「あんたが急に後ろから抱きつくからでしょ!痴漢かと思ったじゃない!」 司「痴漢?!誰がおまえのない胸触るか!」 つくし「何ですって!もう一発殴られたい?」つくしはふたたびこぶしを固めた。 司「なんだよ、その態度は?苦労して帰ってきたのに。」 つくし「帰ってきたで思い出した。どうしてこんなところにいるのよ?」 司「親父が復帰して、俺の仕事も片がついたから、少しでも早く戻ってやろうと思って、キャンセル待ちまでして帰ってきてやったんだぞ!」 つくし「帰ってきてやった?!」 司「そうだよ。直行便がねーから、乗り換えて、それもファーストクラスがいっぱいで、エコノミーで帰ってきたんだぞ。この道明寺司がだぞ。」 つくし「誰も頼んでないわよ。」売り言葉に買い言葉、ついついつくしは強く言ってしまった。 司「なんだと!」 つくし「あんた、ニューヨークに行ってる間にまたわがままな司坊ちゃんに戻ったんじゃないの。」
美作「あれが二年も会えなかった恋人同士の会話か?」 西門「感動の再会があれか?成長がないやつら・・・」 司とつくしのやりとりを見ていた二人が言った。 類「僕はむしろうれしいけどな。二年の月日が経ってもあの二人は何も変わらない。時間なんてあの二人には関係ないんだ・・・」 西門「そんなものかな・・・」 美作「でも、懲りない奴らには変わりないな。それに俺達の存在、すっかり忘れてるよ。」 その間にも二人の口げんかは続いていた。
つくし「それにあのインタビュ |
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ゆきっち |
2006/06/23 10:18:40 |
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つくし「それにあのインタビューは何よ。人の名前を公衆の面前で堂々と・・・」 急につくしが黙った。いや、正確には黙らされたというべきだろう。 司がつくしをもう一度強く抱きしめたのだった。 司「うるさい奴だな。少し黙ってろ。文句は後できいてやるから。」 つくしは司の胸に身をゆだねた。
類「僕達は退散したほうが良さそうだな。」 西門「そうだな・・・」 お互いには言わないが、二人の胸は少しいたんだ。 美作「おまえ達も複雑だな。」 そんな二人の表情を敏感に読み取って、美作が言った。 F3は二人には何も言わず、その場を立ち去った。
司「牧野、会いたかった・・・」 つくし「・・・」 司「おまえもなんか言えよ。照れるだろ。」司が赤い顔をして言った。 つくしは不意に司のほほをつねった。 司「いて、何すんだ!」 つくし「本物なんだね。消えたりしないよね。夢じゃないよね。」 司「おまえな~、人の顔つねって確かめるな。」 つくし「目の前にいるの道明寺だよね。帰ってきたんだよね。」 司「しつこいな。俺はおまえのところに帰ってくるって言っただろ。ちょっと時間はかかったけど、ちゃんと戻ってきた。」 司が戻ってきた。 つくしは司を目の前にしても、まだなんだか信じられなかった。 すぐに消えてしまうんじゃないかと急に不安になって、今度はつくしが司を強く抱きしめた。 司「牧野・・・」 つくし「道明寺の匂いがする。懐かしい、あんたの匂い・・・会いたかった・・・」 そう言って、司を見上げたつくしの目にはこらえきれず涙があふれていた。 そんなつくしに司はたまらずキスをした。 つくし「ずっとずっと会いたかった。いつも不安で、このままあんたが帰ってこなかったらどうしようって何度も思った。」 司「牧野、ごめん。もうおまえをひとりになんかさせない。」 つくし「もっとかっこよくあんたのこと出迎えようと思ったのに。泣かずにかっこよくお帰りって言おうと思ってたのに。」 涙でくしゃくしゃになった顔でつくしが言った。 司「俺にはこの場で押し倒したいくらいかわいい今のおまえがいいけど?」 この後 |
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ゆきっち |
2006/06/23 10:19:25 |
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この後、司のホホにはつくしの手形がくっきりついたことは言うまでもない。 変わらない二人は、こんなロマンティックな場面でもやっぱり『変わらない二人』だった。
★★ 逆恨み? ★★
感動の再会?から一夜明け、今日は久々にF4みんなが集まった。 ここは、例のごとく、いつものバーである。 この二年間の間、司とみんなが会う機会は何度かあったが、こうして四人揃うのは本当に久しぶりだった。 美作「司、お帰り。」 西門「お帰り。」 類「お帰り、司。」 司「おお。」四人は乾杯すると、グラスのビールを一気に飲み干した。 美作「司、昨日はどうだった?」 司「昨日?」 美作「とぼけるなよ。あれだよあれ。」 司「あれって?」 西門「やめろよ、あきら。こいつ、分かってないよ。」 司「?」 美作「じれったいな。牧野と感動の再会!燃え上がった二人は・・・ここまで言えば分かるだろ?」 司「な・なに言ってるんだ。」司は耳まで赤くなった。 西門「この分じゃ、まだだな。」 美作「司~、何やってるんだ!絶好のチャンスを!おまえ、男だろ。」 司「うるさい!おまえの意見はきいてない!」 西門「久しぶりだな。そのセリフも。」 昨日、司は長旅の疲れや時差の関係であの後すぐ眠ってしまって、それどころの話ではなかった。 類「ほんとだな。懐かしいよ。」 司「おまえら、牧野になんにもしてないだろうな?」 司が類と西門を見て言った。 西門「露骨に聞くな。何にもしてねーよ。」 司「類は?」 類「してたら、ここには来てないよ。」 美作「こいつ、今滋と付き合ってんだぞ。」グラスを持った手で西門を指差した。 司「そうじろうと滋が?嘘だろ?」 西門「・・・」 美作「そうじろう、照れるなよ。婚約も間近ってところかな。おまえもぼやぼやしてたら、さき越されるぞ。」 司「えー!」司は心底驚いた。 この光景を滋が見たら、さぞかし喜んだことだろう。 司「いつからだ?おまえ、牧野のことが・・・」司はそこまで言って黙ってしまった。 西門「そこまで言ってやめるなよ。確かに牧野に惹かれてたのは認めるよ。おまえの態度 |
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ゆきっち |
2006/06/23 10:20:26 |
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西門「そこまで言ってやめるなよ。確かに牧野に惹かれてたのは認めるよ。おまえの態度しだいじゃどうなってたか分からない。」 司「そうじろう!」 西門「まあ最後まで聞け。俺の方がその気でも牧野がなぁ・・・おまえが気付いたくらいなのにあいつはぜんぜんだ。鈍感にもほどがある。それにあいつはおまえに惚れてる。なびかない女をいつまでも引きずるのは趣味じゃないからな。」 司「まあその言葉信じてやるよ。」 西門「ありがたいお言葉で、涙が出てくるよ。」 司「こいつ!」司は西門の頭を叩く振りをした。 みんなが一斉に笑った。久しぶりに聞いた明るい笑い声だった。 そんな和やかな雰囲気をやぶるように一人の男が現れた。 「楽しいそうな声がすると思ったら、これはこれはF4の方々じゃありませんか?」 酔っ払った男が司たちに声を掛けてきた。 司「誰だ、こいつ?」 西門「さあ、あきらの知り合いか?」 美作「こんな変な奴、知らないな。」 皆さんは覚えてるだろうか?以前に司が記憶を無くし、F3に会いにバーを訪れたとき、西門にからんできた男を。 よほどあのときのことが悔しかったのか懲りずにまたF4にちょっかいを出してきたのだった。 男「なんだって!変な奴だって!」 司「うるさい奴だな。あっちいけ!」 男「この前みたいに勝てると思うなよ。おいお前らこっちにこい。」 男の連れらしい男達が現れた。体が大きく何かの格闘技をやっているのか、F4を見ても動じる様子はなかった。 美作「あんたも懲りないね。またやられたいんだ。」 男「そんな口をきけるのも今のうちだ。」 西門「どうしてもやるって言うの?」 男「ああ。」 西門「やってもいいけど、あんたももう大学生じゃないんだろ。大人気ない真似止めたら?」 美作「そうそう、恥じかくだけだよ。そこの君達も俺達が誰だか知っててけんかふっかけてるの?」 男達「おまえらのことなんて知るか。」 司「俺達も落ちたな。」 美作「まさかF4のこと知らないなんてな。」 男達「F4ってあのF4か?」 西門「ほかにF4がいなければな。」 男達「先輩、すいません。俺達、F4の方々を敵に回すのなんてできま |
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ゆきっち |
2006/06/23 10:21:14 |
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男達「先輩、すいません。俺達、F4の方々を敵に回すのなんてできません。」 男「今更何言い出すんだ。」男の声は震えていた。 男達「すいません。お金もいりませんから。」どうやらお金を使ってつれてきていたらしい。 男達は呆然とする男を残し、店を出て行った。 類「君、お金で友達作るんだ?珍しいね。」 類は冷ややかに言った。こういうときの類の目は他の誰より恐ろしかった。 西門「どうする?」 美作「ずいぶんかっこわるいことになってるよ。」そう言って美作は他の客を指差した。 男は周りを見回すと、他の客達が男を見て笑ったり、ひそひそ何かを話したりしていた。 司「F4にけんか売るなんて、百万年早いんだ。」 男「お・覚えてろ!」弱弱しい声で言うと、男も出て行った。 類「他のお客に迷惑掛けてしまったから、みんなの分をこれで頼むよ。足りるかな?」 そう言って、店の主人にお金を渡した。 店の中から拍手が起こった。 F4もその後すぐに店を後にした。
美作「類、最後の最後でおいしいとこもってたな。」 類「そんなつもりはないよ。」 ここはいつもみんなが集まる防波堤であった。 司「せっかく楽しく飲んでたのに台無しだ。」 美作「ここで飲みなおそうぜ。俺、ビール買ってくる。」 西門「俺も行くよ。」 二人は夜の闇に消えていった。 司「類、おまえ、牧野のことはもう吹っ切れたのか?」 類「普通、そんなこと聞くか?」 司「気になるんだからしょうがないだろ。」 類「吹っ切るも何ももう何とも思ってないよ。」 司「ほんとだな。」 類「疑い深いな。」 司「それならいいんだ。この話はもうおしまいだ。」 類「勝手な奴だな。牧野は僕にとって、いっしょう大事な友達だ。」 司「類・・・」 類「今、好きな人がいるんだ。」類が静かに言った。 司「誰だ?俺の知ってる奴か?」 類「みんな知らない。」 司「付き合ってるのか?」 類「付き合ってなんかないよ。だってこの気持ちに気が付いたのは今だから。」 司「今?」 類「ああ、おまえに牧野のこと聞かれて、初めて自分の気持 |
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ゆきっち |
2006/06/23 10:21:54 |
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(メッセージは削除されました) |
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ゆきっち |
2006/06/23 10:22:18 |
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類「ああ、おまえに牧野のこと聞かれて、初めて自分の気持ちに気が付いた。」 司「おかしなこと言う奴だな。」 類「そうだな。」類はふっと笑った。 司「どんな子だ、いい子か?」 類「とってもやさしくて強い人だ。ちょっと牧野に似てるかな。」 司「今度、紹介しろよ。」 類「ああ、ちゃんと自分の気持ちを伝えたらな。」 司「頑張れよ。」 司はそう言って、類の肩に手を置いた。 美作「そこの二人、何語り合ってんだ。」 ビールを持って美作と西門が現れた。 西門「ビール買ってきてやったぞ。」西門は買ってきたビールを司に投げた。 司「サンキュー。」受取ったビールを司が開けると、中から泡が勢いよく飛び出した。 司「やったなー。」 西門と美作が大笑いしている。どうやら二人のいたずらのようだ。 司は西門のところに行き、持っているビールをもぎ取ると、思いっきり振り、それを西門のほうに向け、開けた。 勢いよく出た泡は西門の顔に命中した。 みんなはビールを掛け合い、まるで子供のようにはしゃいでいた。 その頃、つくしの家に懐かしい人が訪れていた。
つづく |
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のりこ |
2006/06/23 14:04:57 |
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ゆきっちさん 体調悪かったんだね(>_<) 無理しないでね
やっと司が帰って来て良かった~! ほんとに実写がいつも浮かんで来るよ。 あの数年前の可愛い旭がよみがえってくる湾
体気をつけてね~^(*・。・)ノ~~~βyёβyё |
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あい |
2006/06/23 15:42:08 |
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ゆきっちさん 忙しくしてるのかな~と思ったら 体調くずしてたのですね。 なかなか休んでられないかも しれないけど、無理ないようにね。 |
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ゆきっち |
2006/06/26 10:11:27 |
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のりこさ~ん、あいさ~ん、 ご心配かけました。少しずつでも更新していきたいと思いますのでよろしくお願いします。 なかなか更新されないときは、内職間に合わないんだなあと思ってくださいね(笑)
改めまして、皆さん、おはようございます。 今日の雨、すごかったですね。 上の仔はもうちょっとで休校と喜んでおりましたが、雨がザーザー降ってる中、警報解除で、ママ友の車に乗せてもらって登校しました。 なので、こうして今日も更新することが出来ました。 最近はこうやってPCに向かうことが珍しく、出来ることからこつこつとやっていきたいと思います。
それでは早速、 勝手に妄想小説 『 流星雨 花沢類篇 』No.46
★ 感動の再会?
類がホテルの部屋に戻ったのは夜遅くなってからだった。 奏が見つからないまま時間だけが過ぎ、あたりは夕日に包まれた。 類は部屋に戻らず、ホテルに着くと、最上階にあるラウンジへと直行した。 一人でお酒を飲むときは、部屋で飲むことが多かったが、このときはなぜか一人になることが嫌で、ホテルのラウンジへと向かったのである。 この日は酔いたい気分だったのに、飲んでも飲んでも気持ちは沈んだままだった。 重い足取りで部屋に戻ると、熱いシャワーを浴び、いつものようにベッドにもぐりこんだ。眠れないかと思っていたが、意外にも眠りは早く訪れた。 思った以上に類は疲れていたのかもしれない。 類の携帯がなった。 類「もしもし?」 電話の相手は意外な人物だった。 司「類か?今から台湾に戻るから。じゃあな。」 類「ああ、分かった。」司は用件だけ伝えるとさっさっときってしまった。 寝ぼけた類は返事だけするとまた眠ってしまった。 少し時間がたち、いつもなら朝まで熟睡の類が珍しく目を覚ました。 おぼろげながら聞いた司の声が耳の奥に残っていたせいだろうか。 類「司、今、台湾に帰るって言った?」 返事をしてくれる相手などいなかった。類は急いで阿川に電話を掛けた。 類「急いで台湾に戻りたい。手配を頼む。」 阿川「分かりました。手配が出来次第、連絡します。」 類は、ベッドに腰を掛 |
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ゆきっち |
2006/06/26 10:12:23 |
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切れちゃいました。続きです。
類は、ベッドに腰を掛けるとつくしのことを考えていた。 司のことだ、前もって牧野に連絡しているとは思えない。 司らしいといえば司らしいが、待っているものにとってはたまったもんじゃない。 しかしそれ以上に司の帰国を待ち望んでいたのだから、つくしは今頃大喜びしているに違いない。 類自身も、欠けていたものが自分のもとに戻ってくるようで、なんだか安心したというか、ほっとしたというか、変な気持ちだった。 少しして、阿川から連絡が入り、台北行きの飛行機に空きがないことが告げられた。 類は少し考えて、自家用ヘリの手配をするよう阿川に言った。
類がつくしの家に着くと、西門と美作がつくしの家を覗いているところだった。 美作「あいつ、何やってるんだ?」家を出たり入ったりしているつくしを見て、美作が言った。 西門「牧野もやっぱり女だったんだな。司に会えるのですっかり舞い上がってる。」 類「そんなんだ。」類は二人に声を掛けた。 美作・西門「類!」 美作「日本にいたんじゃないのか?」 類「司から連絡もらって、ヘリで戻ってきた。ああ、眠い。」 西門「びっくりさせるなよ。」 類「牧野も女の子らしいところがあったんだ。」 美作「あんなところ司が見たら、大喜びだな。」 西門「到着時刻にはまだ時間があるけど、道混んでたらいけないから、そろそろ行くか。牧野!そろそろ行かないと間に合わないぞ!」 まだ出たり入ったりのつくしに声をかけた。 つくし「!」声を掛けられ、初めてみんなの存在に気が付いた。 つくし「いつからそこにいたの?」 美作「何度も出たり入ったりしてるところなんて、俺達は見てないから。心配するな。」 美作は必死で笑いをこらえながら言った。 類「牧野、今日はすごくかわいいよ。そのスカートも良く似合ってる。」 つくしの顔は見る見る真っ赤に染まった。 西門「車で待ってるから、早くこいよ。」 三人は真っ赤な顔のつくしを残し、車へと向かった。
美作「やっぱり牧野も女だったんだな。」 西門「あんなところ始めてみたような気がするな。」 類「そうだな。それだけ司が戻 |
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ゆきっち |
2006/06/26 10:13:06 |
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切れちゃいました。続きです。
類「そうだな。それだけ司が戻ってくるのがうれしんだろな。」 司「何がうれしって?」 美作「だから、おまえが帰るのがうれしっていってるだよって、司!おまえこんなところで何してるんだ!」美作がまるでアニメのようなのり突っ込みで言った。 三人が振り返ると、俺がここにいて何が悪いといった態度の司が立っていた。 類も西門も美作もしばらく言葉を失ってしまった。 西門「おまえ、何してるんだ?今から空港に迎えにいこうと思ってたのに。」やっと西門が口を開いた。 司「何してるんだって言われても、直行便がいっぱいだったから、乗り継ぎで帰ってきたんだ。」 類「直行便のキャンセル待ちも出来ないほど、早く帰ってきたかったんだろ。」 美作「それだけ、早く牧野に会いたかったってわけだ。」 司「・・・」 西門「司、耳まで真っ赤だぞ。」 司「・・・」 類「早く牧野のところに行ってやれよ。牧野も司と同じ気持ちだよ。」 司「ああ。」司は足早に家に入っていった。 美作「やっぱり天下の道明寺司様だ。なにやらかすかわかんね。」 西門「驚かされてばっかりだ。」
つくし「キャー!あんた誰よ。何するのよ!」 司「いて!何すんだよ。」 家の方から二人の声が聞こえた。 美作「あいつら何やってるんだ?」 三人は門の中を覗いてみた。 つくし「道明寺!」 司「痛てえなー。二年も会えなかった恋人にいきなり殴るけるの暴行か?」 つくし「あんたが急に後ろから抱きつくからでしょ!痴漢かと思ったじゃない!」 司「痴漢?!誰がおまえのない胸触るか!」 つくし「何ですって!もう一発殴られたい?」 司「なんだよ、その態度は?苦労して帰ってきたのに。」 つくし「帰ってきたで思い出した。どうしてこんなところにいるのよ?」 司「親父が復帰して、俺の仕事も片がついたから、少しでも早く戻ってやろうと思って、キャンセル待ちまでして帰ってきてやったんだぞ!」 つくし「帰ってきてやった?!」 司「そうだよ。直行便がねーから、乗り換えて、それもファーストクラスがいっぱいで、エコノミーで帰ってきたん |
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ゆきっち |
2006/06/26 10:14:22 |
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切れちゃいました。続きです。
司「そうだよ。直行便がねーから、乗り換えて、それもファーストクラスがいっぱいで、エコノミーで帰ってきたんだぞ。この道明寺司がだぞ。」 つくし「誰も頼んでないわよ。」 司「なんだと!」 つくし「あんた、ニューヨークに行ってる間にまたわがままな司坊ちゃんに戻ったんじゃないの。」
美作「あれが二年も会えなかった恋人同士の会話か?」 西門「感動の再会があれか?成長がないやつら・・・」 司とつくしのやりとりを見ていた二人が言った。 類「僕はむしろうれしいけどな。二年の月日が経ってもあの二人は何も変わらない。時間なんてあの二人には関係ないんだ・・・」 司も牧野も何も変わってはいない。愛する心は硬く結ばれ、何も変わることはなかった。 奏の心もまた何も変わっていないのだろうか? たとえ相手が永遠に現れないとしても・・・ 西門「そんなものかな・・・」 美作「でも、懲りない奴らには変わりないな。それに俺達の存在、すっかり忘れてるよ。」 その間にも二人の口げんかは続いていた。
つくし「それにあのインタビューは何よ。人の名前を公衆の面前で堂々と・・・」 急につくしが黙った。いや、正確には黙らされたというべきだろう。 司がつくしをもう一度強く抱きしめたのだった。 司「うるさい奴だな。少し黙ってろ。文句は後できいてやるから。」 つくしは司の胸に身をゆだねた。
類「僕達は退散したほうが良さそうだな。」 西門「そうだな・・・」 お互いには言わないが、二人の胸は少しいたんだ。 美作「おまえ達も複雑だな。」 そんな二人の表情を敏感に読み取って、美作が言った。 類の微妙な表情の変化は、つくしのせいではなかった。 それを二人はまだ知らなかった。 F3は二人には何も言わず、その場を立ち去った。
つづく |
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ゆきっち |
2006/06/26 10:19:50 |
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『流星雨』内容が、先週の流星3と重複しております。 ちょこっとずつ、変わってる部分もありますので、どうぞ読んでやってくださいね。
それでは続きまして、流星3でございます。
それでは早速、勝手に妄想『 流星花園3 』はじまりはじまり~
★★ またまた・・・ ★★
司が夜遅く帰ってきた。 つくし「おかえり。」 「おかえりなさい。」つくしの声に混じってもうひとつ声がした。 司「ただいま。って、なんでおまえがここにいるんだ!」 つくし「いろいろ事情があって・・・」 司「じじょう?そんなもん知るか!」 「ごめんよ。道明寺・・・」この弱々しい声は・・・ つくし「道明寺、和也くんにだっていろいろ大変なんだからそんなこと言わないでよ。」 そう、日本にいるはずの和也がなぜかここにいた。 司「成金野郎、おまえ、日本に留学してるはずだろ?」司の意見はもっともだった。 和也「それが・・・」 司「はっきり言えよ。」 つくし「和也くんのお父さんの会社、倒産したみたいなの。」 司「倒産?」 つくし「うん。それで仕送りがこなくて、とりあえず、ミミにお金借りて、戻ってきたんだって。」 司「情けねえな。それなら、自分の家に帰ればいいだろ、わざわざここに来る必要ないじゃないか!」 つくし「和也くんだってそうしたわよ。だけど、家がもう人手に渡ってって、お父さん達、どこにいるか分かんないの。」 和也「ごめん。道明寺・・・」また消え入りそうな声で和也が言った。 つくし「和也くんが謝る必要なんてないよ。」 司「つくづくかっこわるい奴だな。」 つくし「あんたって、どうして傷口に塩をぬるようなこと言うの。」 司「なんだよ。俺、塩なんてぬってねーぞ。」 つくし「あんたって・・・もういい。相手してると疲れる。和也くん、今日はゆっくり休んで、これからどうするか明日考えましょ。」 司「ここに泊まるのか?!」 つくし「別にいいでしょ?いっしょの部屋に寝るってわけじゃないんだから。和也くん、このソファーでもいいかな?」 和也「うん。大丈夫。」和也がごめん以外の言葉を始めて発した。 司が鬼のような |
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ゆきっち |
2006/06/26 10:20:25 |
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司が鬼のような顔で睨んでいるので、和也はなるべく目が合わないように目線をそらした。 それから、何日かこの奇妙な共同生活は続いた。 その間、つくしはいつもと変わらず仕事をして、時間を作っては和也の両親を探した。 司もしぶしぶ両親探しの手伝いをした。 和也の両親と連絡が取れたのは、司とつくしのところに転がり込んで、ちょうど十日目のことだった。 自宅も差し押さえられ、借金の返済の資金集めにあちこち飛び回っていたそうだ。 とりあえず借金はすべて返し、手元には何にも残ってはいなかったが、和也の両親はもとに戻っただけと明るく言っていた。 和也はそんな両親を見て、自分がしっかりしなくてはと思ったのか、今までにない頑張りを見せ、家族が住めるアパートを探し、仕事も見つけてきた。 このことで、和也はずいぶん成長したとつくしは思った。 つくしが司の様子がおかしいことに気付いたのは、司が台北に戻ってすぐのことだったが仕事も忙しく、和也のこともあったので何も聞けずにいた。 そんな気持ちを見透かしてか、和也の一件が解決したころ、楓から電話がかかってきた。 司抜きで会いたいと・・・
★★ 司の望むもの ★★
楓「お久しぶりね。牧野さん。」 ここは道明寺のお屋敷である。つくしにとっては懐かしい場所でもあった。 つくし「お久しぶりです・・・」 楓「司は元気にしているかしら?」 いつにない笑顔を見せる楓につくしは恐ろしさを感じていた。 楓「そんなに怖い顔をしなくても。別にあなたや司に何かしようなんて思っていないわ。」 つくしはそんな風に言われても、今までが今までである、安心は出来なかった。 つくし「道明寺のことでなにか?」 楓「せっかちな方ね。今日はあなたとゆっくりお話したいと思って、お呼びしたの。」 つくしはますます怖くなった。また何か企んでいるのではと・・・ 部屋の外では、椿が心配して、聞き耳をたてていた。 楓「立ってないでどうぞお座りになったら。」 つくしは楓の勧めるまま、ソファーに腰をおろした。 楓「司が台北に戻って、二週間ぐらい経つかしら?」 つくし「はい。」 楓「司の様子はどう? |
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ゆきっち |
2006/06/26 10:21:07 |
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つくし「・・・」 楓「思った通りね。何も言わないということは、あなたも気付いてらっしゃるのね。」 確かに司の様子はおかしかった。 時々ぼんやりして何やら考え込んでいることがあった。 そしてつくしに隠れてこそこそ誰かに電話を掛けていた。 つくし「何のことですか?」 楓「勘のいいあなたならお分かりのはずよ。司が何をしたいのか、何を望んでいるのかね。」 つくし「それは・・・」 楓「司がどこで生きるべきか・・・司のことを思うのならよく考えることね。」 つくしが戸惑っているのが分かると、楓は畳み込むように言った。 つくし「・・・」つくしは何も言い返せなかった。 楓「あの子は道明寺に生まれ、小さいころから家を継ぐよう育てられてきたの。私達の血が流れているんですもの、一度覚えてしまった成功の美味は忘れられないはずよ。人の上に立つとはそういうこと。」 この人はいったい何をいっているんだろう・・・ 私はいったいここで何をしているんだろう・・・ つくしは楓の言葉に動揺し、頭の中は何かもやがかかったように、見たくないものから、目をそらそうとしていた。 こらえきれず、椿が部屋に入ってきた。 椿「お母様、何をおしゃっているんですか?司が誰を選ぼうと何も言わないっておしゃったじゃありませんか!つくしちゃん、お母様のいうことなんか無視していいのよ。」 楓「立ち聞きなんてはしたない。あなたが口を出す問題ではないわ。私は牧野さんとお話しているの。それにあなたはもう道明寺の人間ではないのよ。口を慎みなさい!」 椿「お母様!司は私の大事な弟です。それにつくしちゃんは私にとって司以上に大事な妹のうようなもの。黙ってるわけにはいきません。」 つくし「お姉さん・・・ありがとうございます。私のためにけんかなんてしないでください。そう言っていただけるだけで十分です。」 椿が出てきたことで、つくしは落ち着きを取り戻した。 現実から目をそらしてはいけない・・・ 椿「つくしちゃん・・・」 楓「椿、あなたよりよっぽど牧野さんの方が物分りが良さそうね。牧野さん、あなたもよく考えることね。司にとって何が一番いいことか。」 つくし「分かりました。道明寺が一番幸せになれ |
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ゆきっち |
2006/06/26 10:23:08 |
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つくしは楓をまっすぐ見て言った。 楓「よろしいでしょう。いいお返事をまってるわ。失礼。」 楓は部屋を出て行く瞬間、振り向きもせず、つくしにある言葉を言った。 その言葉を聞いて、つくしはその場をしばらく離れることが出来なかった。
★★ 楓のことば ★★
つくしは司と話し合うことにした。 やさしい司のことだ、何も言わなければこの平穏な生活は続いていくだろう。 しかしつくしは黙ってこのまま司との生活を続けるわけにはいかなかった。 楓の言葉を聞いてしまったから、いや、つくしの性格からして、楓のことがなくても、口に出していただろう。 つくし「道明寺、あんたに話があるの。ここに座って。」 司「なんだよ。真剣な顔して。俺、何かしたか?」 つくしの真剣な顔を見て、司が言った。 つくし「あんた、私に何か隠してることがあるでしょ?」 司「何も隠してねーよ。」 つくし「こそこそ電話してるの知ってるよ。」 司「浮気なんかしてねーぞ。」 つくし「そんな心配はしてない。あんたにそんな器用なことできるわけないから。」 司「・・・」 つくし「はっきり言って。仕事のことが気になってるんでしょ?」 つくしは司にそう言いながら、以前誠に言われた言葉を思い出していた。 『司も男だ、仕事をしていく上で、野望も欲も出てきただろう。もし、私が復帰した時、道明寺を捨てられなかったら、君の元に戻ってこなかったら・・・君はどうする?』 『仕事のうえで成功すればするほど、のめりこんでしまう。一種の中毒のようなものだ。かつての私がそうだったように・・・そうやって私は愛する人も家族も失っていった。』 『もし君や司が愛するものを失ってしまったら・・・』 そう司を失ってしまったら自分はどうなるんだろう・・・ 司「それは・・・」 つくし「隠さず話して。」 司「分かったよ。仕事のことが気になって、電話してた。始めは、親父が元気になるまでって思ってやってた仕事がだんだん楽しくなってきて。親父の病気のことはあんまり考えなくなってた。俺だってやれば出来るんだって。なんていったらいいのかな・・・毎日が充実してるっていうか・・・今までに味わったことのない気持ちだった。親父 |
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ゆきっち |
2006/06/26 10:23:40 |
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司「分かったよ。仕事のことが気になって、電話してた。始めは、親父が元気になるまでって思ってやってた仕事がだんだん楽しくなってきて。親父の病気のことはあんまり考えなくなってた。俺だってやれば出来るんだって。なんていったらいいのかな・・・毎日が充実してるっていうか・・・今までに味わったことのない気持ちだった。親父が元気になって、おまえに会えると思ったら、仕事のことはどうでもいいと思った。ここに戻って、おまえの側にいられることはすごくうれしい。おまえがいれば他に何もいらない。今でもその気持ちは変わらない。でも、何だか胸に何か引っ掛かってるような気がして、俺もどうしていいか分からない。」 つくし「道明寺に戻って、仕事をしたい?」 司「確かに仕事のことは気になるけど、おまえと離れるのは二度とごめんだ。」 つくし「私と離れなければ?」 司「どう意味だ?」 つくし「私がいっしょだったら?」 司「おまえ、自分が何言ってるのか分かってるのか?」 つくしは、楓が最後に言った言葉を思い返していた。 あの時、楓は確かにこう言った。 『牧野さん、つくしというのは図太くてしぶとい雑草でしょ?どこにだって根を張って、春になれば芽を出す。強い雑草ならどこでだって生きていける・・・』 司「俺といっしょに道明寺に行くってことか?!」 つくし「あんたは私のために道明寺を捨てた。今度は私があんたのために何かをする番。」 司「牧野・・・」 つくし「雑草つくしはどこでだってしぶとく生きていける。あんたが側にいれば、熱い砂漠だって、南極だって北極だって、空気のない宇宙でだって生きていける!」 司「空気がなかったら生きてけないだろ。」司は真剣に言った。 つくし「わたしがあんたのことをしあわせにする!」 二人は見つめ合い、しばらくして同時に笑い出した。 そして、司はしっかりつくしを抱きしめた。
つづく |
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のりこ |
2006/06/27 00:11:45 |
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こんばんは
やっぱり司とつくしの愛は深~~~~いのねヾ(@⌒ー⌒@)ノ
でもって類は自分の気持ちに気づくも相手が行方不明(>_<)
どちらもこの先ますますきになります。 でも体調やらお仕事とか無理しないで下さいね! |
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ゆきっち |
2006/07/07 12:22:04 |
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のりこさん お返事遅くなって申し訳ありません。 またまた、内職に追われておりました。
類も司みたいに単純だったらいいんですけどね。 |
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ゆきっち |
2006/07/07 12:43:47 |
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更新もとってもお久しぶりでございます。 なかなか執筆活動をする時間が出来なくて、更新もできませんです。 今日もちょこっとしか出来ませんが、一応更新しておきます。
それでは早速、 勝手に妄想小説 『 流星雨 花沢類篇 』No.47
★ 本当に気持ち
司「類、おまえ、牧野のことはもう吹っ切れたのか?」 西門と美作がビールを買いに行ってしまうと、司が類に言った。 類「普通、そんなこと聞くか?」 司「気になるんだからしょうがないだろ。」 類「吹っ切るも何ももう何とも思ってないよ。」 司「ほんとだな。」 類「疑い深いな。」 司「それならいいんだ。この話はもうおしまいだ。」 類「勝手な奴だな。牧野は僕にとって、いっしょう大事な友達だ。」 類は、今はつくしのことを本当に友達だとはっきり言えた。 以前はつくしのことを思うとすこし胸が痛んだが、今は幸せになってほしいと心から思っていた。 司「類・・・」 類「今、好きな人がいるんだ。」類が静かに言った。 類は司にそう言って、自分でも少し驚いた。 司「誰だ?俺の知ってる奴か?」 類「みんな知らない。」類の脳裏には奏の笑顔を浮かんでいた。初めて会ったときのあの笑顔を。 司「付き合ってるのか?」 類「付き合ってなんかないよ。だってこの気持ちに気が付いたのは今だから。」 そう、類は司に聞かれ、初めて自分の気持ちに自身が持てた。 司「今?」 類「ああ、おまえに牧野のこと聞かれて、初めて自分の気持ちに気が付いた。」 今までは、どんな女性に会っても、どこかでつくしと比べ、今一歩踏み込むことが出来なかった。心の真ん中にはつくしがいた。 しかし、奏に出会ってから、つくしの存在がだんだんと変わってきた。 奏とつくしを比べることもなく、つくしと会っていても、思うのは奏のことばかりになってきていた。 司の言葉で、ようやく類はそのことに気がついた。 司「おかしなこと言う奴だな。」 類「そうだな。」類はふっと笑った。 司「どんな子だ、いい子か?」 類「とってもやさしくて強い人だ。ちょっと牧野に |
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ゆきっち |
2006/07/07 12:44:39 |
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切れちゃいました。続きです。
類「とってもやさしくて強い人だ。ちょっと牧野に似てるかな。」 司「今度、紹介しろよ。」 類「ああ、ちゃんと自分の気持ちを伝えたらな。」 類は奏に自分の気持ちを伝えようと思った。 司「頑張れよ。」 司はそう言って、類の肩に手を置いた。 美作「そこの二人、何語り合ってんだ。」 ビールを持って美作と西門が現れた。 西門「ビール買ってきてやったぞ。」西門は買ってきたビールを司に投げた。 司「サンキュー。」受取ったビールを司が開けると、中から泡が勢いよく飛び出した。 司「やったなー。」 西門と美作が大笑いしている。どうやら二人のいたずらのようだ。 司は西門のところに行き、持っているビールをもぎ取ると、思いっきり振り、それを西門のほうに向け、開けた。 勢いよく出た泡は西門の顔に命中した。 みんなはビールを掛け合い、まるで子供のようにはしゃいでいた。 類も心のもやが晴れたようで、腹のそこから笑った。
つづく |
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ゆきっち |
2006/07/07 12:47:58 |
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流星3もクライマックスに近づいてまいりましたよ~。
それでは早速、勝手に妄想『 流星花園3 』はじまりはじまり~
★★ 幸せの出発点 ★★
道明寺はまた、ニューヨークに旅立った。 今度は以前のようなつらい旅立ちではなかった。 道明寺はおじ様の仕事を手伝いながら、二週間に一度は私に会いに帰ってきてくれた。 時々、お姉さんも双子ちゃんといっしょに戻っては、子守りを押し付けるので、道明寺はぶつぶつ文句を言っていた。 でも、甥っ子と姪っ子がかわいいらしく、何をしても怒らない。 そんな道明寺を見るのはなんだか新鮮だった。 そうそう、家が倒産してしまった和也くんは道明寺の助けもあり、もう一度会社を再建することになった。 和也くんは副社長の肩書きをもらい、一生懸命働いている。ご報告までに・・・ ミミは日本の旅行代理店に就職が決まり、和也くんとは遠距離恋愛を続けている。 他のみんなはというと・・・ 美作はシノさんが妊娠して、もうすぐパパになる予定。 あの美作がパパだなんてなんだか笑ってしまう。 赤ちゃんを抱く美作なんて想像もつかない。 妊娠発覚後、安定期に入ったシノさんが台湾郊外でのコンサートに出演することになり、それを聞いた美作は仕事を全部キャンセルして、シノさんに着いて行ったらしい。 今からその調子なのだから先が思いやられる。 これでは仕事にならないと思ったシノさんはこの後のコンサート出演をすべて断ったらしい。シノさんも大変だ。 西門と滋さんはこの前、大喧嘩をしたらしく、散々滋さんから西門の悪口を聞かされた。 その次の日、事務所にバラの花束が届き、滋さんはあっさり西門を許した。 私からみれば鳥肌が立つような行動も、二人にとっては幸せなんだろうな。 そんなことをさらっとやってのける西門がまた憎らしい。 お互いの両親に紹介したとうれしそうに滋さんが言っていたので、よい知らせが聞けるのももうすぐだろう。 滋さんのウエディング姿、綺麗だろうな~。ボン、キュッ、ボンだもんな~。 西門のタキシード姿も、誉めるのはしゃくだけど似合ってしまうんだろうな~。 私は幼児体型だからなあ~って、私のことは今 |
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ゆきっち |
2006/07/07 12:48:51 |
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私は幼児体型だからなあ~って、私のことは今関係ない。 花沢類は最近、日本に行ったまま台北にほとんど戻ってこない。 西門と美作は、女が出来たんだと騒いでいたが、ほんとのところはよく分からない。 でも、花沢類に好きな人が出来たのならば、私はうーんと応援してあげようと思う。 類が私を応援してくれたように・・・ 今の私はというと?
★★ 不安 ★★
鏡の中にドレスを着ている私がいる。これは夢? 夢かとも思ったが、どうもそうではないらしい。 ほほをつねれば痛いし、目をこすって何度見てもつくしはそこにいた。 滋「わーつくし、きれい!」滋がうっとりして言った。 滋「私も早く着たいなあ。」 つくしはもう一度、鏡の中の自分を見た。ウエディングドレスを着た自分を・・・ そう今日は司とつくしの結婚式である。 滋「つくし、ほんときれいだよ。それに司もロマンティストよね~。思い出の教会で結婚式なんて。ほんと良かったね。」 ここは司とつくしの思い出の場所、そうバルセロナの教会である。 つくし「ありがとう。」緊張しているのか、いつもの元気がなかった。 滋「緊張してるの?大丈夫?何か飲み物持ってこようか?ちょっと待ってって。」 滋が控え室から出て行くと、つくしは考え込んでしまった。 本当にこれでいいのだろうか?私が道明寺に嫁ぐなんて・・・ 緊張と不安で、急に恐ろしくなったつくしは何を思ったか、控え室から逃げ出そうとした。 「つくし、何をしているの?」 つくし「エルサ?!」 エルサ「つくし、まさか逃げ出そうとしてたんじゃないよね?」 つくし「ま・まさか・・・私が逃げるなんて、そんなことないわよ。」 かなり動揺して、声が上ずってしまった。 エルサの大きな吸い込まれそうな瞳を見ているとうそはつけなかった。 つくし「エルサにはうそつけないな。急に怖くなって、逃げ出したくなちゃったの。私が道明寺家のお嫁さんなんて・・・やっぱり間違ってるんじゃないかと思って。あの女帝が待ってるかと思うと・・・」 エルサ「つくし、落ち着いて。あなたは道明寺家と結婚するんじゃない。司と結婚するの。司を信じていればいいの。司を愛して |
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ゆきっち |
2006/07/07 12:49:30 |
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エルサ「つくし、落ち着いて。あなたは道明寺家と結婚するんじゃない。司と結婚するの。司を信じていればいいの。司を愛していればいいのよ。」 つくし「道明寺を信じてれば・・・」 エルサ「そう。司があなたを守ってくれる。」 つくし「そう、そうだよね。私はあいつと結婚するんだ。女帝と結婚するわけじゃないんだから。私がどうして逃げなきゃいけないの。うん、そうだ。」 エルサ「そうよ。おば様なんてやっつけちゃえ。」 つくし「やっつけちゃえって・・・エルサ。他人事だと思って。」 エルサ「だって他人事だもん。」 つくし「エルサ!」 エルサ「ごめんごめん。つくしなら大丈夫だよ。おば様だってあなたの良さが分かって、結婚をお許しになったんでしょ?」 つくし「そうかなあ・・・」
美作「こんな日がくるなんてな。奇跡だよ。」 西門「ほんとだ。女なんかに見向きもしなかった司が結婚なんてな。」 美作「まさか本当に牧野と結婚するとは思わなかったよな。単純な奴は恐ろしいよ。思い込んだら一直線だもんな。」 司「いつまでも言ってろ。」 西門「道明寺を捨てて、おまえが牧野を選んだ時は、まじで庶民になるのかと思ったけど、やっぱりこっちに戻ってきたな。牧野まで連れてな。おまえはほんとにすごいよ。」 美作「女帝もおまえたちの愛に負けたんだな。」美作がおどけていって、司に睨まれた。 類「おば様が何のメリットもなく、牧野との結婚を許すかな?」 西門「類、恐ろしいこというなよ。おば様がまだなにか企んでるっていうのか?」 類「分からないよ。あのおば様のことだから・・・」 司「もうやめてくれ。そんなこと言うなよ。」 美作「おまえも苦労するな。結婚式の当日まで心配だなんて。この先、大変だな。ま、分からないことがあったらいつでも俺に聞け、なんてったって結婚の先輩だからな。」 司「おまえ、いつもそれだな。」 美作「こんな時くらいしか、おまえの上位にはたてないからな。」 司「言ってろ!」 西門「おい司、呼んでるぞ。そろそろ行かないと。」
★★ 楓の思惑 ★★
椿「お母様、よく二人の結婚をお許しになりましたね。」 誠「私も不思議で |
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ゆきっち |
2006/07/07 12:50:02 |
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誠「私も不思議でならないよ。」 楓「・・・」楓は何も答えなかった。 椿「司が結婚のことやつくしちゃんのことを言った時も、あんなにあっさり受け入れるなんて思いもしなかったわ。」 誠「楓も心境の変化があったんだろう。」 楓「これもビジネスのひとつよ。私は司と牧野つくしと結婚という契約をしただけ。それに私が何もなく二人の結婚を許すと思ってるの?」楓は不適な笑いを浮かべた。 椿「お母様、何を考えてらっしゃるの?」椿は自分の母ながら、恐ろしくなってきた。 楓「いずれ私も年をとり、仕事が出来なくなる。いくら司が頑張ってもホテル経営までは無理よ。あなたはもう道明寺の人間ではないから、後継者にはできない。道明寺の名を消すことはできないわ。」 誠「おまえ、まさかつくしちゃんをメープルホテルの後継者に・・・」 楓「才覚は司よりありそうだし、私にたてつく度胸もあるわ。それにあの子がいれば司も逃げ出すことはないでしょう。庶民を道明寺家に入れることで道明寺のイメージが悪くなるというデメリットを差し引いてもこの結婚にはメリットがあると思ったから二人と契約した。これで道明寺の名が終わることはない。」 椿「お母様、あなたという人はどこまで・・・」 誠「椿、やめなさい。楓がどう言おうとつくしちゃんを認めて、結婚を許したんだ。楓もつくしちゃんの良さは十分分かっていると思うよ。」 タマ「奥様、もう少し素直になられてはいかがですか?」 椿「お母様、これだけは言っておきます。つくしちゃんはお母様のいいなりになるような子じゃないわ。思い通りにはならない。」 楓「そんなの分かってるわ。だから面白いんじゃない。私にたてつくことは許さない。困難なことを可能にする、ビジネスとしては最高だわ。」 この人は懲りないというか、ただでは起きないというか、楓らしいといえば楓らしい。 つくしの前途は意気揚揚とはいかないようである。
つくし「寒!」つくしは急に寒気がして、震えた。 エルサ「どうしたの?風邪?」 つくし「ううん。急に寒気が・・・誰かに睨まれたような・・・蛇に睨まれた蛙って感じ。 前にもこの視線どこかで感じたな・・・そうだ、女帝よ、道明寺のお母さんに睨まれた時の感じよ。あ~、 |
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ゆきっち |
2006/07/07 12:50:41 |
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前にもこの視線どこかで感じたな・・・そうだ、女帝よ、道明寺のお母さんに睨まれた時の感じよ。あ~、また不安になってきた。」 「つくし、しっかりしなさい。つくしらしくないよ。」 つくし「ゆうき!来てくれたの?」 ゆうきが部屋に入ってきた。 ゆうき「もちろんじゃない。つくしの結婚式にこないわけないじゃない。」 つくし「ありがとう。ゆうき。」 エルサ「つくし、先にチャペルに行ってるね。」 エルサが気を利かせて、つくしとゆうきを二人っきりにしてくれた。 ゆうき「つくし、やっとここまできたんだね。」 つくし「うん。」 ゆうき「つくしなら大丈夫。道明寺さんのお母さんだって、つくしのよさをきっと分かってくれる。私が保証する。」 つくし「ゆうき・・・ありがとう。持つべきものは友達だね。私、負けない。」 ゆうき「負けないって。いまから結婚式なんだけど・・・」 つくし「そうだね。これじゃあ何か戦いに行くみたいだね。」 ゆうき「そうだよ。つくし。」二人は笑った。 ゆうき「ところで、おじさんとおばさんは?」 つくし「外で小躍りでもしてるんじゃない。玉の輿玉の輿って喜んでたから。ほんとあの人たちには困ったもんだよ。」 つくしのパパとママは、チャペルの前で大きなくしゃみをした。 ゆうき「和也くんにさっき会ったけど、もう泣いてたよ。つくしちゃん~って。」 つくし「和也くん・・・少しはしっかりしたと思ったんだけど・・・」 そこにつくしママが現れた。 ママ「つくし、そろそろ時間よ。まあ、ゆうきちゃん。元気だった?今日はありがとうね。やっぱりつくしはやってくれたわ。あの道明寺財閥に嫁ぐなんて。無理して英徳に通わせた甲斐があったわ。思えば、パパとママが立てたシンデレラ計画が効をそうして・・・」 つくし「ママ!もう時間なんでしょ!」つくしママの話をさえぎってつくしが言った。 ママ「つくし!これからがいいところじゃない。」 つくし「ママ!」 つくし「分かったわよ。そんな怖い顔しなくても。そんなことじゃ道明寺さまに嫌われるわよ。」 つくし「この顔はもともとなの!さあ、行きましょ。」 ママ「この子ったら・・・ゆうきちゃん、話はまた後でゆっくりとね。」 |
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