『勝手に妄想小説』じゃけん★
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ゆきっち 2006/04/14 10:10:17
皆さん、おはようございます。
流星3ネタをひとつ。
昨日、流星3の本(広島支部の方はお分かりでしょうか)を見ながら流星雨を執筆中、そのまま出しっぱなしにして忘れてしまい、だんな様に見つかってしまいました。
だんな様「あれなに?」
我「この前(オフ会)、もらったんじゃ・・・」
だんな様「最後に妄想って書いてあったけど、誰かが書いたん?」
我「知らん・・・」
だんな様「気持ち悪い・・・」
気持ち悪いとは何ですか!と思いつつ、わらってごまかす私。
だんな様「ママが書いたん?」
我「違う!」

ちょこっとばれてるかもしれないけど、だんな様には我の密かな楽しみを知られてはまずいと思い、あくまでしらを切りました。
PCから証拠を隠滅しないといけないかな?
ゆきっち 2006/04/14 10:11:50
★ラビさん
ネタばれしてました?
名前考えてたら金城武が浮かんできた。
なんて安易な名前の付け方でしょう。すいませ~ん。
ゆきっち 2006/04/14 10:16:23
誰に何と言われようとも、この密かな楽しみだけはやめられません。
ばれたらどうしようと思いつつ、今日も執筆活動。

それでは早速、
勝手に妄想小説 『 流星雨 花沢類篇 』No.32

父「遅くなってすま・・・」入ってきた父親は奏の顔を見て、言葉を飲み込んだ。
奏「!」奏もハッとした。
母「あなた、こちら主任さんのえ~っと、すいません。なんておっしゃったかしら?気が動転してて。」母親は奏の方を見て言った。
奏「・・・主任の野口です。お父様でいらっしゃいますか?」
父「・・・はい・・・」
奏「それでは、入院についてご説明させていただきます・・・」
奏は、一通り説明すると病室を出た。
そこに渡辺が通りかかった。
渡辺「先輩、どうしたんですか?顔、真っ青ですよ。」
奏「・・・何でもないわ。何でも・・・」奏は自分に言い聞かせるように言った。
奏は、父親の顔を見てから、自分が何を言ったか、どうしたのか、思い出せなかった。
それほど、動揺していたのである。
奏「渡辺さん、ちょっと気分が悪いから、休憩室に行ってるわ。」
渡辺は驚いた。こんなことをいう奏は初めてだったからだ。
渡辺「大丈夫ですか?先輩、今日、日勤でしたよね。あと二時間であがりですかから、もう帰ってください。後はなんとかなりますから。」
いつもの奏なら、そんな後輩の申し出を断るだろうが、今日は違っていた。
奏「そう、ごめんね。そうさせてもらうわ。」
渡辺「士長には、わたしから話しておきます。」
奏「お願い。ごめんね。」奏は早くこの場から立ち去りたかった。
あの男に会ってしまったことを忘れたかった・・・

次の日、奏は重い足取りで病院に向かった。
勤務時間より、一時間も早く家を出たが、どうしても病院に入れず、あの土手に来ていた。
類とあんな別れ方をしてから、ここから足が遠のいていた。
そこは奏の心とは関係なく、いつもの変わらないのどかな風景が広がっていた。
土手に座り、空を見上げて、奏はつぶやいた。
奏「心(シン)、どうしよう。私、どんな顔をして、真吾くんに会えばいいの。ちゃんと仕事できるかな?」シンと
ゆきっち 2006/04/14 10:17:22
奏「心(シン)、どうしよう。私、どんな顔をして、真吾くんに会えばいいの。ちゃんと仕事できるかな?」シンとはいったい誰のことだろう?
そこには奏がいるだけ、返事をしてくれるものは誰もいなかった。
『あなたなら大丈夫.』
奏「え!」
奏には声が聞こえたような気がして、後ろを振り返った。
それは類の声に似ていたようなそんな気がした。
奏「そんなわけないか・・・」
奏は大きく深呼吸すると、意を決して立ち上がり、病院に向かった。

つづく
Rabbit 2006/04/14 10:19:31
ゆきち~~~!!
ΣΣΣ≡(/*@д@)/工エエェマヂデェエエ工
なんと~~~!!!旦那さんにばれちゃった(^^”
この際、しっかりばらしちゃったら????ア八八(^^)
ゆきっち 2006/04/14 10:20:51
続きましては、問題の『流星3』でございます。

それでは早速、勝手に妄想『流星花園3』はじまりはじまり~

★★ 二人の歩む道 ★★

次の日、ほっとくといつまでも眠っている類をたたき起こし、家から追い出すと、二人は店に向かった。
昨日臨時休業にしてしまったので、今日は店を開けることにした。
誠と楓に会いに行くのは、仕事を終えてからと決めた。
二人は仕事に集中し、他のことはなるべく考えないようにした。
あっという間に時間が過ぎ、閉店の時間を迎えた。
つくし「行こうか?」
司「おう。牧野、おまえにこれだけは言っておく。どんなことがあっても俺はおまえのことを離さない。お袋が何言っても別れるなんて言うな。」
司はつくしがまた自分を犠牲にして、身を引こうとすることを恐れていた。
つくし「道明寺・・・大丈夫。私もあんたのことをもう失いたくないから絶対別れたりしない。あんたのこと信じてついていく。」
司「牧野、ありがとう。」
つくし「何言ってんのよ。」
司「俺を信じてくれてありがとう。」
つくし「何あらたまって言ってんのよ。早く行こう。」
司が急に真剣な顔をして言うので、つくしは照れてしまった。

二人は、嵐の中をすすむ船のようにどこへ着くかも分からないまま今漕ぎ出そうとしていた。
二人の幸せのため、みんなの幸せのために・・・
不安なつくしの心とはうらはらに空はきれいな夕焼けに染まっていた。

★★ 私たちが無くしたもの ★★

二人は誠の入院する病院に来ていた。
病室の前には、二人を心配する椿とタマの姿があった。
司「姉貴。」
椿「お母様から話しを聞いたわ。司、あんたが犠牲になることないのよ。やっとつくしちゃんと幸せになれたのに・・・。」
司「俺は犠牲になるつもりはないよ。牧野のこともあきらめるつもりはないから。」
司はきっぱりと言った。
椿「司・・・。もう何にも言わないわ。あんたの思うようになさい。つくしちゃん、私にできることがあったら何でも言ってね。」椿は司とつくしを交互に見ながら言った。
つくし「ありがとうございます。」
タマ「
ゆきっち 2006/04/14 10:21:32
タマ「司坊ちゃん、つくし、頑張ってくださいね。」
司「ありがとう。」
二人は、病室へと入った。

そこには、少しやつれた誠と、鬼の形相をした楓が待っていた。
楓「どうしてここに部外者がいるのかしら?」楓は強い口調で言った。
司「牧野は部外者じゃありません。俺の婚約者です。」
楓「私は認めてはいないわ。出てってちょうだい!」
つくし「出て行きません。おじ様とおば様が道明寺いえ司さんが道明寺家に戻ることをお許しいただけるまで。」
楓「なんてずうずうしいの。あなたのせいで司は道明寺を出て行ったのよ!」
誠「楓、少し落ち着きなさい。」
楓「あなたは黙っててください。なんにもしらないくせに!」楓はヒステリックに叫んだ。
誠「すまない。でも、今は司と牧野さんの話しを聞こうじゃないか。」
楓は、二人に背を向けたまま、返事もしなかった。
誠「司、昨日も言ったが、今のおまえでは会社経営は無理だ。」
司「お父様だって、その体では無理です。せめてお父様の体が元気になるまで俺に任せてもらえないでしょうか。」
誠「あんなに嫌がっていたのにどうしてなんだ?」
司「はっきりいって、俺はお父様のこともお母様のことも嫌っていました。でも、牧野に道明寺家がめちゃくちゃになってもいいのかって言われて、初めてちゃんと家族と向き合う大切さを感じたんだ。逃げてちゃいけないんだ・・・皮肉だよな、こんな時に気付くなんて・・・だから、このまま見過ごすわけにはいかないんです。」
誠「おまえの気持ちはありがたい。でも、おまえは優しすぎる、純粋すぎるんだ。会社経営は嫌なことの連続だ。傷つくおまえを私はみたくないんだ。」
司「いずれは道明寺家を継ぐはずだったんだ。なのにどうして、今はだめなんですか?」
誠「私が元気な時ならば、おまえのことを助けることも、アドバイスすることも出来ただろう。だが、今私はおまえにしてやれることはない。急に後を継ぐといっても、みんなはそう簡単にはついてはこない。分かるな。ならいっそこのまま私が病院から指示を出したほうがいい。」
司「それじゃ、いつもでたっても病気なんか治らないよ。」
誠「なんとかなるさ。それにおまえは道明寺より外の世界を選んだんだ。自分がそ
ゆきっち 2006/04/14 10:22:45
誠「なんとかなるさ。それにおまえは道明寺より外の世界を選んだんだ。自分がそう選択したんだ。」
今まで黙っていたつくしが口を開いた。
つくし「どうして自分の息子を信じないんです。できないって決め付けるんですか?おじ様が考えてるほど、道明寺は弱い人間じゃありません。いろんな悲しいこと、辛いことを乗り越えてきたんです。」
誠「牧野さん、司のことを思うのなら、このまま道明寺には戻らないほうがいい。苦労は目に見えてる。」
つくし「あなたたちはあんな大きなお屋敷に仕事を理由に小さな道明寺を独りぼっちにしたんですよ。だから道明寺は俺には家族なんていないって言ってました。そんなあいつが家族を助けたいって心から願ってるんです。その気持ちをどうして分かってあげないんですか?お願いです。分かってあげてください。」
誠「牧野さん、仕事の大変さを君も司も分かってないんだ。」
つくし「確かに分かりません。でもどうして無理だって決め付けることが出来るんですか?おじ様だって最初から何もかも分かっていたわけじゃないでしょ!それにどうして子供に遠慮するんですか!どうして頼ろうとしないんですか?変です!家族ってそんなものなんですか?」
つくしはつい感情的に言ってしまった。
楓「黙って聞いてれば、好き勝手なことを言って。あなたに何がわかるって言うの。とにかく司はすでにこの家を出て行った人間です。あなたがたがなんと言おうと許すわけにはいきません。」椿は怒って病室を出て行った。
つくしも楓を追って病室を出た。

つくし「待ってください。」
楓「話すことは何もないわ。」
つくし「小さな店だけど自分の店を持ってよく分かりました。それを維持することがどれほど大変なことか・・・ましてやこんな大きな会社をやっていこうと思ったら並大抵な努力じゃ出来ないって・・・」
楓「いったい何が言いたいの?」
つくし「おじ様が倒れた今、すべておば様の肩にかかってしまう。道明寺は助けたいんです。分かってあげてください。」
楓「分かったような口をきかないで。あなたに何が分かるの?」
つくし「分かりません。分からないけど、これだけは言えます。どうして親子なのに頼らないんですか?助け合おうとしないんですか?そんなに世間体が気になりますか
Rabbit 2006/04/14 10:23:07
(メッセージは削除されました)
ゆきっち 2006/04/14 10:23:24
つくし「分かりません。分からないけど、これだけは言えます。どうして親子なのに頼らないんですか?助け合おうとしないんですか?そんなに世間体が気になりますか?」
楓「あなたがそこまで言うなら、あなたも覚悟があってのことよね?司と別れると言うなら、司のこと、考えましょう。」
司「その手にはのりませんよ。」司はいつのまにか楓とつくしの後ろに来ていた。
司「俺は牧野のことはあきらめませんから。」
楓「それじゃ私もあなたのことを許すことはできないはね。」
楓は冷たく言った。

その頃、誠の病室には椿がいた。
誠「椿、あの子の言う通りかもしれないな。私は家族といえども個々が自立して尊重されなければならないと思っていた。けれどそれは言い訳で家族から逃げていただけかもしれない・・・」
椿「お父様・・・司はつくしちゃんに会ってずいぶん変わりました。やさしくなったし、それ以上に強くなったわ。今の司なら仕事を任せても大丈夫だと思います。私からもお願いします。司の気持ちを汲んでやって。」
誠「そうだな。司なら大丈夫かもしれん。実の親の私が信じてやれないなんて悲しいな。どうしてあの子のように素直になれないのかな。」
椿「つくしちゃんはとても心のきれいな子なのよ。どんなにひどいことをされても、人を疑うということをしないわ。私たちは、確かにお金も名誉もあるかもしれないけど、大切な何かをなくしてしまったのかもしれない・・・」
誠「確かにそうかもしれない。人を疑ってばかりだ。あの子のことも最初は疑っていた。財産目当てかとね。でも違ったようだ。本当に司のことを思ってくれている。司はなくした大切な何かを見つけたんだな。司に任せてみよう・・・」
椿「お父様・・・ありがとう・・・」
誠「礼を言うならこっちのほうだ。こんな父親ですまない。」
椿「お父様とこんな話が出来るなんて思ってなかったわ。これもつくしちゃんのおかげかな?」
誠「あの子は道明寺家の救世主かもしれんな・・・」

★★ 悲しい決断 ★★

司「お母様、俺が覚悟を見せれば良いんですね。」
つくし「道明寺・・・」
司「牧野、何があっても俺のことを信じろ。いいな?」
つくし「分かった。信じる。
ゆきっち 2006/04/14 10:24:45
楓「牧野さんと別れる決心でもついたというの?」
司「さっきも言ったはずだ。俺は牧野と別れるつもりはありません。」
楓「話にならないわね。」
司「お父様が仕事に復帰するまで牧野とは会いません。電話もしない。一切の関係を絶ちます。」
楓「そんなの信用しろと言うの?無理よ。」
司「お母様の得意なSPでも監視でもなんでもつければいいでしょ。」
楓「・・・」
司「そのかわり、その後のことは俺の好きにさせてもらいます。牧野のことも一切口出しさせない。」
楓「あなたは良くても、牧野さんはどうかしら?」
つくし「道明寺の言う通りにします。道明寺の決めたことだから、私は何も言いません。だから、お願いします。道明寺に戻ることを許してあげてください。」
つくしは深深と頭を下げた。
司「牧野・・・」
楓「・・・分かったわ。司、あなたのことを信じましょ。ただし、もし約束を破るようなことがあれば、分かっているわね?牧野さんとは別れてもらいます。」
司「分かっています。お母様も牧野には何もしないでください。」
楓「分かってるわ。お父様には私から話しておきます。」
楓はそう言って再び病室に戻っていった。

司「牧野、勝手に決めてごめんな。」
つくし「いいよ。あんたが決めたことでしょ。私がとやかく言うことじゃないよ.。でも、言ったことには責任持たなきゃ。」つくしはつとめて明るく言った。
司「そうだな。」
つくし「道明寺の家にはいつ戻るの?」
司「親父の仕事を引き継ぐとなるとニューヨークに行くことになると思う。今月の終わりにはあっちに行かなきゃな。」
つくし「そうか、ニューヨークか・・・遠いね・・・」つくしは泣きそうになるのを必死にこらえた。
つくし「あんた英語しゃべれないんでしょ?勉強しなきゃ。『センス』を『サイズ』って言ってる場合じゃないよ。」
司「おまえに言われなくても分かってるよ。」
つくしはこの後に訪れる別れを思うとつらかったが、一言弱音を言ってしまえば、止めどもなく涙がこぼれてしまいそうで、冗談を言って見せた。
司もそんなつくしの気持ちが痛いほど分かり、自分も明るく振舞った。

次の日の新聞には、『道明寺 誠氏 
ゆきっち 2006/04/14 10:25:21
次の日の新聞には、『道明寺 誠氏 病気療養中!!後継者には子息の司氏が・・・』と一面トップを飾った。
大騒ぎとなり、店には新聞記者やテレビの中継などどっと押し寄せた。
幸い家の場所までは知られていないようで、司とつくしは、今日のところは家でじっとしていることにした。
そこに玄関のチャイムがなった。
つくし「誰だろ?家の場所がばれちゃったかな?」
司「俺が出る。」
つくし「だめよ。あんたが出たら大変なことになる。ここにいて。」
つくしは玄関に急いだ。
つくし「どなたですか?」
美作「俺だよ。開けてくれ。」少し不機嫌そうな声がした。
つくしは門を開けた。そこには怒った顔の美作と無表情の西門が立っていた。
美作「司は?」
つくし「奥にいるけど・・・」つくしの横を通りねけ、二人は家の中に入っていった。

美作は部屋に入り、司を見るなり、いきなり殴りかかった。
あっという間の出来事だったので、司は不意をつかれ、しりもちをついた。
司「何すんだ!」
美作「それはこっちのセリフだ!これはどういうことだ!」
美作は手にしていた新聞をテーブルの上にたたきつけた。
つくし「美作、落ち着いてよ。みんな座って。今、お茶入れてくるから。」
つくしに言われ、みんなは無言のまま、ソファーに座った。
つくしがお茶を入れてくるまで、みんな口をきかなかった。
始めに口を開いたのは美作だった。
美作「家を継ぐってどういうことだ。」
司「新聞に書いてある通りだ。おやじが病気なんだ。しかたがないだろ。」
美作「どうして黙ってたんだ?」美作は立ち上がり、司の胸倉をつかんだ。
その時、西門がグラスを握っていた手に力をいれて割った。
つくし「西門!何してるの!血が出てるじゃない。すぐ救急箱取ってくるから待ってって。」
つくしは部屋から出て行った。
西門「司、牧野のことはどうするんだ?」流れ出る血を気にとめることもなく西門は静かに言った。
司「あいつと絶対別れねー。」
美作「おば様が黙ってるわけないだろ?」
司「親父が復帰するまで、牧野とは会わない。一切連絡も取らない。それが条件であそこに戻る。でも、親父が元気にな
ゆきっち 2006/04/14 10:26:01
司「親父が復帰するまで、牧野とは会わない。一切連絡も取らない。それが条件であそこに戻る。でも、親父が元気になったら牧野とのことは口出しさせねー。」
西門「牧野を泣かせるようなことがあったら、俺が許さない。」感情を押し殺した声で西門は言った。
司「そうじろう。おまえ・・・」驚いた顔をした司を西門はしっかり見つめた。
そこに救急箱をもったつくしが戻ってきた。
つくし「みんな何つったてんの。座りなさいよ。西門、手かして。」
西門は素直に手を差し出した。
西門の手当てをする間、みんな押し黙り、重い空気が流れていた。
つくし「みんなそんな怖い顔してどうしたの?はい、おしまい。一応、ちゃんと病院に行った方がいいよ。もうこんなバカなことしないでよ。」西門の手当てを終えると、つくしは割れたグラスを片付け始めた。
西門「おまえはいいのか?」
つくし「何が?」手を休める事無くつくしは言った。
美作「何がじゃないだろ。司のことだ。会えなくなるんだぞ!」
つくし「そうだね。でも道明寺が決めたことだもん。私は大丈夫。雑草つくしだから。」割れたグラスをゴミ箱に捨てると、つくしは初めて顔を上げた。
美作「それでいいのか?牧野は平気なのか?」
つくし「・・・」
西門「あきら、もうやめろ。二人が決めたことだ。」
美作「でも・・・司、どうしてそうまでして道明寺に戻るんだ?」
司「おまえもそうじろうも類もみんな家を継いだ。俺もほっとけなかった。」
西門「俺たちやっぱり、家の名からは逃れられないのか・・・」
司「戻ってきたら、お袋には何も言わせねー。牧野と結婚する!!」
つくし「どさくさにまぎれて、何いってんのよ。」
西門「おまえたちがそれでいいんなら、もう何も言わない。なあ、あきら。」
美作「・・・ああ・・・」美作は納得いかないようだったが、西門に言われしかたなく返事をした。
その時、玄関のチャイムが鳴った。
今度は道明寺家の執事だった。
司「どうした?何のようだ。」
執事「奥様が司坊ちゃまを屋敷にお連れするようにと。いずれこちらもマスコミにばれてしまうだろうから、先に戻るようにとのことです。」
司「お袋が・・・」
ゆきっち 2006/04/14 10:26:42
執事「お急ぎください。」
司「俺はここにいる。」
執事「坊ちゃま~」執事は困ったように言った。
西門「おば様の言う通りにした方がいいかもしれない。」
司「そうじろう~」
西門「ここがばれたら、牧野もただじゃすまない。巻き込みたくはないだろ?」
司「・・・分かった。牧野、必ず連絡するから。」
司はあわただしく迎えの車に乗り、道明寺家に帰って行った。
その後、しばらく西門と美作が家にいてくれたが、つくしはお礼を言って、二人を見送った。
一人ぼっちになった家で、流星のイルミネーションを見ていたら、つくしは急に寂しさに押しつぶされそうになった。
みんなの前では明るく振舞っていたが、一人になったとたん、涙が止めどもなく流れてきた。

つくしはさんざん泣いた後、おもむろに立ち上がると家を出た。
向かった先は、かつて司とエルサが暮らした家、そう今はつくしパパとママが暮らす家だった。

つづく
ゆきっち 2006/04/14 10:27:44
本日、ちょっと長すぎました?
だんな様の爆弾発言の反動でしょうか?
また来週、お会いしましょう~。
Rabbit 2006/04/14 10:30:56
ゆきっちさん
買い物に行こうと思ったけど、気になって読んでから行ってきます!!

真吾君のお父さんって、奏の元彼かしら???
ゆきっち 2006/04/14 10:32:33
★ラビさん
どうかしら、どうかしら?
それは次週のお楽しみに。
お買い物、いってらっしゃ~い!
Rabbit 2006/04/14 10:52:05
ゆきっち!!
あ~~~すっきりした(^^)
来週を楽しみにして置き真スル!!

では買い物行ってくる湾!!
昼から、小学校にも行かなきゃ(^^”
パペパン 2006/04/14 22:09:31
ゆきっちさん。
久々に、読ましていただきました。
やっぱいい!!!何だか、映像が頭に浮かんできて。
前にドラマで見たような錯覚に陥ってました。
流星3は保存版ですね。
momota 2006/04/15 19:04:48
こんばんは♪♪

明日会えるね~!!楽しみにしてます。。。
ゆきっちさんって旦那様にママってよばれてるんだ(*^_^*)
ってなんだか照れちゃった。。。
旦那様・・・わかっちゃったっぽいね(^_^;)。。。
ゆきっち 2006/04/17 10:04:07
皆さん、おはようございます。
昨日は、広島支部のオフ会に参加してきました。
最近、お疲れモードだったので、みんなに元気をいっぱいもらってきました。
しかし、風邪をひいてしまい、こころは元気、体は・・・でございます。
ゆきっち 2006/04/17 10:06:41
★パペパンさん
私も時々、妄想が暴走して、実際に実写版になってるような気がします。
ジャりー隊~の方になかなかいけなくてすいません。
皆さんの爆裂トークの中になかなか入れなくって・・・
あちらにも顔出しますので、よろしくお願いします。
ゆきっち 2006/04/17 10:12:52
★ももたん
そう我が家は、お仔がお腹にいるときは「ママちゃん」、生まれてからは「ママ」で通っております。
私は「パパちゃん」→「パパ」と呼んでおります。
ももたん家は、確か名前で呼んでるんでしたっけ?
違ってたらごめんなさい(><)

昨日のオフ会、お仔様たちには刺激が強すぎたのでは・・・
仔を持つ母としては心配で・・・でもちょっとうらやましかったです。
お母さんの趣味?(F4迷は趣味かい!って突っ込みいれてね)にいっしょに来てくれるなんて、ステキお仔さまたちですわ~。
ゆきっち 2006/04/19 09:29:19
皆さん、おはようございます。
広島支部オフ会のあと、風邪をこじらせ、おっちゃん声になっております。
執筆もままならないほど、鼻は出るは、くしゃみはでるは。。。
健康が一番!とつくづく思う今日この頃でございます。
元気になったら、また更新しますね~。
それでは。。。
あい 2006/04/19 15:28:34
ゆきっちさん
風邪ひいちゃったんですね、お大事にね。
も・し・や・香港いった方たちの空気の香港風邪か!?
我が家も環境激変でちょっとお疲れ~です。
ゆきっち 2006/04/20 10:42:14
★あいちゃん
え!私の風邪って、香港風邪だったの!
香港コンサの皆様からの風邪だったら、F4風邪?
じぇりーからだったら、どんなものでもうつされたい。。。
ゆきっち 2006/04/20 10:47:33
皆さん、おはようございます。
体調、悪!って目覚めた時に思っちゃうと、1日気分がブルーだわ。
今日がその日。。。
朝からのどは痛いは、鼻は出るは、風は強いは、憂鬱だわ。
そんな気分はどこかへとんでっちゃへ~。

さ、気分を替えてっと。。。

それでは早速、
勝手に妄想小説 『 流星雨 花沢類篇 』No.33

★ 再会

奏が大きな悩みを抱えた頃、類の身にもある出来事が起こっていた。
阿川「部長、社長が倒れられて、病院に運ばれたそうです!」
社を出ようとしていた類の耳に慌てる阿川の声が飛び込んでいた。
類「社長が!」類は阿川にこの日の仕事をすべてキャンセルさせ、病院へと向かった。
弘が運ばれたのは、奏が勤める病院だった。
幸い、弘は過労で倒れたと分かり、類も一安心だった。
すぐにでも退院するという弘を説得し、今まで病院嫌いで健康診断など受けていない父を無理やり一週間の人間ドッグを受けさせることにした。
類がこの病院を訪れたのは、ずいぶん久しぶりのことだった。
奏は元気だろうか?類の胸に別れた時の奏の顔が浮かんだ。

その頃、奏は自分の中の葛藤と戦いながら、仕事をしていた。
渡辺「先輩、このごろ元気がないですけど、大丈夫ですか?」
奏「大丈夫よ。私のことはいいから、自分の仕事をちゃんとしなさい。」
渡辺「は~い。」渡辺は不器用な先輩のことを心配していた。
奏のこんな姿は前にも見たことがあった。そう慎吾くんが亡くなって、あのかっこいい中国人?の彼が来た後もこんな感じだった。
渡辺は明るくあっけらかんとした性格で、あまりまわりのことは気にしていないように見られるが、元来やさしい性格なのだろう、同僚の看護士からは慕われていた。
生真面目分、まわりから少し敬遠されている奏も、渡辺とだけは気が合った。
渡辺「先輩、たまには気晴らししなきゃ!今夜、飲みに行きません?」私が何とかしなきゃ!、使命感に燃えた渡辺が言った。
奏「やめとくわ。あなたのお守りはごめんだから。」奏は渡辺の気遣いはうれしかったが、今はとてもそんな気分にはなれなかった。
誰にも相談できない心の闇
ゆきっち 2006/04/20 10:48:23
切れちゃいました。続きです。

誰にも相談できない心の闇は、どんどん広がっていた。

類は慎吾やテツと過ごした屋上のことを思い出した。
類の足は自然と屋上に向かった。
今にも雨が降り出しそうな空のせいか屋上には誰もいなかった。
類は、慎吾のこと、テツのこと、奏のことを思い出していた。
短い間のことなのに今でもいろいろなことを鮮明に覚えていた。
類が感傷に浸っていて、足音にまったく気付かなかった。
風がふき抜けた。類は強い風に背を向けるように後ろを振り返った。
そこに奏が立っていた。
類「!」
奏「!」
二人とも驚いた顔で、しばらくの間だまって見つめあったままだった。
あたりには強い風の音だけが響いていた。
そして、二人の心の中にもまた強い風が吹き荒れていた。

つづく
ゆきっち 2006/04/20 10:52:59
続きまして、流星3で~す。

それでは早速、勝手に妄想『 流星花園3 』はじまりはじまり~


★★ あったかい場所 ★★

つくし「パパ、ママ、元気?」
パパ「つ・つくしは元気だったか?」
つくし「うん。」
ママ「今日はお店は?」
つくし「お休み。」
パパとママの様子がぎこちなかった。
つくしは、テーブルの上に置かれた新聞に気付いた。
二人は、司のことを知っていながら、つくしのことを思い、知らない振りをしていた。だから、少々態度がぎこちなかったのだ。
つくし「パパ、ママ、ありがとう。」
ママ「どうしたの急に。」
つくし「道明寺のこと、知ってるんでしょ?」
ママ「な・なんのこと。知らないわよ。ね、パパ。」
パパ「あ・ああ。道明寺さまが後を継ぐことになったなんてしらないぞ。あ!」
ママ「パパ!」
つくし「相変わらず嘘つくのへただね。」
ママ「つくし、何も言わなくてもいいのよ。何も。」涙ぐむママ。
パパ「つくし、あ・あんな奴わすれちゃえ。前みたいに三人で仲良く暮らそう。」
つくし「え?」
ママ「道明寺さま、つくしと別れて、道明寺家に戻ったんでしょ?」
つくし「道明寺が後を継ぐのは確かだけど、別れてはないよ。」
ママ「ついにやったの?」
パパ「ついにやったのか?」二人がつくしに迫ってきた。
つくし「やったって?」後ずさりながらつくしは言った。
ママ「私たちの計画が・・・私たちの玉の輿計画が・・・夢がついに叶ったのね!」
二人は今にも踊りだしそうなくらいの勢いだった。
つくし「お喜び中申し訳ありませんが、家に戻るのは道明寺だけ。私はあいつが戻ってくるまで待ってるの。」
ママ「あんたもいっしょに道明寺家に行くんじゃないの?」
つくし「残念ながら。」
ママ「ママの玉の輿計画は?」
つくし「ダメ。」二人の目に見えて落胆した様子を見て、つくしはおかしくなってきた。
いい意味でも悪い意味でも何があっても変わらない二人はつくしをほっとさせた。
つくし「やっぱり家族っていいね。」
時々頼りないパパとママだけど、つくし
ゆきっち 2006/04/20 10:53:57
時々頼りないパパとママだけど、つくしは二人が大好きだった。
二人が引き止めるのも断って、つくしは家に戻った。

滋「つくし、どこに行ってたのよ!」
和也「つくしちゃん、無事で良かった。」
ミミ「牧野先輩、心配しましたよ。」
つくし「?」つくしが家に帰ると、みんなが集まっていた。
美作「牧野、心配させるなよ。司、死ぬほど心配してるぞ。」
つくし「心配って?」
西門「おまえ、携帯は?」
つくしはかばんの中をのぞいた。
つくし「家の中みたい・・・」
美作「みたいじゃないよ。司が何度電話してもつながらないって。マスコミがいっぱい来てるって言うのに、外に飛び出そうとするから、タマさんが俺のところに連絡してきたんだ。」
つくし「ごめん・・・」
西門「いいから、早く司に連絡してやれ。」
つくし「分かった。」
西門「牧野が無事なことが分かったから俺はもう帰る。」
美作「俺も。司の留守中に家に入ったなんて知れたら、何言われるかわかんないからな。」
滋「私はつくしのことが心配だから、もう少しいるね。」
ミミ「私も。」
和也「僕も。」
美作「おまえはダメだ。」
西門「成金野郎、帰るぞ。」
和也「つくしちゃ~ん。」和也は二人に引きずられて帰って行った。

滋「どうだった、司?」
つくし「すごい怒られた。何やってんだって。」
ミミ「道明寺先輩、牧野先輩一筋ですから、ずいぶん心配したでしょうね。」
滋「こういう状況だしね。」
つくし「・・・」
滋「だいたいのことは西門に聞いた。つくしも苦労するね。」
ミミ「病気、そんなに悪かったんですね。」
つくし「ミミ・・・お父さんは手術をすれば大丈夫だから、心配しないで。ちょっとお馬鹿なところはあるけど、道明寺もいるからね。」
ミミ「はい。」
滋「せっかくこうして集まったんだから、パーティーしよう。」
つくし「何の?」
滋「とにかく何でもいいから!」
この夜、つくしの家にはいつまでも明かりがともっていた。

★★ それぞれの想い ★★

司の出発の日が決まった。
一月三十一日、司の誕生
ゆきっち 2006/04/20 10:54:30
一月三十一日、司の誕生日の日だった。それまでは、司と自由に会えることになった。
しかし、出発の準備や仕事のことなど忙しいようで、司は三日経っても戻ってこなかった。
お店のほうも、司が道明寺家に戻ったこともあって、マスコミの姿はなくなった。
つくしはじっとしていられず、一人で店を開けた。
閉店間際、店の前に一台の車が止まった。
西門「勤労処女、こんなときでもやっぱり働いてるな。」
車の窓から顔を出したのは西門だった。
つくし「こうしてるのが一番落ち着くから。」
西門「そうだな。おまえらしいな。司は?まだか?」
つくし「うん。連絡はあるけど、まだこっちには戻れないみたい。」
西門「そうか・・・もう閉店だろ。家まで送ってってやるよ。」
つくし「ありがとう。でも仕事の途中でしょ?」
西門「西門様が送ってってやるって言ってんだから、素直に従え。」
つくし「なんだか道明寺みたいだよ。」
西門「似てたか?いいから早く片付けろ。」
ここは素直に西門の言うことをきくことにして、つくしは急いで後片付けを済ませ、西門の車に乗った。
西門「おまえたちもいろいろ大変だな。次から次からいろんなことがあって。」
つくし「みんなにはいつも心配かけてごめんね。」
西門「司には、おまえに会う前からいろいろ迷惑かけられてるからな。心配するな。」
つくし「道明寺、強暴だったからね。」つくしは出会った頃の司を思い出して笑った。
西門「牧野、大丈夫か?」
つくし「何が?道明寺のこと?大丈夫だよ。あんたたちみたいな温室育ちじゃないから、打たれ強いの。ぜんぜん平気。」
西門「司が道明寺に戻ったの、おまえが言い出したんだろ?」
つくし「・・・」
西門は急にスピードを上げた。
つくし「スピード出しすぎだよ!」
西門は、今度は急ブレーキをかけ、車は音をたてて止まった。
つくし「あぶないじゃない!」
西門「牧野、おまえはいつもどうしてつらい方つらい方を選ぶんだ。もっと楽な生き方があるだろ?今度だっておまえが言わなきゃ、司はおまえの側にいた。違うか!」
つくし「ときどき自分でも嫌になるけど、こんな生き方しか出来ない。誰かに助けてもらうのも嫌だし、自分の
ゆきっち 2006/04/20 10:55:21
つくし「ときどき自分でも嫌になるけど、こんな生き方しか出来ない。誰かに助けてもらうのも嫌だし、自分のために誰かが不幸せになるのはもっと嫌なの。それに今はあいつの家族を助けたいって気持ちを大切にしてあげたい。家族なんてどうでもいいみたいなところがあった道明寺が自分から何かをしてあげたいって。すごいことでしょ?」
西門「分かったよ。でもな、少しは自分のことも考えろよ。もっと欲張れ、わがままになってもいいんだぞ。人のことばっかりじゃ疲れるぞ。」
つくし「ありがとう。西門。心配してくれて。誰かに助けてもらうのは嫌って言っときながら、みんなにはいつも助けてもらってるね。ごめんね。生意気言って。」
西門「いいよ。俺たちもおまえにずいぶん助けてもらってるから、お互い様だ。」
つくし「西門・・・」
西門「さあ、帰ろうか。それともデートしてくか?」
つくし「やめとく。道明寺にばれたら怖いし、滋さんにも悪いから・・・」
西門「そうだな・・・」
その時、つくしのお腹がなった。
西門「お腹は正直だな。おいしいものでも食べに行こう。ろくなもの食べてないだろ。食事ぐらいなら司も怒らないだろうから。なんだったら司に電話してみるか?」西門は笑いをこらえながら言った。
つくしは穴があったら入りたい気分だった。そういえば、司が出て行ってから、まともな食事をしていないことに気が付いた。
正直なお腹の虫と相談した結果、つくしは西門の好意に甘えることにした。

西門がつくしを送って家を出ると、そこには類がいた。
西門「類、どうしたんだ?」
類「牧野の様子を見にきた。そうじろうは?」
西門「俺も牧野のことが心配できたんだ。司もまだこっちに戻ってないみたいだし・・・」
類「それで、牧野は?」
西門「自分では平気な振りしてるけど、無理してるのがよく分かる・・・つらいな・・・俺にはどうしてやることも出来ない・・・」
類「西門・・・」
西門は、夜空を見上げた。
類「そうじろう。分かってると思うけど、牧野は司の彼女だ。」
西門「・・・」
類「牧野を苦しめるようなことがあったら、たとえ司でもそうじろうでも僕は許さない。」
類はきっぱり言った。
西門「
ゆきっち 2006/04/20 10:56:43
類はきっぱり言った。
西門「類、何言ってんだ。そんなことは分かってるよ。牧野は司のおんな彼女だ。よく分かってる。」
西門は自分に言い聞かせるように言った。

出発の三日前、司はようやく家に帰ってきた。
司「疲れた~。」
つくし「あっち行く前からそんなこといって。ちゃんとやってけるの?」
司「何だその疑わしい目は?俺を誰だと思ってる道明寺司様だぞ。」
つくし「はいはい。天下の道明寺司様だもんね。」
司「牧野、おまえな~。やめた。けんかする時間がもったいない。」
つくし「道明寺・・・」
司「おかしいもんだな。昔はこんな狭くて天井が低い家なんて住めねーって思ってたけど、今じゃここが一番落ち着く。おまえが側にいるからかな。あっちじゃ、広すぎて落ち着かなかった。」
つくし「あんたもついに庶民の仲間入りね。おめでとう!」
司「喜んでいいのか、なんだか複雑だな。」
つくし「お父さんの具合は?」
司「今のところ、大丈夫みたいだ。お袋から俺たちのこと聞いて、一年で元気になってみせるっていきまいてたらしい。」
つくし「そう、良かった。後からミミに電話してあげなきゃ。心配してたから。」
司「そうだな。親父も向こうで手術するから俺と一緒の飛行機でニューヨークに行くんだ。」
つくし「そっか。ミミに連絡しておこうっと。」
つくしが電話をかけようと手を伸ばしたその時、司が急につくしを抱きしめた。
司「一人にしてごめんな。」
つくし「道明寺・・・」司がつくしにキスしようと顔を近づけてきた。つくしもそれに応えるように目を閉じた。
いいムードで司とつくしがキスをしようとしたまさにその瞬間、部屋のドアが開いた。

美作「門、開いてたから、勝手に入ったぞ・・・」二人の状況を見て最後のほうは小声になった。
西門「あきら、急に止まるなよ。早く入れ。」
美作「お取り込み中みたいだ・・・」
類「お取り込み中?」
つくし「み・みんな来てくれたんだ。ど・どうぞ入って。ね、道明寺、何つったてんの。早くみんなを案内して。」
司「そ・そうだな。お・おまえらこっちだ。」
西門「おまえら、何焦ってんだ?」
状況を知
ゆきっち 2006/04/20 10:57:52
状況を知っている美作だけがお腹を抱えて笑った。
西門「?」
類「こんな狭い部屋、別に案内してもらわなくても・・・」
司「いいから、みんな座れ!」司は恥ずかしさのあまり、怒鳴ってしまった。
類「司、何怒ってるんだ?」
つくし「いいからいいから。ところでみんなどうしたの?」
美作「司が戻ったって聞いて、陣中見舞いに。」
司「陣痛見舞い?」
西門「陣中見舞い。陣痛おこしてどうすんだ。それとも陣痛がおこるようなことやったのか?」西門はわざと二人をからかった。
つくし「西門!なにバカなこといってんの!」
司「バカなことって?」どうやら司には陣痛も通じていなかったようだ。
美作「陣痛っていうのはな・・・」
つくし「美作!わざわざ説明しなくても言いから!」
類「牧野の焦ってる顔って、おかしいな。」
つくし「花沢類も変なこと言わないで!」
こうして、司とつくしの『いいムード』はまたまたお預けとなってしまいました。

美作「司もいよいよ明後日出発か・・・」
西門「ニューヨークなんて行って、ほんとやってけんのか?」
司「バカにするな、俺みたいなサイズの・・・」
美作「その言葉は聞き飽きた。」司が言い終わらないうちに美作がさえぎった。
類「牧野、さっきから何黙りこくってるんだ?」
つくし「この風景も少しの間、見納めだなあと思って・・・」
その言葉を聞いて、みんな黙ってしまった。
つくし「ごめんごめん。みんなそんな暗くならないでよ。ちょっと感傷に浸っちゃっただけだから。さあ、今日はパーっとパーっとね。美作、さあ飲んで。」
つくしはそう言って、みんなのグラスにビールを注いだ。
美作「そうだな。今日は飲み明かそうと思って、ビールもいっぱい持ってきたんだ。そうじろうも、類も飲め。」
司「俺も飲むぞ~。」
みんなは浴びるほどお酒を飲んだ。
そのうちにそうじろうは歌いだし、それに合わせてあきらが踊り、司はあきらの踊りを真似て踊りだした。つくしと類はそんなみんなを笑顔で見ていた。
みんな心から楽しんだ。

美作「司、牧野、眠っちまったぞ。」
つくしは、ソファーに座ったまま、眠ってしまってい
ゆきっち 2006/04/20 10:58:38
(メッセージは削除されました)
ゆきっち 2006/04/20 10:59:26
つくしは、ソファーに座ったまま、眠ってしまっていた。
類「司がいない間、よく眠れなかったんじゃないかな。ほら、安心した顔で眠ってるよ。」
みんなが寝ているつくしの顔を覗き込んだ。
司「ほんとだ。アホ顔で寝てるな。」つくしが寝ていることをいいことに好きなことをいっている。
西門「このまま寝かせてやれ。こいつめーいっぱい意地張って、強がって、頑張ってんだ。疲れが出たんだろ。」
司「そうだな。」優しい表情でつくしを見つめた。
美作「俺たちも帰って寝るとするか~。司、明後日は必ず見送りに行くからな。」
西門「明日は、牧野と二人きりで過ごしてやれよ。」
司「ああ。」司は目を閉じ、うなずいた。
類「司、これプレゼント。」そう言って、封筒を司に手渡した。
司「何だ?」
美作「開けてからのお楽しみだ。」
西門「じゃーな。」
みんなが帰った後、司はつくしを起こさず、ソファーに座ったまま、その寝顔をいつまでも眺めていた。

つづく
ゆきっち 2006/04/21 11:31:37
皆さん、おはようございます。
風邪も治まってきました。
昨日は風がひどくて、変な天気でしたが、皆さんのところはどうでしたか?
今日は上の仔の遠足なんですが、やっとお日様がのぞいてきました。
今ごろ、楽しんでるかな?
母としてはちょっと心配です。

それでは早速、
勝手に妄想小説 『 流星雨 花沢類篇 』No.34

★ 本当の気持ち

類「お久しぶりですね。」
奏「お久しぶりです。」
約二年ぶりの再会だった。
類「お元気でしたか?」
奏「はい。花沢さんもお元気でしたか?」
類「はい。」ぎこちない会話が続いた。
奏「泰子さんもお元気ですか?」
類「はい。慎吾くんが亡くなったあと、しばらくは辛そうでしたが、今はすっかり元気になりましたよ。」
奏は、この言葉を聞いて、類と泰子の関係を悟った。
奏「そうですか・・・」
奏はどんより曇った空を見上げた。
奏「彼は私をおいて逝ってしまった・・・愛する人を亡くした悲しみは決して忘れることはないでしょう・・・」
類「え!なんですか?」ちょうど強い風が吹いて、奏の声がよく聞き取れなかった。
奏「いえ、何でもありません。泰子さんを大切にしてあげてくださいね。」
類「・・・僕たちはそんな関係じゃ・・・」
奏に類の言葉が聞こえたのか聞こえなかったのか、何も答えることなく、にっこり笑って、奏はその場を立ち去った。

弘が退院する日、類は再び病院を訪れた。
類「父さん、用意はできた?」
弘「おまえがわざわざ迎えにこなくてもよかったのに。」
類は弘の言葉に返事をしなかった。心のどこかで、また奏に会いたいと願っていたのかもしれない。
類「用意ができてるんなら行こうか?」
弘「こんな時ぐらいしかゆっくり話もできん。そこへ座れ。」
病室の応接セットに向かい合わせに座った。
類「何ですか?」
弘「分かっているだろう?私もいつどうなってもおかしくない。そろそろ正式に後を・・・」
類「何言ってるんですか。父さんはまだまだやれるよ。」倒れたことで気弱になっているのだろう。
弘「いや、私ももう年だ。おまえが早
ゆきっち 2006/04/21 11:32:49
(メッセージは削除されました)
ゆきっち 2006/04/21 11:33:56
切れちゃいました。続きです。

弘「いや、私ももう年だ。おまえが早く結婚して、私の後を継いで欲しい。」
類「前にも言ったろ。結婚はしない。」
弘「今、付き合ってる人がいるんだろ?」
類「調べたんですか。父さんのやりそうなことだ。でもあの人とはそんな関係じゃありませんよ。」
弘「好きな人はいないのか?私は頭ごなしに反対などしないぞ。」
人は病気をするとここまで弱くなってしまうのだろうか?これが父の言葉なのかと、類は自分の耳を疑った。
類「好きな人などいません。結婚もしません。たぶん。」類の脳裏につくしの顔がちらっと浮かんだ。
弘「牧野つくしという子のことが忘れられないのか?」
類「そこまでお調べになったんですか!もう詮索はやめてください。彼女は関係ありません。」まるで自分の心を見透かされたようで、類はいつになく感情的になった。
弘「すまない・・・」類の剣幕に弘はそれ以上何も言わなかった。
類「下に待たせてある阿川を来させますから、父さんはここで待っていてください。僕は先に帰ります。それじゃ。」類は静かに病室から出て行った。

類がロビーに下りてくると、前から一人の看護士がやってきた。
どこかで見たような気がするが、どこで会ったか類は思い出せなかった。
その看護士がすれ違った後、「あ!」と声をあげると、類の方へ戻ってきた。
渡辺「あなた、昔、慎吾くんのお姉さんと来てた人でしょ?」
ようやく類は思い出した。
奏の冷たい態度に驚いた時、その後ろに確かにこの看護士がいた。
類「ノグチサンノコウハイノカタデシタヨネ。」奏のことを先輩と呼んでいるのをおぼろげながら覚えていた。
渡辺「はい。覚えてくれてます?私、野口先輩の後輩の渡辺です。」
類はふと渡辺というこの看護士と話をしてみたくなった。
類「スコシオハナシ、デキマスカ?」
渡辺「少しなら・・・」
類と渡辺は庭にあるベンチへとこし掛けた。
渡辺「寒。今日は風がひどいですね。それで、お話というのは?」
類「アノトキノコト、オボエテイマスカ?」
渡辺「あの時のこと?」
類「ノグチサンガ、シンゴクンノオネエサンニホホヲタタカレタトキノコトデス。
ゆきっち 2006/04/21 11:34:46
(メッセージは削除されました)
ゆきっち 2006/04/21 11:35:29
またまた切れちゃいました。続きです。

類「ノグチサンガ、シンゴクンノオネエサンニホホヲタタカレタトキノコトデス。」
渡辺「ああ、あのときのことですね。先輩、あの時かわいそうだった。」
類「カワイソウ?」意外な言葉に類は驚いた。
叩かれたのは確かに奏だったが、あの冷たい態度を見たら、むしろ可哀想なのは泰子の方ではなかっただろうか?
渡辺「確かにひどいことを言ったのは先輩です。でも、慎吾くんが亡くなって先輩すごく落ち込んでたんですよ。何もしてあげられなかったって。お葬式にも行って。今でもお墓まいり行ってるんじゃないのかな?」
類「オチコンデタ?ナゼ、アンナコトヲ、イッタンダロウカ・・・」
渡辺「あの後、先輩言ってました。『大切な人を亡くしたときは何を言っても、どんな慰めも効かないのよ。人を恨むことによって生きる力が湧いてくるときもあるの。私もそうだったから・・・』って。すごく寂しそうな顔して言ったから私、よく覚えてるんです。」
類「ソンナコトヲ・・・」
渡辺「先輩って不器用なんですよね。すごく優しくて、すごくステキなのに、それを上手く表現できないっていうか。」
類「アナタハヨクワカッテルンデスネ。」
渡辺「私、先輩を尊敬してますから!あ!この話、私から聞いたって言わないでくださいね。叱られちゃいますから。」
類「ワカリマシタ。ヒミツニシテオキマス。」
渡辺「お願いしますね。もう行かないと、本当に先輩に怒られちゃう。」
渡辺は元気に走って、病院へと消えていった。
類は一人、ベンチに座り、考えていた。
あの時の奏の冷たい態度は、不器用な彼女なりの精一杯の優しさだったのだろうか?
そして、私もそうだったからという言葉は何を意味するのだろうか?
類は再び、奏のことが気になり始めていた。

つづく
ゆきっち 2006/04/21 11:39:58
続きまして、流星3でございます。

それでは早速、勝手に妄想『 流星花園3 』はじまりはじまり~

★★ F3からのプレゼント ★★

つくし「道明寺、起きてよ!」司はつくしの声で目を覚ました。
どうやら自分もソファーでそのまま眠ってしまったようだ。
司「・・・おはよう・・・」眠い目をこすりながら司がこたえた。
つくし「これ、ソファーの下に落ちてたけど、何?」
司「あいつらからプレゼントだって。」
つくし「みんなが?」
司は封筒を開いた。中には、地図と鍵、手紙が入っていた。
司「何だ?どこの鍵だ?」
つくし「手紙には何て?」
手紙には、みんなから一言ずつメッセージが書かれてあった。

~司、誰にも邪魔されず、二人きりの時間を・・・ 加油! 美作~

~牧野、逃げるなよ。 西門~

~司、僕からのささやかな復讐だ。 類~

つくし「復讐って何?」
司「知るか。」二人はとりあえず、地図を頼りにそこへ向かうことにした。

司「類の復讐の意味が分かったような気がする・・・」入り口の前で司が言った。
そこは、以前つくしと類が過ごした海の近くの別荘だった。
つくし「・・・」
司「俺なんだか複雑だ、確かにここなら誰にも邪魔されないだろうけど・・・」
つくし「ここを出る時、あんたとの別れを決めたあとで、悲しみと後悔でいっぱいだった。誰のことも気にしないで、どうしてあんたにぶつかっていかなかったんだろうって・・・そんな私を類は知ってるから、今度は後悔しないようにここからまた始めろって、それにあんなにつらい別れを私たちは乗り越えたんだから、今度も大丈夫だって言ってくれてるんじゃないかな。」
司「あいつらしいな・・・」
つくし「みんなこんなに私たちのこと、心配してくれてるんだね。」
司「そうだな。みんなの好意は無駄にしちゃいけないな・・・」
つくし「道明寺、今あんたいやらしいこと考えたでしょ?」
司「そ・そういうおまえこそ・・・」いたいところをつかれて司は顔を真っ赤に染めた。
つくし「やめてよ。こっちまで恥ずかしくなるじゃない!」
司「じゃ
ゆきっち 2006/04/21 11:40:57
司「じゃあ・・・その・・・そろそろ・・・」
つくし「何言ってんのよ!私、ちょっと行きたいところがあるからついて来て。」
司はどうもつくしには勝てないようである。
かくして、司の意見は却下され、二人は別荘に荷物を置き、再び出かけた。

つくし「アミ~!元気だった?」
アミ「つくし、どうしたの?!類は?」アミはきょろきょろ類を探した。
つくし「花沢類はきてない。」
アミは類の変わりにつくしの横に司がいることにやっと気付いた。
アミ「あなたが道明寺さん?」
司「ああ。あんた、どっかで会ったことあるな・・・えーっと・・・」
アミ「あなた、忘れちゃったの。私のこと、使用人と間違えてたでしょ!」
つくし「あの時はごめんね。こいつお馬鹿だから。許してやって。」
司「お馬鹿はねーだろ。」
つくし「あんたが失礼なことしたんだから、謝んなさいよ。」
司「俺に誤れって言うのか!」
つくし「当然でしょ。あんたが悪いんだから。」
司「そもそもおまえが類とこんなところに来るからいけねーんだろ。」
つくし「私が悪いって言うの!」
アミは二人のやりとりを見てびっくりしていた。
アミ「もういいから。けんかしないで。つくしってこんなにぽんぽん言う人だったんだ。びっくりした~。」
つくし「ごめん。道明寺、アミが怖がってるじゃない。早く謝んなさいよ。」
アミ「つくし、もういいよ。怒ってないから。」
つくし「ダメよ。こいつを甘やかしたら。」
司「分かったよ。謝ればいいんだろ。あの時はすまなかったな。」
司は小さな声で言った。
つくし「聞こえないよ。」
アミ「ほんとにもういいから。道明寺さんももう気にしないで。」
司とつくしはカキ氷をご馳走になることになった。
アミ「ほんとびっくりしたよ。つくしがあんなに気が強いと思わなかった。でも、お兄ちゃん追っかけてここまできたんだから、証明済みか。」
つくし「あの時はほんとごめんね。トクを疑ったりして。」
アミ「いいよ。もう済んだことだし。」
つくし「そういえば、トクは?」
アミ「あの後、急に学校へ行くって言い出して、今アルバイトしながら台北のお菓子の専門学校に通
ゆきっち 2006/04/21 11:41:29
アミ「あの後、急に学校へ行くって言い出して、今アルバイトしながら台北のお菓子の専門学校に通ってる。」
つくし「そうなんだ。偉いね。アミもよかったね。」
アミ「うん。いつまで続くか分かんないけど、今はトクのこと、信じてみようと思う。こんな気持ちになれたのもみんなつくしと類のおかげだよ。ありがとう。」アミは照れくさそうに言った。
つくし「私こそ、アミに会えてよかった。」
二人で盛り上がっている横で、一人蚊帳の外の司は不機嫌そうに氷をスプーンでかき混ぜていた。
アミ「今のつくしがほんとのつくしだね。生き生きしてるもん。」
つくし「そうかな・・・」
アミ「ここにきたときはほんと元気なかったもんね。道明寺さんと話してるところ見るとあの頃のつくしが嘘みたい。ほんと幸せそうだもん。」
つくし「そ・そんなことないよ・・・」
アミ「照れない照れない。よかったね。幸せになれて。」
聞いていた司まで照れてしまった。
アミ「道明寺さん、つくしのこと、大事にしなかったら私が許さないから!」
司「ああ。分かりました。」アミの迫力に圧倒され、司は素直に返事をした。
アミは類の悲しい胸のうちを知っていた。つくしを思う類の気持ちを・・・
類の為にも二人には幸せになって欲しかった。
カキ氷も食べ終え、二人は別荘に戻ることにした。
アミ「こっちには当分いるの?」
つくし「ううん。明日の朝早くに帰らなくっちゃいけないの。」
アミ「そっか。ゆっくりしていけたら良かったのにね。」
つくし「うん。今度はゆっくり遊びに来るね。アミに会えてほんとに良かった。」
アミ「私も。」
つくし「アミ、元気でね。」
二人は、アミに手を振り、歩き始めた。

その夜は、テラスのテーブルにロウソクを灯し、食事を取ることにした。
司も目玉焼きを作ったり、野菜を洗ったり、仲良くいっしょに料理を作った。

つくし「こうして外でご飯食べるとおいしいね。道明寺の目玉焼きもおいしく感じる。」
司「バカ、俺の目玉焼きは天下一品だ。どこで食べてもおいしんだ!」
つくし「目玉焼きでそんなに威張んなくても。」
司「そうだな。」二人は噴出して
ゆきっち 2006/04/21 11:42:14
司「そうだな。」二人は噴出してしまった。
二人は、夜遅くまで、いろいろ話をした。
司「寒くなってきたな。中に入ろうか。」
つくし「うん。」
二人は後片付けをさっと済ませると、家に入った。
司「牧野、今日こそは逃がさないからな。」
家に入ってから落ち着きのないつくしをつかまえ、司が言った。
つくしの体は震えていた。
司「でも、おまえが嫌だっていうんなら、俺はいつまでだって待ってる。」
つくしの耳元で司がやさしく言った。
つくし「道明寺・・・ほんとのこというね。あんたのこと好きだけど、怖いの・・・」
司「俺がか?」
つくし「あんたのことは怖くない・・・もう少し、こうしててもいいかな?」
司は黙ったまま、つくしを抱きしめていた。その手はとてもやさしく、暖かだった。
つくしの震えがだんだんおさまってきた。
司「大丈夫か?」
つくし「うん。ごめんね。」
司「やめとくか?」
つくし「ううん。大丈夫。チャンスは今日しかないもん。」
司「おまえ、大胆だな。」
二人は笑った。そのまま手をつなぎ、寝室へと向かった。
司とつくしはベッドに横たわった。
司はつくしの頭をやさしく撫でながら、二人は見つめあった。
しばらくの沈黙。その後の長いキス。都会の喧騒からは思いもしない静寂。
それとは反対に高鳴る二人の鼓動。いよいよこのときがやってきた。
司は心の中でF3に感謝していた。『ありがとう、みんな、俺もついに・・・』
司「ほんとにいいんだな。」
つくしは小さくうなずいた。
二人はついに・・・

★★ 本気の恋愛 ★★

その頃、F3の面々は、いつものバーでいつものようにカウンターに座り飲んでいた。
美作「今ごろ、二人は・・・あれだけお膳立てしてやったんだ。あれでだめなら、ほんとあいつら呪われてるよ。」
西門「そうだな・・・」
美作「おまえとしては複雑か。」美作は西門を見て言った。そして類に気付いた。
美作「しまった。類、今の言葉忘れてくれ。」美作は焦って言った。
西門「あきら、そんなに焦らなくても大丈夫だ。類は知ってるよ。」
そう言って、西門は残ってい
ゆきっち 2006/04/21 11:43:37
そう言って、西門は残っているビールを一気に飲み干した。
美作「いつの間に・・・しかし、司に類、そうじろうまで。牧野ってすごいな。」」
西門「一人は手に負えない野生児、一人は感情が欠落したお坊ちゃま、一人は百戦錬磨のプレイボーイ。」
類「そうじろう、感情が欠落してるってどういう意味だ。」
西門「その通りだろ。牧野に会うまでは。まわりで何があろうと知らん振り。おまえが興味があるっていったら静ぐらいのもんだったろ。違うか?」
美作「確かにそうだな。俺たちも時々類が何考えてるか分からないことがあったけど、牧野に出会ってから、感情を表に出すようになったよ。人間らしくなったというか。」
類「人を感情のない人形みたいに言うな。」
西門「事実だ。」西門は類の肩に手をまわし言った。
美作「人間らしくなったといえば、類以上に司だな。あの野生児が女のことで悩むなんて夢にも思ってなかったからな。」
西門「俺も女のことでこんなに悩むと思わなかった。」西門はポツリと言った。
美作「牧野は俺たちの周りにいなかったタイプだからな。胸はない、スタイルもそんなに良くないし、顔もそこそこ。最初は、司の奴、牧野のどこがいいんだって思ってたけどな。金にも権力にもなびかない。司にしてみれば、今までは金の力で何でも思いのままだったわけだろ。どっちかっていうと女のほうから近づいてきてたのが、何やってもこっちに振り向かない。その上、ねーちゃん並の強さだ、今にして思えば、司が惚れないわけないか。司は免疫がない分、少々度が行き過ぎのこともあったけどな。類は、静一筋だったから、女の免疫ないからなんとなく分かるけど、そうじろうまで牧野にいくとは思わなかったよ。」
西門「自分でも分かんねー。俺も実は女の免疫なかったのかな?」
美作「あの牧野の雑草パワーはすごいからな。おまえもそれにやられたんじゃねーのか?」
西門「かもな。最初の出会いからして、強烈だったからな。」
類「きっと牧野に出会ってなかったら、僕たちは人の痛みも人のぬくもりも分からないまま大人になって、何の疑問もなく家を継いで、つまらない人生を送っていた。」
西門「つまらない人生だってことにも気付いてないかもな。」
美作「そうだな。俺は司と牧野を見てたから、シノと結婚
ゆきっち 2006/04/21 11:44:13
美作「そうだな。俺は司と牧野を見てたから、シノと結婚しようと思ったのかもしれない。
昔はどこか真剣に恋愛することがばかばかしく思えた。どうせ親たちの決めた相手としか結婚できないわけだろ。でも二人見てたら、本気の恋愛も悪くないなって。生きてる実感っていうか・・・牧野に一生懸命生きるってことを教わったような気がするよ。」美作はそう言ってウインクをした。
西門「本気の恋愛か・・・俺も生きてる実感が欲しいのかな・・・」
類「そうじろう、おまえが誰を好きになろうと僕に何かを言う権利はない。でも、二人の邪魔するようなことがあったら、たとえそうじろうでも許さない。」
西門「邪魔なんてするつもりはないよ。もしそんな気持ちがあればとっくに行動にうつしてる。」
美作「確かにな。司と比べたら、おまえは場数が違うから、牧野もころっといくかもな。」
類「牧野には司しかいない。司にも牧野しかいない。何があってもあの二人は離れられない。」
西門「類の言う通りだな。唯一無二の存在か・・・うらやましいな。」
美作「そうじろう、そんな悩むな。おまえならすぐいい女がみつかるって!よーし、もう一回、乾杯しようぜ!」
類「何に?」
美作「そうじろうの本気の恋愛に!そして司のほんとの男になる日に!乾杯!」
三人は手にもっていたグラスをたかだかと上げ、乾杯した。グラスが重なり合い、高音の心地よい音が店に響いた。

つづく
ゆきっち 2006/04/21 11:45:08
今週はここまでです。
また来週をお楽しみに・・・
よい週末をお過ごしくださいませ~。
Rabbit 2006/04/21 22:20:59
(メッセージは削除されました)
Rabbit 2006/04/22 01:23:50
ゆきっちさん
猛1週間経つんだね!!

この前から流星の1・2を見てて、終わってしまったの!!!
ゆきっちの3があって良かったよ!!

読んでて思わず笑ってしまったわ(^^”
moto 2006/04/22 22:04:13
ゆきっちさん
お久しゅうございます。
大阪のmotoでございま~す!!!
ここんところ、こちらへはなかなか来れてなかったのですが、今日3時間かけて読ませてもらいましたー(^0^)//
・・・で、今日はカキコしておかないと・・・とやってきました=3

キャー!!!つ・ついに司とつくしは・・・(@@)なんですね~☆★☆
ようやく・・・やっと・・・長かったですね~!
司がF3に感謝してるのがかわゆかったよぉ~!!!
そんでもって、西門・・・。私にとっては、めちゃ意外な展開で・・・でも、そこに滋がからんできたのは、ちょっと嬉しかったです。
滋のキャラも俳優(←ゴメンナサイ、名前わかりません)も好きだったので。最後にはアミもでてくるし・・・。
めっちゃ、我好みになってる~!!!

でも、また司とつくしには新たな問題が浮上だし、もりだくさんで今晩はおなかいっぱいです!!!
また、来週を楽しみにしてます。ひそかにロムさせてもらいますね~。
あい 2006/04/24 23:34:37
ゆきっちさん
更新ありがとう~
なんか、みんな幸せになって欲しいよー
ゆきっち 2006/05/09 12:09:42
皆さん、またまたお久しぶりでございます。
体は元気になったのですが、何もする気になれず、PCをつつくのも超久しぶりです。
これって、五月病?
しばらく覗いてなかったら、いつの間にやらヴァネちゃん、来日してたんですね。びっくり。
私のジェリーはいつやってきてくれるのでしょう。。。
ケンちゃんもやってくるらしいし・・・
がんばろ。何をがんばるかわかんないけどがんばろ。

それでは早速、
勝手に妄想小説 『 流星雨 花沢類篇 』№35

★ 康子の涙

康子「類!」ぼんやりしていた類は、康子に呼ばれても気づかなかった。
康子「類!どうしたの?ぼんやりして。」
類「ナンデモナイ・・・」やっと気づいた類はぼそっと言った。
康子「最近、なんだか元気がないわ。」
この会話を聞いても分かるように、二人の関係は以前より親密なものになっていた。
類「ナンデモナイッテイッテルダロ!」
康子「ごめんなさい・・・」
類「ボクコソ、ゴメン。」
類は、弘の言葉や、奏との再会のことで頭の中がいっぱいだった。
康子「ねえ、遊園地に行かない?元気が出るかも?」
類「ゴメン。ソンナキブンジャナインダ。」
康子「そう、私こそごめんなさい。変なこと言って。」
類「キミガワルインジャナイ。チョットツカレテルンダ。」
康子「そう・・・ 類、私たちって付き合ってるのかな?」
康子は突然言った。
類「・・・」
康子「類は何も言ってくれない。私たちの関係って何なの?」
類「キミノコトハスキダケド・・・」
康子「好きだけど、彼女じゃない?そうなのね。」
類「ソウダ。」
康子「はっきり言うのね。類は優しいけど、とっても冷たい。今まで私には本当の類は見せてくれなかったのに、最後だけほんとの気持ち言うんだもん。もっと早くあなたに聞けばよかった。だったらこんなにあなたのことを好きにならずにすんだのに。」
類「ヤスコ・・・」
康子「類、本当に好きな人にはちゃんと気持ち伝えないとだめだよ。」
類「ゴメン。」
康子「謝らないで。類が私を通り越して、誰か別の人を見てるの気づいてたから。傍にいたら、いつかそ
ゆきっち 2006/05/09 12:10:34
切れちゃいました。続きです。

康子「謝らないで。類が私を通り越して、誰か別の人を見てるの気づいてたから。傍にいたら、いつかその人の代わりになれるかなって思ってたけど、無理みたいね。」
類「キミノコトガキライナワケジャナインダ。タダ、キミヲミテイルト、ドウシテモソノヒトノコトヲオモイダシテシマウ。」
康子「類、残酷だよ。素直な気持ちを聞かせてくれたのはうれしいけど、ちょっと辛いな。」
泣いてるような笑ってるような顔で康子は言った。
康子「類、今までありがとう。慎吾が亡くなって今日まで傍にいてくれてほんとありがとう。あなたがいてくれたから、慎吾を失った悲しみも乗り越えられることができたと思う。私はもう大丈夫。この言葉を言うのにずいぶん時間がかかっちゃったな。今度は類が勇気を出して乗り越えて。」
類「ワカッタ。イママデアリガトウ。」
康子「じゃあ、ここでお別れね。」
康子は振り向くこともせず、前を向いたまま、まっすぐ歩いていった。
その目にはたくさんの涙をためて・・・

つづく
ゆきっち 2006/05/09 12:14:35
続きまして、こちらもお久しぶりの流星3でございます。

それでは早速、勝手に妄想『 流星花園3 』はじまりはじまり~

★★ 真夜中の訪問者 ★★

二人はついに・・・と思いきや、そこに玄関のドアをどんどんとたたく音が鳴り響いた。
司「ほっとけ!」ドアをたたく音はしつこく何度も何度も続いた。
つくし「でも・・・」
司「分かったよ。」またしても邪魔が入ってしまった。
司「誰だ!」
 「夜分すいません。牧野つくしさん、いらっしゃいますか?」
つくし「私ですけど、どなたですか?」
 「ここ開けてもらえますか?」
司が少しだけ、玄関のドアを開けた。
 「僕のこと、覚えてますか?」
つくし「えーっと確かアミの店であったことがあるような・・・」
 「そうです!ダイです。」
つくし「あ~。アミのことが好きな子ね。どうしたの?」
ダイ「ちょっといいですか?」
つくし「どうぞ。」と言ってしまったつくしの背中に司の視線が突き刺さった。
つくしはダイに熱いお茶を出しながら、ふたたび聞いた。
つくし「どうしたの?こんな夜に?」
ダイ「アミに牧野さんが来てるって聞いて、ここに来ようか、迷惑かなとか思ってたらこんな時間になってしまって・・・」
司「ほんと迷惑だ!」
つくし「道明寺!!あんたはちょっと黙ってって!」
ダイ「すいません・・・」司の迫力にダイは消え入りそうな声で言った。
つくし「何か私に用があってここまで来たんでしょ?何?」つくしはやさしく聞いた。
ダイ「やっとアミがうんって言ってくれて、今付き合ってるんですが・・・」
つくし「おめでとう、よかったね!ずっと好きだったんでしょ?」
ダイ「はい。それは天にも昇る気分でした。でも・・・」
つくし「でも?」
司「はっきりしない奴だな。早く話せ!」司がせっついた。
つくし「道明寺!ごねんね。いいのよ、ゆっくり話して。」
ダイ「はい。最初はうれしかったんですが、だんだん僕でいいのかなと思ってきて、そしたら自信が持てなくて・・・牧野さんと来てた花沢類のことも気になって・・・」
司「で何が言いたいんだ!」
ダイ「すいません・
ゆきっち 2006/05/09 12:15:21
ダイ「すいません・・・てっきり牧野さんと花沢類は付き合ってらっしゃると思ってたから、そのことをはっきり牧野さんに聞きたくて・・・」
司「あいにくだったな。牧野は俺と付き合ってんだ。これでいいだろ、早く帰れ!」
つくし「道明寺!脅さないで!ダイ、花沢類とアミは何でもないわ。アミはあなたと付き合ってるのよ。彼女のことをもっと信じてあげなきゃ。アミはとても正直な子よ。不器用って言ってもいいくらいにね。だから好きでもない子と付き合うわけがないわ。自信をもって!ね。頑張って!」
ダイ「はい。牧野さんに言われたら、なんだか元気が出てきました。ありがとうございました。」ダイはつくしの手を取り言った。
ダイは何度もお礼を言って、最後にアミにはこのことは内緒にと付け加えて帰っていった。

司「ほんとおまえって、おせっかいだな。あんなのほっときゃいいのに。」
つくし「かわいそうじゃない。すごく悩んでたんだよ。こんな夜中にここまでやって来たぐらいだもの。ほっとけないでしょ。」
司「ほんとおまえっておせっかいだな。俺のことも少しは考えて欲しいよ。」
つくし「ごめん・・・でもダイって一生懸命でなんだかかわいかったね。」
司「かわいかった?あんなうじうじした奴がか!」
つくし「あんた、もしかしてやいてんの?」
司「そ・そんなわけねーだろ。」どもるということは図星だったようだ。
そして、二人は顔を見合わせて大笑いした。
司「なんだかしらけちまったから、つづきってわけにもいかねーな。」
つくし「うん。やっぱり私たちって、呪われてるのかな?」
司「かもな。お袋の呪いか?」
つくし「道明寺、それ笑えない。冗談きついよ。」
そして、二人はまた笑った。ここまできたら、もう笑うしかなかった。
司「次のときまでお預けな。」
つくし「うん。神様がまだ早いって言ってるのかもしれないね。」
司「そうかもな。楽しみはとっておけってことか・・・今度は何があろうと逃がさないからな。」司はつくしに襲い掛かる真似をした。
つくし「分かりましたから、やめて。そうだ!ねえ道明寺、外に出てみない?」
司「そうだな。ここでこうしててもしかたない
ゆきっち 2006/05/09 12:16:04
司「そうだな。ここでこうしててもしかたないからな。」
二人は、夜の散歩に出かけた。

★★ 流星が導くものは ★★

二人は小高い丘の頂上に来ていた。
つくし「ここ覚えてる?」
司「ああ。」
つくし「ついこの間のことみたいだね。」
司「そうだな。あの時はここにこうしてまた二人で来るなんて思わなかった。」
つくし「ほんと。人生って何がおこるかわかんないね。」
二人は少しの間、何も言わず、空に輝く星を眺めた。
つくしの目から一筋の涙がこぼれた。
司「牧野・・・」
つくし「ごめん。泣くつもりなんてなかったのに、星を見てたら、涙が出てきちゃった。」
そう言って、笑ってみせた。
司「泣きたかったら泣いたらいい。我慢なんてするな。」
つくし「そんなこと言わないでよ。あんたのことは笑って見送りたいから・・」
司「言いたいことがあったらはっきり言えばいい。泣きたかったら泣けばいい。」
つくし「ここまで頑張ってたのにそんなこと言わないでよ。」つくしの声がだんだん泣き声になってきた。
つくし「あんたにやさしくされると私弱い人間になっちゃう。そんなのいやなの。あんたの前では強いつくしでいたい。」
司「なんだよそれ。普通逆だろ。好きな奴の前だから、弱くなれるんだろ。相変わらずかわいくねえな~」
つくし「かわいくなくてもいい。あんたの負担にはなりたくないから、強い私でいたい。」
司「ばかだな。おまえがどんなに弱くたって俺は負担だなんて思わねーよ。それより、そうやって強がって、ひとりで抱え込んじまうほうが心配だ。」
つくし「そんなかっこいいこと言わないでよ。ひとりで大人ぶらないでよ。涙、止まんなくなるじゃない。」
司「俺は明日からおまえの側にいてやることが出来ない。話を聞いてやりたくても出来ないんだ。だからおまえの心の中にあること、全部聞いておきたい。不安に思ってることも全部聞いておきたいんだ。」
つくし「道明寺・・・私たちって、やっぱりいっしょになれない運命なのかな・・・」
司「運命なんてくそくらえだ。俺がかえてやる。」
つくし「私たちの物語は終わってなんかいないよね?」
司「あたりまえだ。終わらせてたまるか。俺は
ゆきっち 2006/05/09 12:17:08
(メッセージは削除されました)
ゆきっち 2006/05/09 12:18:03
司「あたりまえだ。終わらせてたまるか。俺は必ずおまえのところに帰ってくる。だからおまえも俺を信じて待ってろ。」司はつくしの肩に手を置き言った。
つくし「分かった。あんたのこと信じる。あ~、こんなうじうじしたの私じゃないね。元気出さなくっちゃ。雑草つくしはこんな弱くない!」
そのとき、夜空に流星が光った。
つくし「見た?道明寺、流星よ。」
司「ああ。俺たちの流星だ。」
つくし「あの時には見れなかった流星が・・・」
司「俺たちは大丈夫だ。流星だってそう言ってくれてる。会えなくたって、俺はいつもおまえの側にいる。おまえだって俺の側にいる。」
つくし「そうだね。ちょっとの間会えないだけ。ただそれだけなんだね。」
司「ああ、そうだ。」
司が急に空を見上げて叫び始めた。
司「来年も再来年も、何十年経っても、俺はつくしのことを愛する。たくさんの流星をおまえにやるぞー!」
つくしも司と同じように夜空に向かって叫び始めた。
つくし「司、愛してる!私もたくさんの流星をあんたににあげるー!運命にも絶対負けないぞー」
すると、ふたりを祝福するかのように無数の流星が空を駆け抜けた。
つくし「道明寺、明日空港には見送りには行かないね。」
夜空を見上げたままつくしは言った。
司「ああ。」
つくし「やっぱり泣いちゃいそうだから。あんたには笑ってる私の顔を覚えておいて欲しい・・・」
司「分かった。」
空が白く輝き始めるまで、二人はその場を離れようとはしなかった。
別れのときが、刻一刻と近づいてきていた・・・

つづく
Rabbit 2006/05/09 14:16:20
ゆきっち~~~!!

おひさしぶり~~~!!!
出てこないから、どうしてるかな~~って心配だったよ!!!

久しぶりに、ゆきっちの3に会えて良かったよ~~~(><)!!!

類編!!康子(泰子)と型が着いてしまったのね!!
今度は、奏との関係が本命になってきそうだね!!!
ひさりん 2006/05/09 15:46:05
ゆきっちさん
 いつも楽しみにしております。
 ずっと ロムばかりで ごめんなさい。
 私のコメで 邪魔しては・・・
 と思ってなかなかできませんでした。

 司と類の 同時進行 大変でしょうが がんばってくださいね
 今回の司とつくし・・(┯_┯) ウルル でした
 はやく 次がよみたいよ~
ビビアン 2006/05/09 20:17:15
***ゆきっちさん***
お元気ですか???
休み明けで、ぼけている今日この頃です・・・
さっそくロムしながら・・旭のイメージ拡大に頭が、爆発しています。。。
ゆきっち 2006/05/10 11:13:12
皆さん、おはようございます。
流星3は、根強い人気ですな。妄想作家としては、うれしい限りでございます。
まだまだ続きますので、読んだことのある人もない人も楽しんでくださいね~。
ゆきっち 2006/05/10 11:15:26
流星3のその前に・・・

それでは早速、
勝手に妄想小説 『 流星雨 花沢類篇 』No.37

★奏の決意

奏は、ドアをノックした。
総士長「どうぞ。」
奏「失礼します。」奏はドアを開けて中に入った。
そこにいたのは、内科の看護士長だった森本だった。今は総看護士長となっていた。
森本「野口さん、どうしたの?何か問題でも?」
奏「いえ、総士長にお話があって。今、大丈夫でしょうか?」
森本「ええ、大丈夫よ。そこに座って。」
奏「はい。」
森本「話って?」森本は総士長室のソファーに座ると奏に話しかけた。
奏「これを受け取ってほしいですが・・・」そういって奏がポケットから出したものは『退職願』だった。
森本「どういうことなの?何かあった?」
奏「いえ、一身上の都合です。」
森本「どうしてか話してもらえない?」
奏「お話しすることはなにもありません。申し訳ありませんが、よろしくお願いします。」
森本「あなたが看護学校を卒業して、この病院に来たときからずっと見てきたわ。まじめで一生懸命なあなたが何の理由もなく辞めることなんてできないはずよ。何かわけがあるんでしょ?話してみてくれない?」森本は優しく言った。
奏「・・・」
森本「先週入院してきた金城真吾くんのこと?」
奏「ご存知だったんですか!」
森本「最初は気づかなかったけど、小児科の看護士長があなたの様子がおかしいって言ってたから、もしかしてと思って。」
あの患者さんが入院してから、大きなミスはないものの、以前の奏ならありえないようなことがずいぶんと重なっていた。
森本「真吾くんのお父さんはあのときの・・・」
奏「はい・・・ 私は看護士で、真吾くんは患者です。彼は何も悪くありません。でも、あのときのことを考えると、どうしても冷静でいられなくなるんです。このまま、看護士を続ける自信がありません。」
森本「野口さん・・・」
奏「今まで自分がやってきたことって、何だったんでしょうか?」
森本「あなたはとっても優秀なナースよ。今までもこれからも。考え直すことはできない?」
奏「もう自分がどうしたいのかさえ分かりません。でもこのままこ
ゆきっち 2006/05/10 11:16:13
切れちゃいました。続きです。

奏「もう自分がどうしたいのかさえ分かりません。でもこのままここにいたら、取り返しのつかないことをしそうで・・・」
森本「そう、分かったわ。」森本は少し考え、また話し始めた。
森本「退職願を受理しましょ。あなたには少し休息が必要なのかも。時には立ち止まることも必要よ。」
奏「はい。ありがとうございます。」
森本「でも、約束してちょうだい。必ず戻ってくるって。ここでなくてもいいわ。看護士の仕事は続けてちょうだいね。」
奏「はい。」奏の目には涙が浮かんでいた。
森本「泣かないの。」森本は奏の肩を優しく抱いた。
奏は森本の優しさに触れ、久しぶりに子供のように声をあげて泣いた。
奏が病棟に戻ると、そこにはいつもと変わらない慌しい風景があった。
そこは奏の生きる場所であったのに、今ではどこかぎこちなく落ち着かなかった。
奏の周りだけ、時間が過ぎていくようだった。
総士長に無理を言って、今週いっぱいで退職することになった。引継ぎやら何やらでやめるその日まで忙しくなることだろう。奏にとってはその方がいいかもしれない。
今は何も考えず、忙しくしていることが・・・
奏が真吾の病室に入ろうとしているところに、金城真吾の父、金城健がやってきた。
奏は軽く会釈して、病室に入ろうとした。

健「奏ちゃん、元気だった?ちょっと話せるかな?」
奏「私は話すことは何もありません。」健は奏の言葉を無視して、談話室の方へ歩いていった。奏は仕方なく後に着いていった。
健「この前はびっくりしたよ。まさか君が真吾の担当になるとはね。あの時は内科にいたから。因縁ってやつかな。」
奏「・・・」
健「君は僕のこと、許してくれないだろうね。」
奏「・・・」
健「真吾があんなになったのも、ばちがあたったのかな・・・」
奏「奥様は昔のことは?」
健「何も知らない。」
奏「そうですか・・・ 私、今週いっぱいでここを退職しますので。」
健「僕のせい?」
奏「真吾くんが早くよくなることをお祈りしています。」
健「君は真吾の病気が治らないほうがいいと思ってるんじゃないのか?いい気味だと思ってるんじゃないのか?
ゆきっち 2006/05/10 11:17:16
ちょこっと切れちゃいました。続きです。

健「君は真吾の病気が治らないほうがいいと思ってるんじゃないのか?いい気味だと思ってるんじゃないのか?」健の口調が荒々しくなった。
奏「だとしたら?私が真吾くんに何かするとでも?そんなことしません。あなたのようにひどい人間になれるんだったら、病院なんてやめません。」
健「やっぱり君は僕の事を許してないんだね。」
奏「心(シン)が許しても、私は決して許しません。」
奏は健の目をまっすぐ見つめ、言った。

つづく
ゆきっち 2006/05/10 11:21:58
皆さんお待ちかねの流星3でございます。

それでは早速、勝手に妄想『 流星花園3 』はじまりはじまり~

★★ 風船にたくす想い ★★

出発の日の朝、二人が家に帰ると、家の前に車が止まっていた。
司「・・・」
中から姿を現したのは楓だった。
司「お母様、何のようですか?出発までにはまだ時間があります。」
楓「あなたが逃げ出すんじゃないかと思って心配になってきてみたの。」
司「逃げたりなんかしませんよ。」
楓「そのようね。司、今日から東谷がおまえの秘書になりますから、今後外出する時はすべて、東谷に報告するように。分かりましたね。」
司「早速監視ですか。あなたはつくづくかわいそうな人だ。人を信じられないなんて。」
楓「なんとでもおっしゃい。そうやって私は道明寺を、あなたたち家族を守ってきたんです。」楓は司の言葉にも動じず言った。
楓「私はお父様のことがあるので、先に空港に行ってるわ。椿たちは後から来るそうだから、あなたも遅れないようにね。」椿はNYで出産するため、タマを連れて帰ることになっていた。
楓「牧野さん、あなたは空港には?」
つくし「行きません。ここで見送ります。」
楓「そうね、そのほうがいいわね。空港には何人かマスコミも来てるだろうから、あなたにのこのこ顔を出されては困るわ。」
司「お母様!何てことを!牧野に謝れ!」司は今にも楓に殴りかかりそうになった。
つくし「いいのよ。道明寺。私は何言われても平気だから。それにおば様に何か言われるのはもう慣れっこだから。」つくしは笑っていった。
司「牧野・・・」
つくし「おば様、どうか道明寺のこと、よろしくお願いします。」つくしは頭を下げた。
楓「あ・あなたにそんなこと頼まれる筋合いじゃないわ。」
つくし「そうかもしれませんが、お願いできるのはおば様しかいませんから。よろしくお願いします。」もう一度、つくしは頭を下げた。
楓「あなたにはプライドってものがないの。敵に頭を下げるなんて。」
つくし「今は敵味方って言ってる場合じゃありません。それにあなたに負けないくらいのプライドは持ってるつもりです。」つくしは楓をまっすぐ見て言った。
つくしは楓の言葉にも一歩も
ゆきっち 2006/05/10 11:22:45
つくしは楓の言葉にも一歩も引かなかった。それどころか、楓の方がたじろいでいた。
楓「司、後から東谷を迎えによこしますから、くれぐれもおくれないようにしてちょうだい。」楓はつくしの言葉に反論もせず、車に乗り込んだ。
司「こわ~。お袋はいつもああだけど、おまえも相当怖いな。」
つくし「これぐらいじゃなきゃ、あんたと付き合うことなんてできないでしょ。」
司「俺、もしかしてとんでもない奴、好きになっちまったかな。」
つくし「何か言った?」
司「い・いいや・・・」
つくし「さあ早く中に入って、荷物の確認しましょ!」
司はつくしにせかされ、家に入った。

出発ロビーにはみんなが見送りに来ていた。
美作「何か前にもこんなことあったよな。」美作は横目で司を見ながら言った。
西門「ああ、あったあった。やきもち焼きのお坊ちゃまが駄々こねて、ニューヨークに行くってことが。でもすぐに帰ってきやがった。とんだ人騒がせだ。」
司「あんときは類が悪いんだろ。俺にほんとのこと早く言わないから。」
そう言われた類は、親指を立て、下に向けた。
司「なんだよそれは。」
西門「今度はすぐ帰ってくるってことは出来ないな。」
司「ああ」
美作「ほんと大丈夫なのか?英語もろくにしゃべれないのに。」
司「俺みたいなサイズのある・・・」
美作「おまえのその言葉は聞き飽きたよ。」美作は司の言葉をさえぎって言った。
西門「ねーちゃん、ねーちゃんだけが頼りだ。司を頼むよ。」
椿「任せといてって言ってもこのお腹じゃね~」椿はそういって大きなお腹を撫でた。
タマ「西門ぼっちゃま、心配には及びません。このタマが司ぼっちゃまをしっかりとお守りいたします。」タマは俄然張り切っていた。この人のパワーはどこから沸いてくるのだろう。
滋「元気な赤ちゃん、産んでくださいね。」滋はそう言って椿の手を握った。
椿「ありがとう。滋さん。つくしちゃんのこと、お願いね。女の子同士、相談にのってあげて。」
司「どっちも女の子ってがらじゃねーけど。」司はそう言って、滋に睨まれた。
滋「分かりました。豪華客船に乗ったつもりで任せといてください。」
椿「豪華客船?もしかして
ゆきっち 2006/05/10 11:23:40
椿「豪華客船?もしかして大船に乗ったつもりでってこと?」
滋「はい!そっちのほうがすごく大丈夫そうでしょ?」滋は元気に言った。
やはり滋は司に相通ずるものがあるようだ。
西門「牧野は?」呆れ顔の西門は滋を無視して言った。
司「見送りにはこないって・・・」
美作「そっか。あいつもつらいよな・・・」
類「牧野なら大丈夫だよ。そんなやわな奴じゃない。」
司「ああ」
西門「そうだな。こんな猛獣をここまで手なずけて、あの女帝のやりあったんだ。ちょっとやそっとじゃ動じないか。」
司「そうじろう~」司が西門の首をつかんで頭を軽くたたいていると、司を呼ぶ声が聞こえてきた。
和也「道明寺~」ロビーを和也とミミが息を切らせて走ってきた。
和也「ずるいよみんな。誰も僕に出発のこと教えてくれないんだから。さっきつくしちゃんから電話があって急いできたんだよ。ミミも知ってて教えてくれないし。」
ミミ「すみません。青池先輩。道明寺会長もいらっしゃるって聞いてたんでここにくるつもりじゃなかったんです。でも、道明寺先輩にこれを渡さなきゃって。これ持って行ってください。」そう言ってミミは司に封筒を渡した。
ミミ「必ず、牧野先輩を連れて行ってあげてくださいね。」
封筒の中には、ミミが考えたハワイ旅行のプラン表が入っていた。
司「ありがとう。必ず行くよ。」司はミミに心からお礼を言った。
和也「道明寺がいなくなったら、今度こそ僕がF4のメンバーになるから。」
司「何馬鹿なこと言ってんだ。」
美作「懲りない奴だな。おまえは絶対ダメだ!」
類「F4はF4だ。誰もかわりになれはしない。」
西門「そうだ。和也、残念だったな。」
ふくれっつらで怒っている和也の携帯がなった。
和也「あ、つくしちゃんからメールだ。」
和也「このメールを声に出して読んで?道明寺、空港の入り口を見て。」
司は入り口が見える位置まで走っていった。みんなもそれに続いた。
入り口の道路を挟んだ向かい側につくしは立っていた。両手に風船をたくさん持って・・・
和也「続き読むよ。道明寺にいっぱい幸せがありますように。」
つくしはまるで和也の声が聞こえていたかのようにタイミング
ゆきっち 2006/05/10 11:24:20
つくしはまるで和也の声が聞こえていたかのようにタイミングよく、風船を空へと解き放った。
色とりどりの風船が青い空へと吸い込まれていった。
つくしは大きく司に手を振ると、空港に背を向けて歩き始めた。
和也「また、つくしちゃんからメールだ。振り向かずに行くね。だから道明寺も前をしっかり向いて頑張って。いってらっしゃい。って。」
西門「牧野も手の込んだことするな。司の携帯に電話すればいいのに。」
司「連絡取れないようにお袋に取られたんだ。和也、携帯かせ!」司は和也からひったくるように携帯を取ると、つくしにメールを打った。

『CI604便でNYにお立ちのお客様、12番ゲートにお進みください』
司たちが乗る飛行機の場内アナウンスが流れ始めた。
西門「司、頑張れよ。」西門は司のお腹を軽く殴った。
美作「仕事のことで行き詰まったら、いつでも連絡しろ、アドバイスしてやる。」
類「牧野のことは心配するな。俺たちがついてる。」
和也「僕もついてるから・・・」和也は西門と美作に肘鉄をされて後ろに下がった。
ミミ「お元気で・・・」
司「親父のことは心配するな。必ず良くなるから。」不安そうなミミの顔を見て、安心させるように頭を撫でながら、司は言った。
ミミ「はい。」
滋「司、つくしのためにも死に物狂いで頑張りなさいよ。」
司「おまえに言われなくても分かってるよ。」
また、場内アナウンスが流れた。
タマ「司坊ちゃま、そろそろ参りませんと・・・」
司「分かってる。あきら、ちょっと」
司は美作を呼んで、耳打ちした。びっくりした表情の美作。
その間に滋は椿にそっと手紙を渡した。
司「それじゃーちょっと行ってくる。」
司はまるでちょっと旅行にいってくるといった調子で、ニューヨークに旅立った。

つくしは離陸しては空のかなたに消えていく飛行機たちを見ていた。
司は旅立ったのだ・・・
司のメールにはこう書かれてあった。
『この馬鹿、電話しろ。おまえも頑張れよ。』
短い文章だったがつくしにはそれで十分だった。
つくしも電話を掛けて、道明寺の声が聞きたかった。でもできなかった・・・
声を聞けば、また弱
ゆきっち 2006/05/10 11:25:03
声を聞けば、また弱いつくしになりそうだったから・・・
司を家で見送ったあと、どうしてももう一度自分の気持ちを伝えたくて、空港に来てしまった。
けれど、楓に見送りには行かないと約束した以上司に会うわけにはいかない。
だから、自分の思いを込めて風船を飛ばした。
その思いは確かに司に届いたのだった。

西門「とうとう行ったな・・・」西門が言った。
類「ああ。」
和也「ねえねえ。美作、最後に道明寺と何話してたの?」
美作「おまえには関係ないよ。」
和也「また僕だけ仲間はずれ~」
和也はまた一人でぼやきながら、ミミの方へ歩いていった。
西門「司、何て?」
美作「おまえらが牧野に近づかないように見張っとけってよ。とくにそうじろうには気をつけろっだってさ。あいつの野生の勘は侮れないな。」
滋「なになに深刻な顔して、何の話?」滋が西門に話し掛けた。
西門「なんでもないよ。そういえば、おまえ、ねーちゃんになんか渡してたろ。あれなんだ?」西門は話題を変えた。
滋「ああ、あれ。つくしに頼まれてたの。手紙渡してくれって。今ごろ、飛行機の中で読んでるんじゃないかな。」
司たちの乗った飛行機は、もう見えなくなっていた。

つづく
Rabbit 2006/05/10 13:22:18
ゆきっち~~!!

奏と健の関係が、どうだったのかな~???
早く知りた~い!!
気になちゃう~~~(><)!!
あい 2006/05/10 16:16:23
わおー
ゆきっちさん
更新ありがとうございま~す!!!!
●●
 ●※●
  ●\§。雨でやになっちゃいますね~
こんな日は、お家でまったりですぞ~
あい 2006/05/10 16:21:43
        ↓の絵文字崩れちゃいました・・

  ●●
 ●※●
  ●\§   ほんとは、このお花~
   ∞\
ゆきっち 2006/05/12 10:31:04
あいちゃん、↓花束ありがとう。
昨日は、お仔の参観日に行っておりました。
小学校で結構参観日ない?
幼稚園の時はそんなになかったような気がするんだけどな。

さてさて、今日は広島支部の数迷さんたちはミニオフ会をされてらっしゃいます。
私は、お誘いいただいたのですが、お仔たちの帰りに間に合わないので、今回はご辞退いたしまいた。
10時開始ですが、もうすでにテンションはあがってるんだろうな~。
私は、執筆活動にがんばろうっと。

それでは早速、
勝手に妄想小説 『 流星雨 花沢類篇 』No.38

★ 考える前にまず行動?

類は康子に言われたことを思い出していた。
『今度は類が勇気を出して乗り越えて。』
 ― 僕が乗り越えなきゃいけないことってなんだろう。勇気をだして・・・
   牧野のことか?確かに康子の中に牧野を重ねていたかもしれない。でも、僕が好きなのは・・・ いったい誰なんだろうか?
類の脳裏に奏の顔が浮かんだ。
 ― 野口さん?まさか!彼女が頑なに自分を隠していることは気になるが、好きな気持ちとは違う・・・ でも、牧野のときみたいに彼女の笑顔が見たいし、泣いている姿を見ると気になる。これは好きってことなのか?
いつも冷静な類に似つかわしくない声を上げると、急に立ち上がった。
そのとき、類の携帯が鳴った。
類「もしもし?」
美作「元気か?」
類「あきらか。一応生きてる。お前は?」
美作「この上なく元気だ。」
類「どうした?」
美作「滋が電話しろってうるさくって。」
滋「うるさいって何よ。」電話の向こうであきらが滋に怒られているのが聞こえてきた。
美作「代われって言ってるから、代わるぞ。」
類「ああ。」
滋「花沢類?来週の金曜日、こっちに帰って来て。」
類「何だよ。急に。」
滋「新しい事務所のオープンパーティーをするの。類も来てくれるでしょ?」
類「どうしても行かなきゃいけない?」
滋「来れないって言うの!私とつくしの大切な日なんだよ!」
類「そう言われてもなあ・・・」
滋「それに重大発表もあるから、絶
ゆきっち 2006/05/12 10:32:11
切れちゃいました。続きです。

滋「それに重大発表もあるから、絶対来てよ。分かったわね。」
類「強引だな。分かったよ。」
滋「よろしい。じゃ、美作に変わるね。」
美作「類、そういうことみたいだから。帰ってこれるか?」
類「なんとかするよ。行かなきゃ後がうるさそうだからな。司とそっくりだ。」
美作「ほんとだな。」
類「司からなんか連絡あるか?」
美作「何にも。あいつのことだから、俺たちのことまで気が回らないだろ。牧野のことには気が回るのにな。」
類「ああ・・・」
電話を切ると、また類は考え込んでしまった。
 ― 司だったら考える前に行動だな。僕にもあんな風にできる勇気があったらな。勇気か・・・
今回ばかりは、類は司を見習うことにした。

つづく
ゆきっち 2006/05/12 10:35:57
毎度のセリフですが、続きまして、流星3でございます。

それでは早速、勝手に妄想『 流星花園3 』はじまりはじまり~

★★ 手紙 ★★

司は飛行機の窓から、小さくなる台北を見ていた。
椿「司、これ。」椿は楓に気付かれないようにこっそり司に手紙を渡した。
司「これは?」
椿「滋さんから預かったの。あんたと私とタマ宛の三通。差出人は書いてないけど、つくしちゃんからだと思うの。」
三人はそれぞれの席で、手紙の封を切った。

道明寺 椿様
  こうしてあらたまって手紙を書くのは初めてですね。
  なんだか照れてしまいます。
  お見送りに行けなくてごめんなさい。
  お姉さんや道明寺の顔を見たら泣いちゃいそうだから、手紙を書きます。
  お姉さんには、いろいろ心配掛けてしまいました。
  道明寺と私はこういう道を選びました。
お姉さんから見れば、なんて馬鹿な二人だと思われるかもしれません。
けれど私たちにとってはこれが精一杯の答えなのです。
道明寺は今からいろんな困難にぶつかり、やさしい彼はその度に悩み苦しむことでしょう。
私が飛んでいって助けてあげたいけれど、それはできません。
私が頼むのはおかしいかもしれませんが、どうぞ道明寺を助けてあげてください。
出産という大変なときに、こんなお願いをしてごめんなさい。
初めての出産で不安もあるかもしれません。
でも強くて素敵なお姉さんならきっと大丈夫。
どうぞ、元気な赤ちゃんを産んでくださいね。      つくし

手紙といっしょにお守りが入っていた。

 タマさんへ
  タマさん、またタマさんには怒られてしまうようなことしてしまいました。
  一度つかんだ、道明寺の手を離すようなことをしてしまってごめんなさい。
  でもこれが私たちの選んだ答えなのです。
  どうぞ分かってくださいね。
  でもしぶとい雑草つくしは、決してあきらめてはいません。
  必ず、道明寺と二人で、幸せになります。
  だから、それまで元気でいてくださいね。
  お姉さんと道明寺のこと、
ゆきっち 2006/05/12 10:36:33
  お姉さんと道明寺のこと、お願いします。
  でも、くれぐれも無理しないように、もう年なんだから。って怒られそうですね。
  タマさんには怒られたばっかりだ。出来に悪い孫でごめんなさい。
  お体には十分お気をつけて・・・        つくし

 道明寺 司様
  この手紙を読むころは、もう空の上だね。
  あんたに手紙を書くなんて、なんだか恥ずかしい。
言っとくけど、これはラブレターじゃないからね。
空港には見送りに行かないから、手紙を滋さんに渡しておきます。
ニューヨークに行って、言葉が通じなくても怒っちゃダメだよ。
あんたはすぐ手が出るんだから、まず我慢。
司『そんなの分かってるよ』司は読みながら、心の中でつぶやいた。
  それとお母さんと話すときは、切れないこと。
  すぐけんかしないこと。まわりが大変だから・・・
司『俺はガキか?』
一年後、二年後、いつになるか分からないけど、今度会ったときに、あんたに誉められるように私頑張るね。
弁当屋を台湾一、ううん、中国一のお店にしてみせる!
司『中国一か、ずいぶん大きく出たな。』
  だから、私のことは心配しないでね。

あんたは、わがままで、自信家で、すぐ人のこと馬鹿って言うけど、ほんとはやさしくて、不器用で、寂しがりやなんだよね。
そのままの道明寺でいて・・・そのままのあんたで帰ってきてね。
司『牧野・・・』
体に気をつけて、あんまり無理しないでね。
あんたも一応人間なんだから、無理はダメだよ。
司『俺は化け物か?』
  道明寺、加油!加油!            牧野つくし
司『おまえこそ、頑張れよ』

司は手紙を読み終わると、それを大事そうにカバンに入れた。
一年後になるか二年後になるか分からないが、そのとき、誰にも文句を言わせないぐらい頑張って、必ず牧野を迎えに行こう、あいつのところに帰ろう、司は強くそう思った。
司の新たな生活が始まろうとしていた。

★★ 命の誕生 ★★

司が誕生日にニューヨークに旅立ってから、つくしはがむしゃらに働いた。
司のいない寂しさを埋めるた
ゆきっち 2006/05/12 10:37:07
司のいない寂しさを埋めるためか、じっとしていられない性格のためか、それは分からないが、とにかく一生懸命働いた。
そんな姿を見て心配になったパパとママは、いっしょに暮らそうと言ってくれたが、つくしはそれを断った。
司との思い出の詰まったこの家を離れたくなかった。
つくしのことを心配して、みんながかわるがわる様子を見に来てくれた。
つくしはそんなみんなのやさしさがうれしかった。
連絡こそ取れないが、道明寺の様子はみんなから伝わってきた。
最初こそ言葉などの問題で苦戦していたようだったが、あの野生の勘とカリスマ性で上手くやっているようだった。
まさに司マジックだと、美作は言っていた。
今のところ、大きな失敗もなく、人も殴ったという話も耳に入ってこない。
道明寺が元気でいるのを聞くと、つくしはほっとした。

司が旅立って少しして、椿が男の子と女の子の双子の赤ちゃんを出産した。
まもなく椿から赤ちゃんの写真と手紙が送られてきた。
男の子は、大地に根を張りしっかり生きて欲しいと『 樹 』たつきくん。
女の子は、みんなの心にやさしくふく風になってほしいと『 颯 』そうちゃん。
と名づけたと手紙の最初に書かれてあった。
樹くんは、はりりしい目に太い眉毛、少し道明寺に似ていた。
お姉さんの手紙では、「だっこをしてないと泣くので、タマと二人、休まる時がなくて大変よ」と書かれてあった。
大変だとかかれてあっても、かわいくてたまらない様子がうかがえた。
颯ちゃんは、「おとなしくまだ目が見えてないはずなのに、私を見て、笑うのよ。親ばかかしらね」と書かれてあった。
『親ばかかしらね』と書いたお姉さんのうれしさがこちらにも伝わってきて、つくしもうれしくなった。
手紙には「つくしちゃんのようにやさしくて強い子になるように育てるわ」と書かれてあった。
つくしは強くは余計のような気がするが、あまり深く考えないことにした。
赤ちゃんを抱く椿は、より一層美しさを増し、その姿はまるで聖母マリアのようだった。
何枚かはいっていた写真の中につくしは司の姿を見つけた。
おそらく椿がつくしのことを思い、送ってくれたのだろう。
つくしは少し驚いていた。
ゆきっち 2006/05/12 10:38:56
司が旅立ってからまだ間がないが、スーツを着て照れくさそうに笑う司はりりしく変わっていた。
しかしその一方で、赤ちゃんを抱く司は、落としはしないか不安なのか、笑顔がぎこちなく、つくしを笑わせた。
道明寺の周りが幸せに包まれているようで、つくしの心もまた幸せに包み込まれたかのようだった。つながっている、つくしはそう思った。
樹くんと颯ちゃんに幸多からんことを・・・

★★ ミミと和也の出発 ★★

春になり、和也君は英徳学園を無事卒業した。
ミミとの留学の意思は固く、経営学を学ぶという名目で半ば強引に留学を決めた。
ミミや和也君の両親は最後まで反対したが、和也君の気持ちは変わらなかった。
そこでミミはルールを決めた。
①お互いの勉強の邪魔はしない
②泣き言を言わない
③食事は割り勘
和也君は文句をいいながらも承諾し、晴れてミミと日本に向かうことが決まった。
そのとき、ポツリと和也君が「つくしちゃんにだんだん似てきて、ミミがどんどん強くなってく・・・」と言った言葉が気になるが、ミミの成長は頼もしくうれしいものだった。
二人が出発する日、空港まで見送りに行くと、和也君は私の顔を見るなり泣き出した。
和也「つくしちゃ~ん・・・」
つくし「和也君、何泣いてるの?」
和也「つくしちゃんと離れると思うと涙が止まらないよ~」
つくし「何情けないこといってんの!これからは和也君がミミを守ってあげなきゃいけないんだよ。しっかりしなさい!」そう言ってつくしは和也の背中をたたいた。
ミミ「牧野先輩、心配しないでください。青池先輩は私が守りますから!」
こちらはずいぶんと威勢がいい。
つくし「ミミ、あまり無理しないようにね。元気で!」
ミミ「はい。牧野先輩もお元気で!」
和也「つくしちゃ~ん。」
まだ泣き止まない和也を連れて、ミミは出国ゲートに消えていった。

司がニューヨークに旅立って、半年が過ぎた。
時々、お姉さんが子供の写真と一緒に司の写真を送ってくれた。
つくしはいつしかそれを心待ちにするようになっていた。
送られた写真はつくしの部屋の壁に届くたびに飾られた。
つくしは毎日
ゆきっち 2006/05/12 10:39:35
つくしは毎日その写真を眺めながら生活していた。
何通かめの手紙に、誠の心臓移植のことが書かれていた。
ドナーが見つかり、手術は無事成功し、その後の経過も順調ということだった。
つくしは誠の手術の成功を心から喜んだ。
飾られた司の写真に向かって
つくし「道明寺、よかったね。」とそっと話し掛けた。

他のみんなはというと・・・
美作は、仕事であれだけ悩んでいたのが嘘のように今ではらつ腕振りを発揮していた。
自他共に認める経営者に成長しつつあった。
しかし、ねっからの仕事人間ということはなく、週末にはシノさんとデートを楽しみ、私の店も時々手伝ってくれた。
そうそう最近では、テレビにも出るようになり、ちょっとした有名人になった。
忙しいのに、なんでも上手にやりこなしてしまう。なんとも美作らしい。

西門と滋さんはというと、食事に行ったり、遊びに行ったりと仲良くはしているようだが
それ以上の進展はないようだ。
滋さんは私の魅力で西門を落としてみせると息巻いていたが、いざ西門を前にするとどうも調子が出ないようだ。
道明寺のときの強引さはどこへいってしまったのだろう・・・
西門はそんな滋さんの気持ちを分かっていながら、何の反応も示さない。
はっきりしろーと言いたいところだが、あまり口を出すと上手くいくものも上手くいかなくなるから、お節介虫がうずうずしていても、ここはぐっと我慢我慢。
これからも二人を見守っていこうと思うつくしであった。

類は、相変わらず日本と台湾を行ったり来たりする日々が続いていた。
台北に帰ったときは、必ずつくしの顔を見に来てくれた。
口には出さないが、日本でなにかいいことがあったのか、心なしか以前より明るくなったような気がした。
何があったか聞いてみたが、類は笑いながら「そのうちに」と言ったきり、何も答えてはくれなかった。
ちょっと気になりはしたが、楽しみにとっておくことにした。

つづく
ゆきっち 2006/05/12 11:55:05
執筆中に気づいてしまいました。
流星3と流星雨がかみ合ってないことに・・・
なので、ちょこっと書き直して、もう一度更新しておきます。
暇な方は、どこが変わってるか、お確かめあれ~。
こちらが訂正後の『 流星雨 花沢類篇 』No.38で~す。


★ 考える前にまず行動?

類は康子に言われたことを思い出していた。
『今度は類が勇気を出して乗り越えて。』
 ― 僕が乗り越えなきゃいけないことってなんだろう。勇気をだして・・・
   牧野のことか?確かに康子の中に牧野を重ねていたかもしれない。でも、僕が好きなのは・・・ いったい誰なんだろうか?
類の脳裏に奏の顔が浮かんだ。
 ― 野口さん?まさか!彼女が頑なに自分を隠していることは気になるが、好きな気持ちとは違う・・・ でも、牧野のときみたいに彼女の笑顔が見たいし、泣いている姿を見ると気になる。これは好きってことなのか?
いつも冷静な類に似つかわしくない声を上げると、急に立ち上がった。
そのとき、類の携帯が鳴った。
類「もしもし?」
美作「元気か?」
類「あきらか。一応生きてる。お前は?」
美作「この上なく元気だ。」
類「どうした?」
美作「滋が電話しろってうるさくって。」
滋「うるさいって何よ。」電話の向こうであきらが滋に怒られているのが聞こえてきた。
美作「代われって言ってるから、代わるぞ。」
類「ああ。」
滋「花沢類?来週の金曜日、こっちに帰って来て。」
類「何だよ。急に。」
滋「西門の誕生日パーティーをするの。類も来てくれるでしょ?」
類「どうしても行かなきゃいけない?」
滋「来れないって言うの!大事な友達の誕生日でしょ!」
類「そう言われてもなあ・・・総ニ郎には何かプレゼント贈っとくよ。」
滋「だめ、絶対だめ!必ず出席すること!でなきゃ、私、何するか分からないわよ。それに
重大発表もあるから、絶対来てよ。分かったわね。」
類「強引だな。分かったよ。」
滋「よろしい。じゃ、美作に変わるね。」
美作「類、そういうことみたいだから。帰ってこれるか?」
類「なんとかする
ゆきっち 2006/05/12 11:56:51
類「なんとかするよ。行かなきゃ後がうるさそうだからな。司とそっくりだ。」
美作「ほんとだな。」
類「司からなんか連絡あるか?」
美作「何にも。あいつのことだから、俺たちのことまで気が回らないだろ。牧野のことには気が回るのにな。」
類「ああ・・・」
電話を切ると、また類は考え込んでしまった。
 ― 司だったら考える前に行動だな。僕にもあんな風にできる勇気があったらな。勇気か・・・
今回ばかりは、類は司を見習うことにした。

つづく
あい 2006/05/12 17:14:39
あ・あれ?さっきコメしたのに、送れてないのかな??

こんにちは、小学校の参観お疲れです~幼稚園とは、
ちょっと違いますね、みんなちゃんと,座ってるので
ほっとしました。月1くらいのペースかな?我が子の学校は
幼稚園もそれくらいのペースでしたよ~
それでも,今年は学校の方でお手伝い係りになったので
だびだび足を運んでおります。
あい 2006/05/12 17:17:45
流星雨、パーティーでも内容が変わったのですね~
重大発表って、滋がうれしいことかな~??
ゆきっち 2006/05/15 09:56:04
あいちゃん
そうで~す。滋のうれしいことです。
我、勘違いしてて、重大発表が事務所オープンの時と思っておりました。
そうすると後の流れがおかしくなるので、急遽訂正を更新いたしました。
ゆきっち 2006/05/15 10:06:59
皆さん、おはようございます。
本日から、下の仔が流行性結膜炎で幼稚園をお休み、なので、また昔の生活に逆戻りで~す。

それでは早速、
勝手に妄想小説 『 流星雨 花沢類篇 』No.39

★ 彼女の行方

類は司の行動力を見習い?、奏の病院へと向かった。
類「ヤメタ!」
後輩看護士の渡辺から、奏が病院を辞めたことを告げられた。
渡辺「はい。突然で。私もびっくりしてるんです。」
類「ドウシテ、ヤメタンデスカ?」
渡辺「全然分からないんです。最近様子がおかしかったんですが、まさか病院を辞めるなんて・・・」
類「ノグチサンハ、イマドコニ?」
渡辺「寮も引き払ってしまって、どこに行ったか分からないんです。何も言わずに突然いなくなってしまって、どこにいるか私が聞きたいくらいです。」
そう言って渡辺は涙ぐんだ。
類「ソウデスカ・・・」
類は、それ以上渡辺に話を聞いても何も分からないと思うと、ある人物のところに向かった。
奏がそうしたように、類も総看護士長の森本のもとに向かった。

森本「まあ、またお会いできるなんてうれしいですわ。」
類「タントウチョクニュウニオキキシマス。」
森本「ずいぶん難しい言葉をご存知ね。私に何が聞きたいと?」
類「ノグチサンハイマドコニ?」
森本「看護士の野口のことですか?」
類「ハイ、ソウデス。」
森本「退職いたしました。」
類「サキホドキキマシタ。イマドコニイルカシリタインデス。」
森本「前にも言いましたが、個人的なことはお答えすることはできません。」
類「アッテハナシガシタインデス。」
森本「野口さんに会って何を話すんですか?」
類「イマハワカリマセン。アエバ、ナニカガハッキリスルヨウナキガ・・・」
森本「詳しくは言えませんが、野口さんを今はそっとしといてあげてほしいの。」
類「ナニカアッタンデスカ!」
森本「何かあったというより、過去に縛られているというのかしら。時間が解決するしかないのよ。だからあなたも彼女を探すような真似はしないでほしいの。」
類「ナニモオシエテクダサラナインデスカ?」
森本「失礼だ
ゆきっち 2006/05/15 10:09:23
切れちゃいました。続きです。

森本「失礼だけど、あなたもまだ自分の気持ち、はっきりしてらっしゃらないんじゃないの?だから、野口さんに会って何かを確かめたい。そうじゃないの?」
類「・・・」
森本「そんな中途半端な気持ちで彼女を苦しめてほしくないの!」
類「・・・」
森本「ひどいことを言ってごめんなさい。私にとって彼女は子供のようなものなの。人一倍不器用な子だから、これ以上苦しんでほしくないのよ。分かってください。」
類「ワカリマシタ。モシカノジョカラレンラクガアッタラ、アイタイトツタエテクダサイ。」
森本「分かりました。必ず伝えます。」
類は森本に礼を言うと、病院を後にした。
病院からの帰り道、類はあの土手を訪れた。
心にぽっかり穴が開いたようで、急に寂しくなった。
人を寄せ付けないところのある類であったが、元来は寂しがり屋なのかもしれない。
携帯を取り出し、メモリーを見た。
そこには奏の名前はなかった。今更ながら、奏のことを何も知らない自分がいた。
類は、一人の名前のところで目が留まった。
「康子」人恋しくなった類は、電話をかけてみようかと思ったが、そんな虫のいい話はないかと思いとどまった。
類は、ふと以前テツが言っていた言葉を思いだした。
「日本のことわざに『覆水、盆に帰らず』というのがある。入れ物からこぼれてしまった水は元には戻すことはできないんじゃ。だから大切なものは手放しちゃいかん。一度離れてしまったものはもう元には戻れない・・・金じゃ買えないものもある。かわりなんてないんじゃ・・・」
今の類にはその言葉が妙に心に引っかかった。

つづく
ゆきっち 2006/05/15 10:17:26
続きまして、流星3でございます。

それでは早速、勝手に妄想『 流星花園3 』はじまりはじまり~

★★ 滋の提案 ★★

夏が過ぎ、秋の気配がただよい始めたころ、ちょっとした事件がおこった。
お店がお休みの日、つくしが家で掃除をしていると、滋がやってきた。
滋「つくし、私いいこと思いついたの!」
いつもにも増して真剣な滋の顔に、つくしは一抹の不安を覚えた。
つくし「いいことって?」恐る恐るつくしは聞いた。
滋「つくしの料理っておいしいでしょ。お弁当だけじゃもったいないと思うの。もっといろんな人に食べて欲しい。」
つくし「食べて欲しいって言われても・・・」
滋「つくしの料理をケータリングしたらどうかな?」
つくし「私、今のお弁当やをやめるつもりはないし、今のままで精一杯なの。」
へんに期待を持たせぬようつくしは、はっきりと言った。
滋「つくしは料理を作ってくれればいいの。後は私がやる!」
つくし「滋さんが?」
滋「そう!つくしと私でいっしょにやるの。ね!いい考えでしょ!」
つくし「でも・・・」
滋「ねえ、やろうよ~」
きらきら子供のように目を輝かせていう滋に押し切られ、つくしはケータリングを始めることになった。

滋は、早速次の日、ケータリングの会社を立ち上げ、事務所をつくしの店においた。
手回しがよく、つくしに話をした時点で、会社立ち上げの準備はもう出来ていたようだった。
それから毎日、滋はつくしの店に通うようになった。
今まで働いたことのない滋だったが、水を得た魚のように、その才能を開花させた。
滋には商才があったようで、会社も確実に売上を伸ばし始めていた。

秋も終わり、冬がやってきた。
街にはクリスマスのイルミネーションが輝いていた。
お店もケータリング業も順調で年末に向け、忙しさを増していた。
滋「おはよう、つくし。どうしたの?変な顔して。」
つくし「何だか最近、誰かに見られてるような気がして・・・」
そう言いながら、つくしはパッと振り返った。
つくし「気のせいか・・・」
滋「分かんないよ。どこかにつくしのフ
ゆきっち 2006/05/15 10:18:06
滋「分かんないよ。どこかにつくしのファンがいるのかも。」
つくし「滋さん、悪い冗談はやめて!さあ、今日も一日がんばろ!」
美作「危ない危ない。」
カメラを片手に美作は冷や汗をぬぐった。

司「あきら、牧野は元気か?」司は美作の顔を見るなり言った。
美作「久しぶりに会った親友に第一声がそれか?」
ここは、ニューヨークの司の部屋。
出張にきていた美作が司を訪ねてきたのである。
司「顔見りゃ分かる。それで牧野は?」
美作「元気だよ。ご注文の品もほら、このとおりお持ちいたしました。司様。」
司「サンキュ!」
美作「それだけか?おまえが自然な牧野がいいっていうから、隠し撮りしたんだぞ。この美作あきらがストーカーまがいのことまでして撮ったのにそれだけか?」
司「悪かったな。お、よく撮れてるじゃないか。この顔なんて、かわいいな。な、あきら。」
美作「はい、はい。」呆れ顔で、美作は返事をした。
司「何で、ここで滋が写ってるんだ?」
美作「二人でケータリングの会社を始めたんだ。」
司「ケータリング?」
美作「簡単に言えば、牧野が作った料理を家まで宅配するんだ。」
司「そうか、牧野も頑張ってんだな。」
美作「頑張ってるというか、頑張りすぎてるっていうか・・・」

★★ 大切なもの ★★

西門は、電話のつくしの声が少し元気がないのが気になって、店を訪ねることにした。
車は閉店時間を少し過ぎたころ、店についた。
入り口に見えるところに車を止め、つくしが出てくるのを待った。
つくしがいつものように出てきて、店に鍵を閉めていると、急につくしの体が崩れた。
あわてて、西門はつくしに近づいた。
西門「牧野、大丈夫か?」
つくし「西門?どうしたの?滋さんなら来客があるって今日は早く帰ったけど・・・」
西門「人のことはいいから!立てるか?」西門はつくしをそっと立たせた。
つくし「うん。大丈夫。ちょっと目眩がしただけだから。」
西門「送ってってやるよ。」
つくしは西門に支えられながら車に乗り込むと、まぶたを閉じ、大きく息をついた。
西門「おまえ、相当疲れてるな。ほん
ゆきっち 2006/05/15 10:19:33
西門「おまえ、相当疲れてるな。ほんとに大丈夫なのか?」
つくし「大丈夫。大丈夫。雑草つくしはこれぐらいでへこたれない。」
西門「俺から滋に言ってやろうか?」
つくし「滋さんには何も言わないで。こんなの一晩ぐっすり寝れば、大丈夫だから。」
西門はそれ以上、何も言わなかった。
家に着くと、つくしが家に入るのを見届けてから、西門は電話を掛け始めた。
西門「俺だ。おまえに頼みがある。牧野が倒れたんだ。・・・・・心配はない。軽い目眩を起こしただけだ。ただ相当疲れがたまってる。・・・・・ああ・・・・・俺じゃダメみたいだから、来てやってくれ。・・・・・ああ。よろしく頼む。」
話終わると、西門は車を発進させた。

司「頑張りすぎ?」
美作「弁当屋に、ケータリングに、あの性格だからどっちも手抜かないだろ。だから無理してるんじゃないかな。滋は今仕事の面白さにはまってって、たぶん牧野のことまで頭が回ってない。牧野のことだから、つらくても滋には言えないんじゃないかって、そうじろうも心配してる。」
司「あのバカ・・・」
そのとき、司にメールが届いた。
司「そうじろうからだ。」
 『 司、牧野が倒れた。 』メールはそれだけしか書かれていなかった。
司「牧野が倒れた!どういうことだ!」
美作「司、落ち着け。そうじろうに電話してみろ。」
司はそうじろうに電話を掛けたが、何度掛けてもつながらない。
司「くそ!そうじろうの奴、何やってるんだ!」
司は携帯電話を床にたたきつけた。

つくしが家で休んでいると、玄関のチャイムが鳴った。
つくし「どなた?」
類「僕だ。」
つくし「花沢類?」つくしは急いで門を開けた。
類「大丈夫なのか?そうじろうから電話もらったんだ。」
つくし「西門が大袈裟なんだよ。ぜんぜん平気。」
そう言ったつくしの顔は血の気がなく、類には少しやつれたように見えた。
類「中に入ろう。」
類はお茶を入れるというつくしを止め、ベッドに横になるように言った。
つくし「起きてても平気なのに。」
類「鏡見てみろ。おばけみたいな顔してるぞ。」
つくし「ひどいな。」
花沢類のもつ独特の
ゆきっち 2006/05/15 10:20:22
花沢類のもつ独特の雰囲気はいつもつくしをほっとさせた。
類「また無理してるだろ。働きすぎだ。」
つくし「そうかもね。」つくしは素直に言った。
類「体壊したら、司が心配するぞ。」
つくし「道明寺か・・・元気かな・・・」今まで張り詰めていた糸が司の名前を聞いたとたんぷつりと切れた。
つくし「ごめん。また、類の前で泣いちゃったね。」
類「いいよ。気にしなくて。」
つくし「類の前だといつも素の自分に戻ってしまう。何でだろうね。」
類「このまま弁当屋もケータリングの仕事も続けるのは無理だ。どちらかをやめたほうがいい。」
つくし「頭では分かってるんだけど・・・」
類「どっちもだめになるぞ。」
つくし「道明寺と始めたお店を止めるわけにはいかない。あいつが帰ってくるまでちゃんと守っていきたい。でも、あんなにうれしそうに働いてる滋さんを裏切るわけにはいかない。ほんと楽しそうに仕事してるんだよ。あんな滋さんを見るのは初めて。悲しませたくない。どうしたらいいんだろ・・・」
つくしはまるで袋小路に迷い込んだようにどっちにも進めず、苦しんでいた。

美作の電話がなった。
美作「もしもし、そうじろう!何度も電話してるんだぞ!」
西門「司といっしょか?」
美作「ああ。あのメールなんだ。司、切れてるぞ。」
西門「司にかわってくれ。」美作は司に電話を渡した。
司「そうじろう!なんだあのメール!牧野は大丈夫なのか!」
西門「司、死ぬほど心配したか?」
司「何言ってるんだ?」
西門「死ぬほど心配したかって聞いてるんだ!」
司「そうじろう、怒るぞ!牧野はどうなんだ。そこにいるのか?」
西門「ここにはいない。倒れたっていっても軽い目眩だ。」
司「よかった。」
西門「よかったじゃない!牧野をいつまでほっとく気だ!もう一年がくるぞ。もうあいつも限界だ。」
司「そうじろう・・・」西門の剣幕に司はたじろいだ。
西門「牧野を助けてやってくれ。俺じゃダメなんだ。もうあいつを苦しめないでやってくれ。でないと、俺が」西門がしゃべり終わらないうちに司が話し始めた。
司「牧野のことは俺が一番よく分かってる。ここでだめになるようなあいつじゃない。
ゆきっち 2006/05/15 10:21:06
司「牧野のことは俺が一番よく分かってる。ここでだめになるようなあいつじゃない。あとのことは俺に任せろ。そうじろう、ありがとうな。」
司の口調はやさしかったが、西門には牧野に手を出すなと言っているように聞こえた。
西門「分かった。おまえに任せるよ。今、類に牧野のことを頼んである。」
西門の心の中には、むなしさだけが残った。

つづく
ゆきっち 2006/05/15 10:21:50
(メッセージは削除されました)
あい 2006/05/15 16:36:26
今日も,ドラマが~
3は、つくしどうなるんじゃろ~
ひさりん 2006/05/15 20:18:25
ゆきっちさん
 もっと 続きが読みたい~
 ドキドキですわ~
ゆきっち 2006/05/16 10:39:48
あいさん、ひさりんさん、おはようございます。
続き、気になります?
それは、流星雨?流星3?どっちとも?どっちともと願いつつ更新いたします。

それでは早速、
勝手に妄想小説 『 流星雨 花沢類篇 』No.40

★ 突然の再会

類は、重い気持ちで台北へと向かった。
金曜日に行われる総二郎のバースディーパーティーに出席するためである。
荷物を受け取り、空港を出ようとしたとき、意外な人物がいた。
類「野口さん!」遠くに奏の姿を見つけ、類は叫んだ。
しかし、その声は空港の雑踏に吸い込まれ、奏の耳には届かなかった。
類は人を掻き分け、やっとバスに乗り込もうとする奏の腕をつかんだ。
奏は突然腕をつかまれ、驚いた表情で後ろを振り返った。
そこに類の姿を見つけ、それ以上に驚いたように目を大きく見開いた。
類「ここで何をしてるんですか!」
奏「あなたこそ、どうして?」
類「僕のことはいい。突然病院も辞めてしまって、どうしたんですか?」
奏「病院を辞めてしまったことをどうして?」
類「そんなことはいいでしょ。」類はあなたに会いにとも言えず、口を濁した。
類「ここではゆっくり話もできない。僕の家に。」
困惑する奏を強引にタクシーに乗せ、類は家に向かった。
奏「何か怒ってらっしゃるんですか?」
類は奏の質問に答えず、黙ったまま、流れては消えていく風景を眺めていた。
タクシーが着くと、奏を家に招きいれた。
奏「お金もちだとは聞いてましたけど、まさかここまで大きな家だとは思いませんでした。」
奏は素直な意見を言った。
類「そこに座ってください。」
類の部屋にはベッドしか置いてないので、とりあえず客間へと案内した。
類はお手伝いがお茶を運んでくるまで、何にも言わず、座ったままだった。
奏は奏で、緊張しているのか、ソファーに座ったまま、こちらも黙っていた。
類「野口さん、どうして急に病院を辞めたんですか?」
お手伝いが部屋を出て行くと、類は口を開いた。
奏「特に理由はありません。ただ、ちょっと疲れただけです。」
類は森本に聞いたことは言わなかっ
ゆきっち 2006/05/16 10:41:29
切れちゃいました。続きです。

類は森本に聞いたことは言わなかった。
類「本当ですか?」
奏「はい。」
類「台北にはどうして?観光ですか?」
奏「心を安めに来たのもありますが、好きな人がこっちにいるので。」
類「好きな人!」類は正直驚いていた。奏にそういう人はいないと思っていたからである。
奏「私に好きな人なんて、おかしいですか?」
類「いえ・・・」動揺をかくしつつ、類は答えた。
奏「ずっと忘れようとしてたけど、どうしても忘れられなくて。」
類「・・・」
奏「その人と会えなくなって、もう私には恋なんてできないのかなと思ってました。でもあなたに会って、もしかしたらもう一度恋ができるかもって、あなたには迷惑ですよね。ごめんなさい。そう思っていても、どうしても踏み込めなくて、そうしていたらあなたと会えなくなってしまって。」
類「野口さん・・・」
奏「そしたら、やっぱりかつて愛していた人のことを忘れられないってことに気がついたんです。そしたら、どうしても会いたくなってしまって、病院も辞めてしまいました。」
そういった奏は、今まで一番生き生きとしていた。
類「その人のことを愛してるんですね。」
奏「はい。」
類の恋は形になる前に終わってしまった。
好きかもしれないと思っていた気持ちをはっきりさせようと奏に会う決心をした類であったが、はっきりさせる前に終わってしまった。
奏「花沢さん、私に何かお話があったんじゃないんですか?」
類「いえ、突然病院を辞めたと聞いて驚いてしまって。」
奏「そうでしたか。ご心配をかけました。」
類はいつもの冷静を取り戻していた。
類「お引止めしてすいませんでした。どこでも言ってください。お送りしますから。」
奏「近くの駅を教えてくだされば、自分でいけますから。」
奏らしい答えだった。
類「分かりました。では、ここから一番近い駅まで送らせましょう。」
奏「ありがとうございます。」
類は玄関まで奏を送りに出た。
車に乗る瞬間、奏は類の方を見るとこう言った。
奏「あなたに少し似てるんですよ。あの人。音楽が好きなところや自分の気持ちを言葉にするのが下手
ゆきっち 2006/05/16 10:42:20
またまた切れちゃいました。続きです。

奏「あなたに少し似てるんですよ。あの人。音楽が好きなところや自分の気持ちを言葉にするのが下手なところが。だからがんばってくださいね。」
その言葉は類には、自分との決別の言葉のように聞こえた。
車が走り去ると、奏の表情が一変した。
先程までの生き生きとした顔から、暗い表情へと変わった。
類に悟られまいと明るく振舞っていたのだ。
最寄の駅につくと、丁寧に運転手にお礼をいい、奏は電車へと乗り込んだ。
その頃、類は現実から逃避するようにベッドにもぐりこむと、眠りにつこうとした。
そして、類がやっと眠りにつくと、奏はあるところに立っていた。
奏「心(シン)、久しぶりだね。逢いにきたよ。」そういうと奏は花束を置いた。
奏の前には、ひとつの墓石があった。

つづく
ゆきっち 2006/05/16 10:46:48
続きまして、お待ちかねの流星3でございます。

それでは早速、勝手に妄想『 流星花園3 』はじまりはじまり~

★★ 懐かしい声 ★★

類「牧野、つらいだろうけど、どちらかを選ばなくちゃいけないんだ。」
つくし「ほんとつらいね。こんなときあいつならなんて言うかな?」
類「酷なようだけど、司はここにはいない。自分で決めるんだ。」
そのとき、類の携帯がなった。
類「もしもし?」
司「類か?牧野、そこにいるな。」
類「ああ。」
司「今から言うことを牧野に伝えてくれ。」
類「ああ、分かった。」
類は携帯をつくしに渡した。
つくし「何?」類は口に手を当て、つくしにしゃべらないように合図した。
司「あのバカに言ってくれ。またバカみたいに一生懸命になって、どうにもならなくなってんだろ。どうせおまえのことだから、俺が戻るまで、店を守らなきゃなんて思ってんだろ。でも滋も助けてやりたい。俺より友達とるおまえの性格からして、滋のことはほっとけねえはずだ。店なんてまた始めればいいじゃないか。ことわざもあるだろ。えーっと、何だ?あきら、二匹の馬がどうのこうのっていうことわざがあるだろ、何だ?・・・・・そうそう、そうだ。二兎を追うものは一兎も得ずってのがあるだろ。どっちか選ばなきゃいけないんだったら、おまえの思う通りにしろ。店のことは気にするな。分かったか?それと飯はちゃんと食えよ。以上!」
司の言葉を聞きながら、つくしは後から後から流れてくる涙を止めようともしなかった。
司「牧野、元気でいてくれ・・・必ず戻るから待っててくれ・・・」
何ヶ月ぶりかの電話越しの再会だった。
つくしは類に電話を返した。
類「言いたいことはそれだけか?ちゃんと牧野に伝えるよ。」
司「頼んだぞ。」司は電話を切った。

類「どうだった久しぶりに聞いた司の声は?」
つくし「バカ!」いつしかつくしの涙は止まっていた。
類「少しは元気がでた?問題は解決しそうだな。」
つくし「うん。ありがとう。道明寺、うんうん、みんなのおかげで答えが出た。今は滋さんを助けてあげようと思う。お店は道明寺が戻ったら、二人で頑張ってまた一から始める。」
類「やっと
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